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やわらかな光がキラキラとこぼれるように輝くガラス細工。食器や花瓶など、気に入ったものを買うことはあっても、自分で作ったことがある人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、小さな子どもがいる家族でも楽しめるガラス作りのワークショップを紹介します。
子どもの描いた絵・文字が残せる「ガラスハンコ作り」や、6歳から参加できる「吹きガラス体験」など、世界にひとつだけのオリジナルアイテムを手作りする楽しさが味わえますよ。

Tickle glass 代表・ガラス作家 松下祐子さん
茨城県ひたちなか市生まれ地元で開催されたガラス作家の個展に足を運んだことをきっかけにガラス工芸に強い関心を持つように。東京のガラス工房のワークショップに参加し始めてのめり込む。当時幼稚園で働いてたが、その後ガラス工房に勤務しガラスの世界に入っていく。2015年にスタジオ&ギャラリー「Tickle glass」をオープンし、現在は岐阜県多治見市を拠点に全国で活動している。
色選びも楽しい「吹きガラス」
1,200℃で溶けた熱いガラスに、細長いパイプ(吹き竿)へ息を吹き込みながら形や模様を作り上げていく「吹きガラス」。職人技が必要な難しい作業をイメージしがちですが、実は小さな子どもでも安全に楽しめるワークショップです。※6歳以上から参加できます
吹きガラス体験のベーシックコースは、3パターンの一輪挿し2種類とくびれ型のグラスから好きな形を1つ選んで製作する初心者向けのコース。色ガラスの粒でマーブル模様や水玉模様を作ります。
色ガラスの粒を選んで並べる工程はとてもワクワクする作業です。好きな色を自由に並べてみてください。高温のトロトロに溶けた透明のガラスの表面に色ガラスの粒を付けて炉の中で焼くと熱せられた粒は色が変化し柔らかいガラスの動きによって模様は作る人それぞれで少しずつ違って出来上がります。作品の色や模様は翌日冷めてからのお楽しみ。オリジナリティのある作品が出来上がります。
溶けたガラスに最初に息を吹き入れる時は風船を膨らますように思いっきり吹きましょう。この時だけはみなさん顔を真っ赤にして頑張るタイミング。2回目以降はシャボン玉を吹くイメージで優しく膨らませていくと簡単にコップの大きさになります。
最後にグラスや一輪挿しの口の部分を広げたら完成です。
吹きガラス体験の作品は、徐冷に半日ほどかかるため当日は持ち帰れません(別途送料が必要)
家族で使えるガラスハンコ作り
カラフルでコロンとしたフォルムがかわいい「ガラスハンコ」は、印面に名前やイラストを入れて、自分だけのオリジナルハンコ。印面はもちろん、本体の色や形も同じものがないので、銀行印を作る人もいるそうです。
今回はカレンダーやメッセージカードなどに幅広く使える、手書き文字と合わせて使えるようなイラストを入れたガラスハンコ作りに挑戦しました。
ガラスハンコ作り、スタート!
まずはイメージや用途に合わせて3種類からサイズを決め、サイズごとに用意されている色とりどりのガラスの中から好きな形や色を選びます。
2、3文字もしくはイラスト1個が入る「細め」(4000円)、文字とイラストが入れられる「大きめ」(5000円)、中間サイズの「中サイズ」(4500円)
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印面の大きさや印影のバランスを意識しながら、イラストを描きます。多少はみ出したり、小さくなったりしても、後からパソコン上で修正できるので、自由に楽しく描いてOK!
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イラストが決まったら、太いペンを使って印影を決めます。
細い線や細かい点だと彫る際に欠けてしまうことがあるため、1、2mmの幅を意識するときれいに仕上がります。
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サンドブラストで彫るため、側面を保護するためにテープを貼ります。
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調整したイラストを、特殊なマスキングシートに転写したものを印面に貼り付けます。シートの色が濃い部分が削られる仕組みです。
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削る作業は松下さんにお任せ。細かい粒子の砂を吹き付けながら彫る様子は、近くで見ていて迫力があります。
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掘り終わったら、印面に残ったシートや細かな砂などを洗い流して完成!
きれいにデザインが出るか試し押しをして、気になる部分があれば微調整をしてくれます。
完成したハンコは、かわいく包装してもらえますよ。
【問い合わせ】090-5617-5491
【場所】岐阜県多治見市大薮町1278-2
【時間】10時~17時
【営業日】土・日・祝 ※6月末までは月・火も営業
【駐車場】3台
【公式サイト】https://tickle-glass.com
【アクセス】中央自動車道・多治見ICより北西へ6.5km
JR太多線「姫駅」より徒歩7分
【料金】ハンコ作り体験4000円〜、吹きガラス体験4800円〜
【予約】要事前予約(電話もしくはオンライン・予約は2名〜)
最後に
透明なガラスが形を変え、色をまといながら少しずつ完成していく吹きガラス体験の過程は、大人も子どもも夢中になること間違いなし! グラスやハンコも生活の中で使う機会が多いのがうれしいですね。親子で協力しながら作ったものは、どちらもきっと大切な宝物になるはずです。
ハンコ作りは通年体験できますが、吹きガラスのワークショップは、気温が高くなる7〜9月は休止予定とのこと。ぜひ気候の良い時期に訪れてください。
文:森下右子 撮影:間宮博