この記事は「中日こどもウイークリー」で2026年1月17日に掲載された記事を転載しています。
生まれ育ったふるさとや、応援したいと思う自治体を選んで寄付をする制度「ふるさと納税」。自治体から特産品などの返礼品が贈られることもあり、年々利用者が増えています。しかし、返礼品の豪華さを競う自治体が増加。本来の「寄付を通して地方を応援する」という目的がかすんでいることもあり、制度の見直しが検討されています。
目的は「地方を応援」
多くの人は地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育などの住民サービスを受けます。進学や就職をきっかけに都会に移り、その自治体に税金を納めます。
すると、都会の自治体は税収が得られますが、自分が生まれ育った自治体には税収が入りません。そこで、都会に住んでいても、自分のふるさとに納税できる制度があってもいいのではという問題提起があり、2008年に制度が誕生しました。国によると、2024年度に寄付された総額は1兆2728億円に上り、過去最高を記録しました。
どんな制度?
「納税」とありますが、実際には都道府県や市町村への「寄付」になります。ふるさと納税をすると、寄付額のうち、2000円を超える部分について、住民税と所得税が差し引かれます。

例えばA市に住む人が、B町に3万円のふるさと納税をします。すると、2万8000円分の所得税と住民税の負担がなくなります。つまり、A市にとっては、2万8000円の税収が減ることになります。収入や家族構成に応じて、寄付金額には上限があります。
利用する人は、インターネットのふるさと納税の専用サイトなどから寄付したい自治体を選びます。生まれ育った故郷に限らず、どの自治体にでもふるさと納税を行うことができます。
税収が減って困る自治体も
ふるさと納税の仕組みに詳しい関西大の林宏昭教授は「特産品が知られるきっかけになり、地域の産業が活性化する」と制度のメリットを挙げます。一方で、特産品が乏しくメリットを受けられない自治体や、ふるさと納税によって税収が減って困る自治体もあります。「お礼の品ばかりにとらわれず、自分が住んでいる自治体の税金の使われ方などにも視野を広げてみては」と呼びかけました。




