12月に入り、もう少しすると冬休みがやってきます。冬休みは短いので、「まだまだ時間がある」と思っていたら大間違い。あっという間に3学期になり、そして新学年になってしまいます。今回は、小学5・6年生、中学1・2年生向けに、冬休みの過ごし方を紹介します。

塾講師 渡邉智治(わたなべ・ともはる)
愛知県一宮市にて「進学塾 翔和」を経営。塾講師歴は25年以上。犬山市教育委員も務めている。
「規則正しい生活」を意識しよう
1日の生活リズムが不規則になりがちな年末年始。もちろんクリスマス、大みそか、お正月などのイベントはしっかり楽しんでください。その上で「規則正しい生活」を心がけていきましょう。
そのためには早寝・早起きを心がけて、日中の活動時間を確保してください。起床時間・就寝時間は、学校がある日と揃えるようにすることが大切です。不規則な生活では体内時計のリズムを崩れてしまうため、時間が有効に使えません。また、夜更かしが常習化してしまうと、3学期がスタートした時に「朝起きるのがつらい……」となってしまいますよ。
苦手な教科・単元から取り組もう
小学校、中学校では、冬休みに課題が出されます。課題を計画的に進めることは大事ですが、ただ進めるだけではなく、苦手な教科・単元から始めることをおすすめします。
その理由は、分からない部分を調べたり、間違えたところをやり直したりする時間が多く確保できるからです。さらに、いきなり課題を解き始めるのではなく、教科書や問題集、ドリルで復習をしてから課題に取り組むとより効果的ですよ。
学年別、冬休みの重要単元
ここでは、特におさえておきたい教科・単元をお子さんの学年別に紹介します。
小学5年生
<算数>
分数、単位量あたりの大きさ、割合
<英語>
1学期に学んだ内容をもう1度復習しましょう
小学6年生
<算数>
分数のかけ算・わり算、比、比例・反比例
<英語>
1学期から学んできた内容をもう1度復習しましょう。単語・基本文を、英語で正しく書ける(英文法を正しく理解する)ようにしておくことで、中学英語で好スタートを切ることが出来ます
<その他>
中学校への入学・進学準備 (1日体験入学や説明会、制服の購入など)を行いましょう
中学1年生
<数学>
方程式、比例・反比例の文章題・活用問題
<英語>
三単現のs、疑問詞を使った文
※2学期の内容を確実に押さえておくことで、これから学習する範囲の理解が深まります
中学2年生
<数学>
連立方程式、一次関数、図形の証明
<英語>
不定詞、文型
中学生は大切な単元が多いため、ここではかなり絞り込んで紹介していました。いずれも、これからの学びに大きく影響を与える単元です。
そして中学1・2年生は、実力(課題)テスト、学年末テスト(9科目)に向けた勉強も意識しましょう。これらのテストは1年間の締めくくりとなるため、テスト範囲が広く、さらに1・2学期で学んだ内容は応用・発展問題として出題される傾向が強いです。
今しか出来ないことをしよう!
せっかくの長期休暇ですから、自分で調べながら勉強する癖をつけましょう。ただ、間違った方法でインプットしたり、演習量が足りなかったりすると、思ったほど理解が進まないこともあります。
そのため、多くの学習塾・進学塾で行われる「冬期講習」を活用するのも1つの方法です。分かりやすい説明、豊富な演習量、何より教室内の適度な緊張感が、子どもたちの集中力とやる気を引き出します。
そして、勉強以外にも、「冬休みにしか出来ないこと」に時間を使ってください。
例えば……
・おせち料理、大みそか、初もうでなど、日本の伝統文化を探究する
・百人一首、将棋、囲碁など昔からある「ゲーム」に興味を持ち、挑戦してみる
・季節のスポーツを経験する(けがには注意してくださいね)
その上で、「3学期を見据えて計画的に学習する」時間をしっかり作ってほしいです。この冬休みをどのように活かし、どれだけ充実した時間にするのかが、3学期、そして、新学年をむかえるために大切なことです。
子ども達が充実した冬休みを過ごせるよう、ぜひ親御さんもサポートしてあげてくださいね。
文:渡邊智治