1年の締めくくりに欠かせない「年越しそば」。忙しい大晦日だからこそ、準備や調理に時間はかけたくないものの、毎年同じでも飽きそう……とお悩みではないですか？
実は具材やつゆを変えるだけで、驚くほど印象が変わるそば。そこで今回は、フードコーディネーターの和田万祐さんに、手に入りやすい材料で手軽においしく作れる「年越しそば」のアレンジレシピを3種類お聞きしました。
フードコーディネーター 和田万祐さん
栄養士・フードコーディネーターとして、おいしくて体が喜ぶ料理レシピを多数考案。名古屋市を拠点に、雑誌やウェブサイト、広告、CMなどの調理やメニュー提案など幅広く活躍する。2児の母でもあり、子ども向けの調理イベントなども行う。
そばは好みのものを用意する
年末になるとスーパーの売場に豊富な種類が並ぶ「生そば」をはじめ、1食ずつ袋入りになった手軽な「ゆでそば」や保存しやすい「乾麺」など、そばにも種類がたくさんあります。
それぞれの調理方法に合わせて、ゆでたり水で洗ったりと準備をしてください。今回のレシピでは、あらかじめ下準備をしたものを「そば」と表記します。
また、各レシピのめんつゆの量は、味をみて好みに合わせて調整してください。
すき焼き風つけ麺
ごちそう感のある具だくさんの温かいつけつゆに、そばをつけながら食べるレシピです。そばを家族分まとめて出せば、個別の盛り付けや取り分けが不要になり、それぞれのお腹の具合に合わせて食べる量を調節できます。
材料【2人前】
そば 2人分
牛肉（切りおとし） 100g
白ねぎ 1/2本
椎茸 1枚
油 大さじ1
A 水 200ml
A めんつゆ（3倍濃縮） 80ml〜
A 砂糖 小さじ2
「すき焼き風つけ麺」の作り方
① 白ねぎは太めの斜め切りにする。椎茸は薄切りにする
② 小鍋に油を入れて牛肉を炒め、少し肉の色が変わったら①を加えてさらに炒める
③ [Ａ]を入れて煮立て、アクが出たらすくいながら2、3分煮る
④ ③を深めの器に、そばを別の器に盛りつける。好みで生卵や温泉卵を入れても
ベーコンとねぎの白い洋風そば
最初は「そばに牛乳!?」と思うかもしれませんが、意外にもすごく合うのです！ 和風チャウダーのようなホッとする味わいで、体の中からポカポカ温まります。夜に牛乳を摂取すると、睡眠の質が上がる効果も見込めますよ。
材料【2人前】
ゆでそば 2人分
ベーコン 60g
白ねぎ 1本
オリーブオイル 大さじ1
水 400ml
めんつゆ（3倍濃縮） 大さじ2〜
牛乳 300ml
にんにく（すりおろし） 小さじ1/4
黒こしょう 少々
ピザ用チーズ 適量
「ベーコンとねぎの白い洋風そば」の作り方
① ベーコンは食べやすいサイズに切る。長ねぎは斜め薄切りにする
② 鍋にオリーブオイルを熱して①を炒める
③ 水、にんにく、めんつゆを入れて煮立て、2～3分煮る
④ 火が入ったら、牛乳、そばを入れて温める
⑤ 器に盛り、チーズ、黒こしょうをふる
アレンジ具材「海老天風そば」
こちらはトッピングのお手軽アレンジの紹介で、油で揚げなくてもしっかり海老天風の味わいが楽しめる、海老と天かす、卵をつかった食べごたえのある具です。そばの具として以外にも、普段の食事ならごはんに乗せて「海老天丼風」にするのもおすすめです。
材料【2人前】
【そば用】
ゆでそば 2人分
水 400ml
めんつゆ（3倍濃縮） 50ml〜
【海老天風用】
海老（冷凍） 100g
卵 1個
水 大さじ1
めんつゆ（3倍濃縮） 小さじ1
天かす 大さじ4
三つ葉（刻む） 適量
簡単！ 「海老天風」の作り方
① そば用の分量の水とめんつゆを鍋に入れて温め、そばは水気を切って器に入れておく
② 小さめのフライパンに水、めんつゆを入れて火にかける
③ エビを入れて蓋をし、蒸し煮にする
④ 海老に火が入ったら、溶き卵と天かすの半量を入れてひと混ぜし、卵に火を入れる。卵が半熟になったら火を止めて残りの天かすを入れる
⑤ 器にそばを入れ温かい①を入れ、④をのせ、三つ葉をのせる
最後に
年越しそばは、古い年を見送り新しい年を迎えるための縁起物ですが、何よりも大切なのは「感謝を込めて食べる」ことです。今年が無事終わることへの感謝と、新年の家族の健康を願いながら、年末のひとときを過ごしましょう。
また、旬の食材や家族の好みに合わせてひと工夫すれば、思い出深い“わが家の年越しそば”になります。ぜひ好みのアレンジをして楽しんでみてください。
文：森下右子 撮影：間宮博
