今やコミュニケーションツールとして欠かせないSNS。それは子どもたちの間でも同じです。一方でSNSを介し、友達同士や見知らぬ人との間で数々のトラブルも起こっています。今回は実際の事例を参考に、トラブルに巻き込まれないための対策について紹介します。
子どものSNSトラブル事例
SNSを利用するにあたって、大人であればすぐに気づくような危険も、子どもだと気づかずにスルーしてしまうもの。スマホの操作自体は問題なくても、まだまだSNSを使ったやりとりには注意が必要です。
総務省が公開している「インターネットトラブル事例集(2023年版)」によると、このようなトラブル事例が報告されています。
- 文字だけでは上手く伝わらず、仲間外れにされる
- グループトークで「SNSいじめ」にあう
- 知らない人と仲良くなったら、自撮り画像を要求された
- SNSに画像を投稿したら、ストーカー被害にあった
- 攻撃的な内容を投稿して警察沙汰になった
- 投げ銭で高額を支払ってしまった
こうしたトラブルに巻き込まれないためにも、今一度、親子でSNSの使い方やスマホの設定を見直しましょう。
子どものSNSトラブルへの対策
SNSトラブルの原因は、意外とささいなことです。トラブルに巻き込まれないために、気を付けたいことをまとめました。
絵文字などを使って、強い表現にならないようにする
文字情報だけでは細かいニュアンスが伝わりにくく、どうしても強い表現になってしまいます。受け取る相手に誤解を与えないよう、文末に絵文字を使うなど、表現がやわらかくなるように工夫しましょう。また、保護者の方は時々、子どものやりとりをチェックして、気になるところがあれば教えてあげてください。
送信や投稿する前に文章を読み返す
文章を送信したり、投稿したりする前に一度読み返し、誤解を招くような表現になっていないか、強い言葉になっていないか、チェックする習慣をつけましょう。特に、SNSの投稿は不特定多数の人が目にするものです。不適切な投稿にならないよう、意識することが重要です。
投稿を限定公開にする
例え友達としかつながっていないSNSのアカウントでも、限定公開にしてない限り、誰でも投稿を見られる状態です。また、画像や文章から個人が特定されてしまう危険性もゼロではありません。子どもが自分のアカウントを持つのであれば、家族や親しい友達だけに限定公開するなど、あらかじめ設定しておくと安心です。
知らない人とはやりとりしない
基本的に、インターネットで知り合っただけの人とはやりとりしないよう、普段から子どもに話しておきましょう。実際に会ったことがない人でも、何度もやりとりをしているうちに、気を許してしまうかもしれません。しかし、相手に悪意がないと言い切ることは出来ないのです。相手とのやりとりで子どもが困っていたら、それ以降のやりとりを拒否するだけでなく、過去の投稿を非表示にしたり、アカウントを削除したりといった対応も検討してください。
親子で気軽に相談できる関係を築く
子どもがトラブルに巻き込まれた時、身近な大人に相談できないままでいると、より事態が悪化してしまうケースも。そうならないよう、普段から子どものスマホを確認し、親子で気軽に話し合える関係を築けているといいですね。子どもがスマホを見せたがらない場合は、「見守りアプリ」などを使って、アプリの利用履歴などを確認することも出来ます。
セキュリティでトラブルを防ぐ
法律により、18歳未満が使うスマホには、違法・有害なウェブサイトへのアクセスを制限する「フィルタリング」の設定が携帯事業者に義務付けられています。加えて、各アプリのセキュリティ設定も見直しておくと、より安心です。
フィルタリングの設定
フィルタリングを行うことで、アプリやWEBサイトの閲覧・利用可否、利用時間、課金、位置情報の送信などに制限がかけられます。また、「小学生モード」「中学生モード」といった、子どもの年齢に合わせたモードを使えば、簡単にフィルタリングの設定が可能です。
<フィルタリングの設定項目(一例)>
- アプリインストールの承認
- インストール済みアプリのブロック
- アプリごとの利用時間の上限
- 動画自動再生の可否
- 閲覧履歴に基づくおすすめの表示
- ブラウザを使ったWEBサイトの閲覧制限
- 検索結果のセーフサーチ設定
アプリのセキュリティ設定
各SNSアプリ上で、投稿内容範囲を限定したり、知らない人からのメッセージをブロックしたり、さまざまな設定が可能です。名前や所属を明かさずに利用している裏アカウントでも、フォロワーや公開内容、位置情報などから個人が特定される可能性もあります。あらかじめ設定することで、セキュリティを強化しておきましょう。
<SNSアプリの設定項目(一例)>
- 知らない人からの友達追加を拒否
- 知らない人からのメッセージを拒否
- 友達への自動追加を拒否
- 位置情報の提供をオフ
- 投稿内容の公開範囲
- コメントできる人の範囲
- 個別のアカウントをブロック
端末ごとに設定方法や項目が異なるため、詳しくはメーカーや携帯事業者のホームページなどを参考にしてください。
最後に
SNSはコミュニケーションツールとして便利な反面、ささいな行き違いによって、「SNSいじめ」などに発展することがあります。また、SNSだからこそ、友達から心無い言葉をかけられてしまうこともあるかもしれません。
保護者には子どもがトラブルに巻き込まれないよう、子どものスマホを管理する責任があります。今回紹介したような対策をとりつつ、普段からスマホやSNSの使い方について話し合える親子関係でいられるといいですね。
文:きずなネットよみものWeb編集部
参考:
総務省│インターネットトラブル事例集(2022年版)
総務省│上手にネットと付き合おう! ~安心・安全なインターネット利用ガイド~
総務省│情報通信白書 for Kids:インターネットの安心安全な使い方