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皆さんは、持久走にどんなイメージを持っていますか。「すぐ疲れる」など、苦手意識がある人もいるかも。日本を代表するマラソン選手で、愛知県豊橋市出身の鈴木亜由子さん(日本郵政グループ女子陸上部)に、持久走を楽しむポイントを教えてもらいました。
そもそも持久走って?
一定の長い距離を走ることです。学校の授業などで取り組まれています。長く運動を続けられる体力や筋力をつけることを目的としていて、速さを競うのではなく、自分のペースで走って、心身を鍛えます。
走りのこつは自然体
「大切なのは、自然体で走ること」と鈴木さんが力を込めます。順位を上げようとして周りを意識すると、体が硬くなりがち。すると、地面を強く蹴ったり、肩に力が入ったりと、無駄な体力を使って疲れてしまいます。それに対し、少し胸を開くことを意識すると、自然に呼吸がしやすくなるそうです。もし苦しくなった時は息を吐くと、冷静になれて落ち着きます。足はまっすぐ下ろすようにすると、力まなくても、地面の反発だけで楽に進めます。
ただ、骨格などの違いで、走りやすいフォームやリズムは人それぞれ異なるそうです。「腕の振り方や歩幅といった専門的な技術や呼吸法を気にせず、まずは走りやすさを優先してみてください」と鈴木さん。そうすると、本来の力が発揮できるそうです。
鈴木さんは幼少期から小学生まで、ぜんそくの発作やアトピー性皮膚炎に悩まされました。体力をつけるため、陸上に限らず、水泳やバスケットボールにも取り組み、中学生になる頃には症状が改善したそうです。
勉強にも好影響 気分転換にも
また、スポーツで培った精神力は、受験勉強にもつながると太鼓判を押します。勉強や習い事で練習する時間がなくても、「家の周りを10分間走るだけでも、リフレッシュできて、勉強への集中力も上がる。好循環です」と話します。
「靴1足あれば、誰でもどこでもできるのが走ることの魅力。走り出したら、気分転換になって、意外に走れちゃうこともあります。気軽に取り組んで」と、笑顔で呼びかけました。
※走る時の詳しいアドバイスや、鈴木さんのメッセージの動画はこちら
1991年、愛知県豊橋市生まれ。愛知県立時習館高から名古屋大に進学。小学2年生から陸上を始め、中学生の時に全国大会で優勝するなど活躍。大学卒業後は、日本郵政グループ女子陸上部に所属している。2021年の東京オリンピックではマラソンの日本代表として出場した。
この記事は「中日こどもウイークリー」で2025年1月11日に掲載された記事を転載しています。