「塾の舞台裏」では、個別指導塾で多くの小中高生を指導している講師にインタビューをし、実際にあった事例を紹介しています。
今回は、子どもの「勉強って、面白い!」の好循環を作るポイントについて聞きました。
塾講師 金川俊也(かながわ・としや)
大学卒業後、会社員や事業の立ち上げなどを経験したのち独立。愛知県大府市に「個別指導塾アドバンス」を設立し、勉強のやり方と合わせて、未来を生きるためのヒントを子どもたちに伝えている。自身も小2と中1の2児の父として子育てに奮闘中。
勉強嫌いのパターン
私の塾では、入塾時に初回面談を行っています。その際、親御さんに無理やり連れて来られたお子さんが、横に座ってムスッと話を聞いていることがよくあります。親御さんは、わが子の成績を心配して塾に入れようとしているのですが、当の本人は勉強が嫌いだというケースです。
勉強が嫌いだと、なかなか成績も伸びません。そんな生徒は、以下のパターンが多いです。
理想は、以下のパターンです。
私たちの個別指導塾では、生徒の「分からない」をなくして「出来る」を増やしていくことに力を入れています。「分からない」が多い状態で勉強をするのは、重たいギアの自転車をこいでいるようなもの。「分かる」が増えていくと、自転車も軽くなってスピードアップしていきます。実際に、「分かる」が増えて、勉強が好きになった生徒もたくさん見てきました。
勉強が嫌いな子に対して、性格や能力のせいと決めつけるのではなく、まずは「分かる」を増やしてあげるようにしましょう。
勉強伸び悩みパターン
他にも、勉強をやっているように見えるのに、なぜか成績が伸びない子もいます。そんな生徒をよく観察していると、考える時間がすごく長いことがあります。同じ問題を眺めたまま、ずっと止まっていたり、計算に時間がかかったり。その場合は、時間を決めて問題を解かせたり、タイマーを使って時間を区切ったりします。
そもそも演習量が足りなければ、問題を解くスピードも上がりません。その場合は、演習量を増やすこともあります。
最後に
言われてみれば、当たり前のことと思われるかもしれません。ただ、周りの大人がこれらのことを見失い、「この子は出来ない」と決めつけてしまっていることがあります。
教科や単元毎に課題は違うかもしれませんが、何でつまずいているかをきちんと見ること。その上で「分かる」「出来る」を増やしていくと、「勉強って、面白い!」という好循環を作ることが出来ますよ。