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猫の上げている手や色によってご利益が違うと言われる「招き猫」。縁起物としてさまざまなご利益を持つとも言われています。今年やこれからをどう過ごしたいかで、ポーズや色を選ぶのも楽しいですよね。今回は、歴史あるやきものの街・愛知県瀬戸市で子どもから大人までチャレンジできる、招き猫などの絵付け体験を紹介します。
STUDIO894スタッフ 野々部実果さん
2023年9月のオープン以来、お客様に絵付け体験のご説明や、カフェ業務などのサービスを担当しています。STUDIO 894のおすすめポイントは、大きな窓越しに見える瀬戸の景色を楽しみながら、ゆっくり過ごしていただけるところです。
やきものの街で素材に触れる体験
招き猫の絵付け体験を行ったのは、愛知県瀬戸市にある「SUTUDIO 894」。1952年に創業した陶磁器工芸メーカー・中外陶園の絵付け体験が出来るスタジオとギャラリー、コーヒースタンドが融合したスペースで、2023年9月にオープンしました。
招き猫をはじめ、季節飾りなど、瀬戸のやきものの絵付け体験を毎日開催しています。小さな子どもでも気軽に楽しめる「陶器 ぬり絵体験」、本格的な絵付けができる「磁器 絵付け体験」などから選べます。
今回は、絵の具が乾いたらそのまま持ち帰れる「陶器 ぬり絵体験」コースにチャレンジしました。さまざまなポーズの招き猫をはじめ、バスやパトカー、恐竜などもずらり。釉薬をかけずに素焼した「素地」の中から、好きなものを選んで体験開始!
絵の具や色鉛筆、マーカーなど、身近な画材を使って絵付けをすることが出来るので、子どもから大人まで気軽に楽しめます。道具はすべて用意されているので、手ぶらで参加できるのもうれしいですね。
ただし、アクリル絵の具は服に付くと取れにくいので、エプロンやスモックなどを用意していくと安心です。
まずは、使用する道具の説明と制作手順、上手に色を塗るためのコツなどをスタッフが丁寧にレクチャーしてくれます。途中で分からないことがあっても、近くでスタッフが見てくれているので何でも質問でき、失敗の可能性も低くなりますよ。
いよいよ、色塗りのスタート!
所要時間は約60分。時間をかけて作り上げたい気持ちになりますが、持ち帰るために絵の具を乾かす時間を考慮して、45分くらいで仕上げることを目標にするとスムーズです。
ここからは、「陶器 ぬり絵体験」コースの大まかな流れをご紹介します。
立体の猫に色を乗せるのは、難しそう。いきなり色を塗るのが不安な場合は、鉛筆で薄く下描きをするのもOK
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消しゴムのカスなどは、色塗り前にハケできれいに取っておきましょう
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アクリル絵の具をパレットに。いろいろ混ぜて、好きな色を作るのも楽しいですよ
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色は薄い色から濃い色の順で塗り重ねると、発色良く仕上がるのだとか
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完成! 色細かい部分は、色鉛筆や水彩マーカーを使うと描きやすく、仕上がりもメリハリがついて◎
招き猫は左右どちらの手を上げているかで招くご利益が変わり、右手は「お金を招く」、左手は「お客を招く」という意味があるのだとか。どちらか選ぶか迷ったときは、かわいらしくて人気の「両手を上げている」ポーズで、欲張りにどちらの福も招いてしまいましょう!
表情や服装のアイデア、使う画材などによって、仕上がりは千差万別。自由な発想で個性を光らせることが出来るのも、魅力ですね。スタジオに並ぶ見本にはユニークな作品も多いので、見ているだけでも楽しめますよ。
ちなみに、招き猫には「瀬戸型」と「常滑型」と呼ばれるものがあります。「瀬戸型」は、本物の猫に近いすらっとした体型かつ猫背で、美しい文様の前垂れをしているものも多く、光沢のある陶器肌をしています。「常滑型」は、二頭身のずんぐり体型で目が大きく、小判を抱えています。
体験以外にも楽しめるポイントが
今回紹介した「陶器 ぬり絵体験」コースをはじめ、体験コースには「招き猫ミュージアム」の入館券が付いています。
さらに、+100円でスタジオ内のコーヒースタンドで丁寧に淹れたコーヒーやエスプレッソ、ジュース類から「選べるワンドリンク」もセットになるので、おすすめです。
コーヒーは、東京・三軒茶屋のコーヒーロースター「OBSCURA COFFEE ROASTERS」がプロデュース。カフェのみの利用も可能です。
併設されたギャラリーには、国内外のアーティストと取り組む企画展⽰とやきもの作品が展示されています。
建物の裏側にある駐車場の東側には、体長約6mの巨大な「涅槃(ねはん)大招き猫」のオブジェがあります。一方、西側には懐かしいボンネット型の「福猫バス」も展示され、どちらもフォトスポットとして人気です。
STUDIO 894(スタジオ ヤクシ)
【問い合わせ】0561-84-0894
【場所】愛知県瀬戸市薬師町1
【時間】10時~17時 ※絵付け体験 最終受付 15時30分
【定休日】火曜(祝日の場合は営業)、年末年始
【駐車場】20台
【公式サイト】https://studio894.jp
【アクセス】名鉄瀬戸線「尾張瀬戸駅」より徒歩8分、東海環状自動車道「せと赤津インター」より車で5分
【料金/所要時間】陶器 ぬり絵体験(60分)1600円(選べるワンドリンク+招き猫ミュージアム入館券付)
開催期間:10時30分~、11時30分~、13時30分~、14時30分〜、15時30分~
【参加方法】要予約(体験希望日の3ヶ月前から公式サイトで予約可能)、当日空きがあれば参加可能(事前に要電話問い合わせ)
最後に
今回紹介した以外の体験コースとして、磁器の素地に専用絵の具で下絵付けをする「磁器 絵付け体験」や、好きな絵柄の転写シートを貼り付ける「銅板転写体験」もあります。どちらも釉薬をかけてから焼成するため、できあがりは約1ヶ月後となりますが、光沢のある「せともの」らしい仕上がりに。
ぜひ1年の始まりに、縁起の良い絵付け体験に出かけてみてくださいね!
文:森下右子/写真:間宮博