塾講師から見た「成績が上がる」と思った子の共通点は?【学びの扉】

塾講師から見た「成績が上がる」と思った子の共通点は?【学びの扉】

集団指導の塾で30年以上にわたって指導にあたり、これまで多くの生徒たちを送り出してきました。毎年、入塾説明会などが開かれるこの時期になると、生徒たちが入塾した頃のことを思い出します。

初めて顔を合わせる生徒たちの中には、直観的に「この子は成績が上がる」と思う子がいます。そして多くの場合、その直観は当たっていました。今回は、これらの生徒に共通している、ある「姿勢」について紹介します。

渡邉先生

塾講師 渡邉智治(わたなべ・ともはる)

愛知県一宮市にて「進学塾 翔和」を経営。塾講師歴は25年以上。犬山市教育委員も務めている。

成績が伸びる2つの「姿勢」

入塾当時は普通だった成績が、学年のトップクラスになり、地元トップ校に合格した生徒。通知表もテストの点数もよくなかったのに、難関私立高校の推薦を受けるまで成長した生徒。これらの生徒たちに共通していることのひとつに「よい姿勢」が挙げられます。

ここで言う姿勢は、外見的な姿勢と内面的な姿勢、2つを指します。それぞれ紹介していきましょう。

外見的な「姿勢」とは?

勉強中の座る姿勢は成績を左右します。生徒の中には、背中を丸めて机に覆いかぶさるように座っている子がいます。このような姿勢では、机に置いたノートや参考書と目の距離が近くなり、眼精疲労や視力低下の原因にもなりかねません。

また、足を組んで座るのも避けましょう。骨盤の歪みや筋肉のねじれにより血流が悪化し、腰痛や冷え性、足のしびれを引き起こします。

悪い姿勢が常態化することで、首こりや肩こりにもつながります。また、呼吸が浅くなり、ストレスを感じやすくなる恐れも。このような状態では、集中力を維持できません。学習効果を上げるためにも、意識してよい姿勢で机に向かうようにしましょう。

学習効果を上げる、正しい姿勢と座り方のポイントは以下です。

学習効果を上げる、正しい姿勢と座り方のポイントは以下です。

1. 骨盤を地面と平行にする

椅子の座面に坐骨(おしりの左右2つの骨)を立てて座るようにしましょう。正しい座り方は「背筋を伸ばす」より、「正しい骨盤の位置をキープする」こと。正しい骨盤の位置をキープすると、体が疲れにくくなります。

2. 足裏全体を床につける

椅子の座面に深く腰かけた状態で、膝を90度に曲げ、足の裏全体が床につくのが理想的な椅子の高さ。椅子が高い場合は、足の下に台を置くとよいでしょう。足裏が床につく状態で座ると、体重の負荷が分散でき、体も疲れにくくなります。足を組んだり、足がぶらぶらと宙に浮いたりしないように注意しましょう。

内面的な「姿勢」とは?

外見的な姿勢とあわせて、内面的な姿勢、つまり「心構え」も大切です。成績が伸びる生徒の特長は以下です。

1. ポジティブ思考で有言実行

基本的にポジティブ思考の生徒は勉強だけでなく、それ以外の面でも、実力以上を発揮できる傾向が強いです。中でも特に有言実行型の生徒は、結果につながっているケースが多く見られます。私や家族などに対して目標を宣言することで、その目標に向けてPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)といった「PDCA」のサイクルを回すようになるからです。

2. その日のことはその日のうちに解決

得点力の高い生徒は、無意識にこれを実行している子が多いです。大きな問題だけではなく、小さな問題も翌日以降に持ち越しません。そのため、自然と塾や学校の先生への質問が多くなります。学校でも質問が多いと意欲・関心のある生徒に見られやすいと思います。

最後に

子どもたちには無限の可能性があります。今は出来ていなくても、小さなことの積み重ねで、大きな成長をとげる子をたくさん見てきました。まずはよいと思われることの真似から始めてみましょう。真似を継続することで、それがその人のオリジナルになります。

私自身も塾講師の先輩たちの授業を真似することで自分なりの型を作り、そこから作り上げた型を破って、修練を積んできました。

基本・軸足をしっかりと持った型破りな生徒こそ、飛躍的な成長を遂げていますよ。

文:渡邉智治

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