「ラジオDJ堀江美穂と読者のひろば」では、3人の子どもを育てるママでもある堀江さんが、読者のみなさんからのメッセージにお答えします。
読者からのメッセージ
読者(44歳、男性)の方から
中2、小5、小3と、3人の男の子の父親です。
最近、反抗期真っただ中の長男がいつも不機嫌な顔をしていて、「今日、学校どうだった?」と話しかけても、「別に……」と、そっけない返事。ひどい時はスマホゲームに夢中で、無視してきます。母親に対してはそんなことないので、つい私もカッとなり、「おい! 無視するなよ!」と大声で怒ってしまいます。
後から「言い過ぎた!」と反省するのですが、何となく気まずさや恥ずかしさがあり、素直に謝れません。子どもに言い過ぎてしまった時、素直に謝るにはどうしたらいいですか?
堀江さんのメッセージ
まずは中2の息子さん、順調に成長していますね。思春期に起こる反抗期は、精神的に自立し、大人になるための必要なステップ。息子さんは今、大人になろうともがいている最中です。
お父さんからすると、まだ素直でかわいかった頃の息子さんの記憶が残っていて、そっけない態度に寂しくなったり、イライラしたりするかもしれませんが、1つひとつ気にしていたら身が持ちません。反抗期は1日、2日で終わるものではないので、どっしり構え、「こんな言葉も言えるようになったのか」「大人になったなあ」と思えるくらいの余裕を持って接してあげてください。
周りを見ていると、父親と息子の関係は友達というより、ライバル意識が強いように感じます。もしかしたら、このお父さんの中にも「まだまだ俺の方が上だ!」という気持ちがあるのかもしれませんね。一方、きっと息子さんの方にも「父親を超えてやる!」という思いがあって、それがぶっきらぼうな態度に現れているのだと思います。
そうした感情は、これくらいの年齢の子にはあって当たり前。もちろん、ものを壊したり、家族に暴力を振るったり、夜遅くまで帰って来なかったり、度が行き過ぎている場合にはきちんと叱らなくてはなりませんが、それ以外はそっと見守るくらいでいいのではないでしょうか。「お父さんは、いつでもお前の味方だから」という姿勢で見守っていれば、そのうち落ち着く日がやって来ます。
息子さんの場合、お母さんとの関係は良好のようで、そこは素敵ですね。それであれば、お母さんに懸け橋になってもらうのも1つです。息子さんに思わず怒ってしまった後、お母さんから息子さんに、「お父さん、言い過ぎちゃったなって反省していたよ」など、さりげなく伝えてもらうのはどうでしょうか。すると、「いや僕も悪かったから……」なんて、息子さんの素直な気持ちが聞けるかもしれませんよ。
子育ては母親に任せっきりという父親もいる中、息子さんと積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢は、とても素晴らしいですね。ちょっとだけ意識して欲しいのは、子どもに声を掛ける時は、なるべく具体的な質問をしてみてください。お父さんだって、「今日、会社どうだった?」と聞かれても、ちょっと返事に困りませんか?
だから、息子さんに話しかける時は、「今日、学校どうだった?」という漠然とした質問ではなく、「今日の部活はどんな練習をしたの?」や「最近、はまっているゲームは何?」など、具体的な質問をするようにしましょう。
ただ、これまであまり会話がなかったのに、急にコミュニケーションをとろうとすると、息子さんからしたら「今まで何も聞いてこなかったくせに……」という思いになって、余計に反発心が芽生えることもあります。お父さんからすると、「せっかくこっちから話しかけているのに……」という感情がわき、お互いがいらいらする結果にもなってしまうので、注意してくださいね。
コミュニケーションをとろうとする姿勢は大切ですが、反抗期の子どもと無理に会話しなくてもいいと思います。直接的な会話がしばらくなくても大丈夫です。それは決して「無視をする」ということではなく、親としてちゃんと見守っていれば、息子さんが大人になった時、「あの時、お父さんに悪いことしたな」「でも、何も言わず見守ってくれていたな」と気づくはず。だから、今は無視されても、「やだ、無視しないでよ(笑)」と笑って言えるくらいの余裕を見せつつ、そっと見守ることにしましょう。
ラジオDJ 堀江美穂(ほりえ・みほ)
愛知県名古屋市出身。2003年からZIP-FMのミュージック・ナビゲーターに。現在は「Bagel&M」(愛知北エフエム放送)、「太郎ちゃんの元氣がでるラジオ」(FM AICHI)に出演中。JADP認定チャイルドコーチングアドバイザーやJADP認定家族療法カウンセラー、保育士の資格も所有。
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