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自分たちの未来を託す人を決める選挙。誰に投票するかを決める材料は、どうやって手に入れればいいのでしょうか? いろいろな方法がありますが、最近はインターネットの交流サイト(SNS)を活用する人が増えているようです。でも、中にはあっちとこっちで矛盾する情報も。いったいどれが正しいのでしょうか。
どうやって使う?
2024年は、衆議院議員、兵庫県知事、愛知県の名古屋市長などの選挙が話題になりました。候補者や応援する人たちが、X(旧ツイッター)やインスタグラム、ユーチューブなどのSNSを上手に使えるかどうかが、結果にも影響することがあったからです。
SNSの活用が広まったことで、候補者は自分や政党の考えをいつでも直接発信できるようになりました。投票する有権者は、候補者や周りの人の投稿を参考にできるように。新聞やテレビといったメディアを通さずに、直接本人の考えを簡単に聞けるようになったのです。
困ったことは?
SNSでは、正しい情報だけでなく、有権者を惑わすデマ(うその情報)である「フェイクニュース」もあふれました。
名古屋市長選では、65歳以上の市民が一部自己負担することで無料で公共交通機関を使える「敬老パス」について、「負担金をなくす」と話した候補者が「パスを廃止する」派だといううそが流れました。
兵庫県知事選では、パワハラ疑惑などを告発されて失職した前知事が出馬。前知事について、「パワハラはなかった」とする投稿がたくさん飛び交いました。調査はまだ続いており、「なかった」と断定する根拠は明らかではありません。
2つの選挙では、うそや不確かな情報を信じてしまった人も少なくなく、結果に影響した可能性があります。
情報の根拠探る
どうしたらうそか本当かわかるのでしょうか。千葉大の山田圭一教授は、考えるポイントが2つあるといいます。
まずは、その情報の根拠です。どういう事実を基に発信されたのか、見極める必要があります。うそなのに、事実に見えるように、動画や画像が利用されることもあるので注意しましょう。
次に、その情報を発信する人やメディアが信頼できるかどうか。これまで伝えてきたことは正しかったかチェックします。
TikTokなど、短い動画のSNSも選挙に活用されました。情報がどんどん入ってくるのは便利ですが、考える余裕もなくなりがち。山田教授は「そういう時こそ『正しい』という思い込みを捨てて、いったん立ち止まってみて」とアドバイスします。
この記事は「中日こどもウイークリー」で2024年12月14日に掲載された記事を転載しています。