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「塾の舞台裏」では、個別指導塾で多くの小中高生を指導している講師にインタビューをし、実際にあったさまざまな事例を紹介。成長していく子どもと向き合う際の参考にしていただけたらと思います。

塾講師 金川俊也(かながわ・としや)
大学卒業後、会社員や事業の立ち上げなどを経験したのち独立。愛知県大府市に「個別指導塾アドバンス」を設立し、勉強のやり方と合わせて、未来を生きるためのヒントを子どもたちに伝えている。自身も小2と中1の2児の父として子育てに奮闘中。
成績・性格、全く違う生徒たち
私の塾には、学校での成績が上位1割以内、「東大を目指しています」という子から、学校に行けていない、学校の授業についていけないため、「補習をして欲しい」という子まで、さまざまな子が通っています。成績も性格も違う中で、勉強に対するモチベーションは生徒によって全く違います。
例えば、テストの成績が悪かった時。「ここは出来ていたけど、この部分はすごく惜しかったから、今度はここを頑張ってみようか」などの声がけをするのですが、反省して受け止めている子と、悪かったことを受け止められない子の2パターンに分かれます。
後者は、よく言えば楽観的なのですが、指摘をしても全く気に留めず、勉強に対してやる気が見られない子とも言えます。
やる気のない子は、どう接する?
お子さんにやる気がないと、親御さんはとても心配するのですが、ある意味これはよくあるパターン。こういった子の多くは、成長の途中段階にあります。カーナビに例えるなら、目的地が設定されていない状態。学校にも塾にもとりあえず行っているけど、特にやりたいことがない子です。
ただ、このようなやる気のない子も、なりたい職業、行きたい学校など、自分のやりたいことが見つかるときちんとスイッチが入りますよ。そういう子をたくさん見てきました。
そして、やる気のない子に対しては「信じて待つ」ということが大切です。常に声がけをして、変化が起きる時を待ってください。
心が成長するタイミングはまちまちなので、小学生の段階ですでにスイッチが入っている子もいれば、中学生・高校生になってもなかなか入らない子もいます。でも、必ずどんな子でもスイッチが入る時は来るので、見捨てず、信じて見守ってあげてください。
やる気がある子は、どう接する?
なかなかやる気にならなかったお子さんがやる気になると、親御さんはうれしくてあれこれと世話を焼いてしまいがちです。
しかし、避けて欲しいのは、先回りして親御さんが動いてしまうことです。本人が欲しいと言っていないのに、参考書を買ったり、勝手に説明会を予約してしまったりなど。そうやって動く前に、まずは褒めて、応援してあげてください。
そしてその後、どうしたいかを本人に聞いて、サポート役として動いてください。あくまで本人の主体性を大切にしながら、そのサポート役を親が担うというスタンスですね。
つまり、お子さんにやる気がある場合も、やる気がない場合も、信じて見守るということが、大切だといえるのではないでしょうか。よかったら、参考にしてみてください。