3人の子どもを育てるママでもあるラジオDJの堀江美穂さんが、読者のみなさんからのメッセージにお答えします。
読者からのメッセージ
読者(42歳、女性)の方から
私たち夫婦と小5の長女、小3の次女の4人家族です。長女はとても繊細で心配性な性格で、親と離れることを不安がります。そこに最近、思春期も加わって、何か気に入らないことがあると癇癪(かんしゃく)を起こしたり、不貞腐れたりと、どうやって接すればいいのか分かりません。妹にもきつく当たっているようです。
でも、家の外に出れば、学校やお友達とはうまくやっているみたいで、そんな行動をとるのは私たち家族の前だけです。外で頑張っている分、家の中では長女の好きなようにさせてあげたいのですが……。でも、こちらが変に長女の顔色をうかがって、気を使い過ぎるのもよくないだろうなと考えています。親として、これから長女とどのように接していけばいいでしょうか?
堀江さんのメッセージ
2歳ごろのイヤイヤ期に始まり、子どもの癇癪は成長の過程で必ず起こるもの。ただ、小5になって頻繁に起こすのは、ちょっと心配ですよね。でも、癇癪には必ず理由がありますから、きっと娘さんにも、娘さんなりの理由があるはずで、それが分かれば対応策が見つかると思います。
例えば、言いたいことがあるのに、うまく伝えられずにイライラしてしまうなら、「今、〇〇な気持ちなの?」「〇〇が嫌だったのかな?」など、親御さんが言葉を引き出してあげるのも1つです。「静かにしなさい!」と叱ったり、逆に気を使い過ぎたりすると、お子さんの行動がますますエスカレートしてしまうことも。抱きしめて落ち着かせてあげるなどしながら、あくまで冷静に見守ってあげてくださいね。
癇癪がいつ、どんな時に、どのような状況で起こり、娘さんがどんな行動をとったのか、そして、どうしたら収まったのか。そんなことをメモしておくこともおすすめです。繰り返し記すことで、どんな時に癇癪を起こしやすいのかが具体的に見えてくると思います。
外では「うまくやっている」ということですが、どういう意味での「うまく」なのでしょうか。外で癇癪を起さないことと、「うまくやっている」というのは少し違う気がしています。はたから見て「いい子」でいることは、娘さんが自分の気持ちに蓋をして、我慢しているということですよね。その気持ちを家に帰ってから発散しているとなると、「うまくやっている」と言えないと思うんです。
私も長男が小2の時、学校へ行けない時期がありました。再び登校するようになってからは、私も毎日学校に行き、教室の後ろで授業の様子を見学していました。そうすると、息子以外の子の様子も目に入ってきて、一見うまくやっているように見えても本当は困っていて、ただ、それを周りに伝えられないだけの子がいることに気付いたんです。娘さんも、もしかしたらそうなのかもしれません。
もし、まだ学校に相談していないのなら、1度、信頼できる学校の先生に「家ではこんな風に癇癪を起すんですが、学校ではどうですか?」と尋ねてみてください。子どもが学校で過ごす時間は、とても長いです。そんな長い時間、娘さんの様子を見守ってきた大人から見て、一体どうなのかというのは、娘さんの内面を知るための手掛かりになるはずです。
学校の先生以外にもスクールカウンセラーや、自治体などが設置している子育て相談窓口のようなものを利用してみるのもいいですね。夫婦や親子で話をすることは大切ですが、家庭というのはどうしても閉ざされた空間です。外の人と話してみることで、解決の糸口が見つかるかもしれません。
外では癇癪を起こさないのに、家では起こすとなると、親御さんはどうしても「家庭内での接し方がいけないのかな?」と、自分を責めてしまうかもしれません。しかし、家で癇癪を起こすというのは、娘さんにとって家というのが、安心して自分を出せる場所だからなのではないでしょうか。
とはいえ、癇癪があまりにひどくなると、親御さんも心が疲れてしまいます。そんな時は信頼できる人たちに気持ちを打ち明けて、あまり1人で抱え込み過ぎないでください。さらに、娘さんが何か困ったことがあって癇癪を起こしているのか、それともただのわがままなのか。それを冷静に見極めることも大切ではありますが、まずは娘さんの気持ちをじっくりと聞いてみることから始めてみてくださいね。

ラジオDJ 堀江美穂(ほりえ・みほ)
愛知県名古屋市出身。2003年からZIP-FMのミュージック・ナビゲーターに。現在は「Bagel&M」(愛知北エフエム放送)、「太郎ちゃんの元氣がでるラジオ」(FM AICHI)に出演中。JADP認定チャイルドコーチングアドバイザーやJADP認定家族療法カウンセラー、保育士の資格も所有。
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