「塾の舞台裏」では、個別指導塾で多くの小中高生を指導している講師にインタビューをし、実際にあった事例を紹介しています。
今回は、勉強の集中力が続かない子どもに対して、どのような対応をしているか聞きました。
塾講師 金川俊也(かながわ・としや)
大学卒業後、会社員や事業の立ち上げなどを経験したのち独立。愛知県大府市に「個別指導塾アドバンス」を設立し、勉強のやり方と合わせて、未来を生きるためのヒントを子どもたちに伝えている。自身も小2と中1の2児の父として子育てに奮闘中。
授業中のよくあるパターン
私の教えている個別指導塾は、1コマあたり小学生50分、中学生80分で授業を行っています。授業の内容は、親御さんや本人から希望を聞いた上で決めていますが、50分間、80分間集中して最後まで取り組める子ばかりではありません。
途中で、天井の電球を眺めたまま手が止まってしまったり、シャーペンの分解を始めてしまったり。講師がそばについていても、集中力が切れてしまうことがよくあります。
大人でも長時間集中して何かに取り組むのは難しいもの。子どもであればなおさらですよね。私たちの塾では、そばについている講師が「集中力切れているな」と感じたら、すぐ生徒に声をかけるようにしています。
学習内容を変える
指導する教科が限定されていない場合は、算数から英語など、教科を切り替えて気分転換をはかります。自宅学習であれば、問題演習から暗記学習に変更するなどしてもよいかもしれません。
こまめに丸つけをする
私の塾では、生徒のレベルや課題に合わせた問題演習を行ない、必要に応じて講師が解説をする授業が多いです。問題を解き終わったらこまめに丸をつけるようにすると、その都度達成感を味わったり、間違った問題を振り返ったり出来ます。
集中力を維持するため、また、学習効果を上げるためにも、こまめに丸つけを行うとよいでしょう。
近くにスマホを置かない
塾では、授業中のスマホの使用を禁止しています。授業中にスマホを触っていたらすぐに注意をするのですが、その際、「あっ!」と驚くような反応を示す生徒も少なくありません。そう、「無意識」にスマホを触っていて、注意されて初めて自分がスマホを触っていたことに気付く……。そんなパターンです。
近くにスマホがあると、ついつい触って、集中力が途切れてしまいます。自宅学習であれば、勉強部屋にスマホを持ち込まない、親御さんがスマホを預かるなどしてもよいかもしれません。
その他の工夫
塾の場合は1コマあたりの時間が決まっていて、基本的に途中で休憩はありませんが、自宅学習の場合は短めの休憩を挟むとよいでしょう。タイマーなどを活用し、時間を決めて学習するのもおすすめです。
集中力の持続時間が長い生徒は、成績もいい傾向にあります。工夫をしながらトレーニングを重ねることで、集中力が持続して学習効果も上がるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。