まもなくやって来る冬休みは、クリスマスや大みそか、お正月などのイベントが盛りだくさん。しかし、大学受験を控えている高校3年生にとっては、本番前の追い込み期間でもあります。
そして、受験予定の高校1・2年生にとっては「覚悟を決める時」ではないでしょうか。今回は、高校1・2年生に向けて、有意義な冬休みの過ごし方と勉強法をお伝えします。
塾講師 渡邉智治(わたなべ・ともはる)
愛知県一宮市にて「進学塾 翔和」を経営。塾講師歴は25年以上。犬山市教育委員も務めている。
冬休みは「計画性」を大切に
地域などによって変わりますが、多くの高校の冬休みは2週間前後。しかし、家族や親戚などで年末年始に集まることなどを考えると、自由に過ごせる日数は限られてしまいます。冬休み中のイベントも事前に予定として組み込み、「計画性」を持って、効率良く時間を使いましょう。
高校1・2年生の勉強のポイント
冬休みは「2学期が終わり、1年の集大成となる3学期が控えている」という期間。2学期に学んだ内容には、重要な単元も多く含まれているので、冬休みにしっかり復習をすることで、一気に実力が伸びます。この期間に、効率よく勉強を進めるための3つのコツを紹介します。
質問できる環境を確保する
「課題は出たけど解答や解説をもらっていない」「難しすぎて自力では出来ない」と悩む高校生が多くいます。質問できる環境がないと、分からないまま時間だけが過ぎてしまいます。そんな時は、塾や予備校を活用するのも1つの方法と言えるでしょう。
教科・単元を絞り込んで集中的に復習する
あれもこれも手をつけると時間が足りなくなってしまいます。学習範囲を出来るだけ細分化し、特に苦手だと感じる箇所を集中して復習するようにしましょう。
すき間時間を有効活用する
英単語や理科・社会の重要用語、数学の公式、古文単語などの暗記に、すき間時間を見つけて取り組みましょう。親戚の集まりへと移動する時間、初詣の列に並ぶ時間など、年末年始には意外とすき間時間も多いですよ。
高校2年生の冬から受験勉強を
大学受験の勉強は高校2年生の冬から本格的にスタートして欲しいです。なぜなら、大学入試のちょうど1年前だから。
大学入試は自分と同じ学年の人だけではなく、既卒生(浪人生)もいます。既卒生は1年かけてきっちりと仕上げてきます。難易度の高い大学や競争倍率が高い大学を受験する場合、現役生であっても1年かけて準備しなくてはなりません。だから「高校2年生の冬から受験生」なのです。
高校1年生、冬休みの勉強は?
高校1年生が冬休みにやっておくと有利になる勉強は、「既習範囲の復習」です。高校に入学してから冬まで、あっという間に学習が進んできた感覚はありませんか? 中学校までとは比較にならないほど授業の進度が速く、慣れるのに精一杯だった高校1年生も多いはず。
2学期が終わり、授業のない冬休みこそ、これまで習った範囲の復習に取り組みましょう。復習を通して、苦手な分野や理解不足に気づくこともあります。
冬休みは短いからこそ、効率よく時間を使い、計画的に過ごしてください。そして、具体的に目標を掲げて勉強に取り組んでいきましょう。冬休みに1つでも「やり切った」と言える成功体験や達成感を味わうことで、受験本番にも打ち勝つ、強い気持ちが養われるのだと思います。
文:渡邉智治