【名古屋市東山動植物園】夏休みの自由研究にも! 植物園で自然観察をしよう

【名古屋市東山動植物園】夏休みの自由研究にも! 植物園で自然観察をしよう

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東山動植物園の「植物園」は、街中にありながら、自然の地形を活かした広大な敷地で、生きた植物の多様性を観察できる施設です。子ども達の「なぜ?」を引き出す展示や学べる仕掛けが充実しているので、自然観察と一緒に歴史や文化も学べます。今回は、夏休みの自由研究にもぴったりな植物園の見どころを紹介します。

地形を活かした四季の植物展示

地形を活かした四季の植物展示

東山動植物園は、もともとの丘陵地の地形を活かして植物が配置されています。そのため、平坦な公園とは違い、適度なアップダウンのある場所で散策できるのも魅力のひとつです。散策の途中で目にする植物も、季節ごとに大きく表情を変えます。

おすすめのポイント!

夏の見どころは、深い緑の森に囲まれている奥池周辺。合掌造りの家や湿地園があり、東海地方の植物とともに地元の文化や歴史についても学ぶことが出来ます。

「合掌造りの家」の8月の催し
2025年8月13日(水)・21日(木)10時30分〜14時30分/いろり焚き
2025年8月24日(日)13時30分〜14時30分/いろり端で聞く昔ばなし
※雨天の場合は中止

テーマごとに分かれた小道を散策

園内の森の中

園内の森の中には、東海地方に生息する植物を観察しながら散策できる「東海の森」や、万葉集で読まれている植物を展示した「万葉の散歩道」「薬草の道」など、テーマごとの小道も整備され、歌碑や解説板が設置されています。四季折々の自然を実際に見て、肌身で感じることで、夏休みの自由研究のヒントを見つけられるかもしれません。

おすすめのポイント!

小道に植栽されている植物

小道に植栽されている植物についてはもちろん、東海地方の気候や土壌、万葉集、薬草など、もう一歩踏み込んだ研究テーマにしやすい題材の宝庫! 実際に散策してみて、興味のあるものを見つけてみましょう。

地元を代表する植物学者に学ぶ

植物会館

植物園の入口近くにある「植物会館」では、定期的に企画展を開催しています。また、テーマに沿って植物などを深く学べる講習会(事前申込制)が開催されることも。興味があるものには積極的に参加してみましょう。

伊藤圭介記念室

「植物会館」の1階にある「伊藤圭介記念室」は、日本の植物学の礎を築いた伊藤圭介の功績を伝える展示室です。伊藤圭介は名古屋出身で、日本で初めて理学博士となった人物。西洋の知識に触れ、医学、植物学、博物学において多くの業績を残しました。また、植物学においては、「おしべ」「めしべ」「花粉」という言葉をつくり出しました。

自由研究がはかどる資料も

所蔵している伊藤圭介の遺品や関係資料の一部が常設展示

記念室には写真や解説パネル、所蔵している伊藤圭介の遺品や関係資料の一部が常設展示されています。子ども向けの説明パネルもあるので、地元の偉人について学ぶことが出来ます。

「植物会館」の前には「圭介の庭」

また、「植物会館」の前には「圭介の庭」という小さな庭があり、伊藤圭介ゆかりの植物が植栽されています。植物の写真を撮るのはもちろん、植物の名前の由来を調べてみるのも面白いかもしれません。

おすすめのポイント!

植物相談コーナーが設置

「植物会館」の1階には植物相談コーナーが設置されており、専門スタッフが質問や疑問に答えてくれます。園内の散策中に気になったことや、自由研究のテーマに合った植物など、いろいろなことを相談してみましょう。

日本最古の公共温室

東山動植物園の「温室前館」

東山動植物園の「温室前館」は、1936年に建てられた現存する日本最古の公共温室で、国の重要文化財に指定されています。温室の前には池が広がり、スイレンなどを見ることが出来ます。美しいガラスとスチールで造形された温室は、開園当時「東洋一の水晶宮」と称されたほどです。

温室内には約400種の熱帯植物が生育

温室内には約400種の熱帯植物が生育しており、1937年の開園当時から残る植物にも出合えます。 温室はシンメトリーな構造で天井が高く、まるで植物の宮殿のような雰囲気。普段は目にしない熱帯・亜熱帯の植物を間近で観察でき、「熱帯と日本の植物の違いは?」など、実物を見ながら親子で考えることが出来ますよ。

※メンテナンス等で一部閉館になる場合があります。詳細は公式サイトでご確認ください

おすすめのポイント!

重要文化財になっている温室の建物

植物と合わせて注目したいのは、重要文化財になっている温室の建物です。例えば、天井のアーチなど形状にも注目してみましょう。温室内には各所に建物についての解説も掲示されているので、ぜひチェックしてみてください。

自由研究お役立ちポイント

解説板や特徴をまとめた図解解説

園内の展示植物には、品種名などをまとめた解説板や特徴をまとめた図解解説などが近くにあります。レポートが作成しやすいよう、研究テーマに関する解説板などは積極的にチェックしましょう。

撮る・聞く・効率的な移動を意識しよう

撮る・聞く・効率的な移動を意識

① 園内の「解説板」はメモか撮影をしておくと、レポートに役立つ知識が得られます
写真撮影OKのエリアでは、成長記録や発見した植物を撮影しておくと、レポートの参考になります
② 気になることがあれば、近くに植物園のスタッフに質問してみましょう。研究のヒントがもらえるかも?
③ 効率的に移動したい時は、植物園内を約20分おきに巡回するカートが便利!

夜の植物園を観察できるイベント
毎年好評の「ナイトZOO&GARDEN」を今年も開催。指定エリア内の散策はもちろん、クラフトなどのワークショップや植物に関する話が聞けるトークイベントも実施されます。

【期間】2025年8月9日(土)〜11日(月・祝)、13日(水)、15(金)〜17日(日)
※開催日は20時30分まで開園(入園は20時まで、雨天決行)

東山動植物園

東山動植物園
【問い合わせ】052-782-2111
【場所】名古屋市千種区東山元町3-70
【時間】9時~16時50分 ※入園は16時30分まで
【休館日】月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始
【駐車場】1600台(800円/1日)
【公式サイト】https://www.higashiyama.city.nagoya.jp
【アクセス】地下鉄「東山公園駅」から徒歩で約3分、「星ヶ丘駅」から徒歩で約7分
【料金】大人500円、中学生以下無料

最後に

楽しみながら学びの気持ちも広げてくれる「生きた博物館」

東山動植物園は、植物観察が出来るだけでなく、楽しみながら学びの気持ちも広げてくれる「生きた博物館」です。

親子で園内を歩きながら、子どもの「あれはなに?」「どうしてだろう?」を引き出し、調べ方を一緒に考えることで、会話も弾むはずです。ぜひ、家族で“一緒に発見”する1日を過ごしてみてください。

また、星が丘門から園内を結ぶトンネルが、2024年にリニューアルされました。名古屋市内のランドマークが採用された壁面デザインは、見るだけでワクワク。季節ごとの植物を紹介する映像と合わせて、壁面のタワーや城などを探しながら施設に向かうと、より気持ちが盛り上がりますよ。

文:森下右子 撮影:間宮博

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