開校20年 ラジオの「学校」 10代の心に届ける生放送

開校20年 ラジオの「学校」 10代の心に届ける生放送

この記事は「中日こどもウイークリー」で2025年10月11日に掲載された記事を転載しています。

ラジオの中に「学校」があるのを知っていますか? 月~金曜日の午後10時からFM系の全国38局で生放送されるTOKYO FMの番組「SCHOOL OF LOCK!」(SOL)です。2025年10月で放送開始から20年を迎えました。

生徒の声が真ん中に

「生徒のみんな、こんばんは。スクールオブロック、今夜も始まりました」。校長、教頭の軽やかなあいさつの後、その日の「授業」が始まります。SOLでは、パーソナリティーの2人を校長と教頭、リスナーを生徒と呼びます。

現在の校長は「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の小森隼さん(三重県出身)、教頭は「Gacharic Spin」のアンジェリーナ1/3さんが務めています。

番組の特徴の1つが、ホームページなどから見られ、リスナーが自由に書き込める「学校掲示板」です。「好きな人からメッセージが来ない」「受験勉強、どうしたらやる気が出ますか?」。主に、10代からの悩みや不安が日々つづられています。事前にスタッフが全て目を通し、悪口などは掲載されないため、安心して自分の気持ちを送ることができます。

番組プロデューサーの藤岡泰弘さんプロデューサーの藤岡泰弘さん

「番組作りの一番真ん中に、生徒の声があります」。番組プロデューサーの藤岡泰弘さんは言います。その日のテーマは日々変わりますが、生徒の書き込みをきっかけに、テーマが決まることも多いそうです。

声でつながる生放送

番組が始まった2005年は、匿名で投稿できるインターネットサイトが徐々に増え始めた頃でした。子どもたちが安全に意見を言える場所をつくろうと、SOLは始まりました。

放送中には校長、教頭が数人の生徒に電話をかけます。SOLは生放送。電話で自分の悩みを打ち明けるとき、全国各地で必ず誰かが話を聞いていることになります。人に話を聞いてもらえると、ほっとすることがありませんか?「それが、番組が20年続いてきた理由の1つかもしれません」と藤岡さんが教えてくれました。

SOLの目標は、生きていく力となる「未来の鍵」を10代に届けること。悩みを打ち明けて心を軽くしたり、流れてくる音楽に興味を持ったり。藤岡さんは「未来の鍵はいろんな形があります。ラジオの放送や関連するイベントを通じて、選択肢をたくさん示していけたら」と将来を見据えています。

こもり校長のメッセージ
SOLには、学校に行きづらい、といった悩みもたくさん届きます。「こもり校長」として毎晩、生徒の気持ちに向き合う小森さんは、子どもたちに「自分の気持ちに敏感であってほしい」と呼びかけます。

友達や家族、学校に対して、良いことも悪いことも、いろんな気持ちを持つことがあります。小森さんはそれを「決して悪ではなく、すごく大切なこと」と強調します。

「心の中にある気持ちを言葉にする機会がないからこそ、深く悩んでしまうのでは」。ラジオでは顔は見えませんが、声で人とつながることができます。「ラジオは、自分の思いを吐き出せる場所」と力を込めました。

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