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醸造文化が盛んな愛知県にあり、身近な調味料の1つ「酢」について学べる「ミツカン ミュージアム」。2024年3月にはいくつかのセクションがリニューアルし、デジタル技術を活用したゲームで、酢づくりのあれこれを体験できるようになりました。そんな「ミツカン ミュージアム」を訪れ、魅力を体感してきました。
食のこれからが学べる「光の庭」
「光の庭」は、来館者からの人気ナンバー1のエリア。開放的な光あふれる空間で、おいしくて、人にも地球にも優しい「食のこれから」を楽しく学ぶことが出来ます。
いくつかのコーナーに分かれていて、これまでも好評だった「味ぽんスタジオ」や「すポット」に加え、新たに「そうぞうファクトリー」「みらいウィンドウ」が登場。フードロスの削減や未来の食文化について、遊びながら学べます。
寿司の食品サンプルが1000貫以上並ぶ「すし大陸」は圧巻の展示です。引き出しを開けると、全国のご当地寿司についての解説があるので、ついあれこれ読みたくなってしまいそうです。
「味ぽんスタジオ」では、オリジナルラベルの「味ぽん」が作れます。スタジオ内の自動販売機で「味ぽん」(1本200円)を購入し、写真を撮影すると、その写真がプリントされたラベルが作成できます。来館記念のお土産におすすめです。
また、「光の庭」を抜けた先にはミュージアムショップがあるので、オリジナルグッズやここでしか買えないミツカン商品をチェックしてみてください。
「そうぞうファクトリー」は、体感型の新アトラクション。未来の食べものを「そうぞう」(創造・想像)することが出来ます。食材を集め、叩いたりこねたりしておいしさをアップし、世の中にあふれる「無駄に捨てられてしまう食材」をおいしい「未来の食べもの」に変身させましょう。
「そうぞうファクトリー」でつくった「未来の食べもの」が、未来の世界をどう変えるのでしょうか? 「みらいウィンドウ」を通じて、その後の世界を見ることが出来ます。未来の世界の前で、記念撮影もぜひ!
江戸時代の蔵を再現「大地の蔵」
受付・入場ゲートを過ぎると広がるのは、「大地の蔵」エリア。江戸時代の酢づくりと現在の醸造の様子を合わせて見学することで、永く受け継がれてきたものづくりの精神を知ることが出来ます。
江戸時代から続く伝統的な「静置発酵製法」の様子。桶の中で約2週間かけて完成する過程が見られます。創業当時の製法を受け継いだ「三ツ判山吹」や、さらに熟成を重ねた「千夜」など、実際に商品になる「粕酢」がここでつくられているという点もポイントです。
「大地の蔵」の新アトラクション
「大地の蔵」の後半エリアでは、蔵で働いていた人々にまつわる展示として、桶や樽などの道具が並び、一部の道具は手にとって本来の使い方が体験出来ます。
また、原料によって異なる様々な酢の香りを比べられるコーナーも。ボタンを押すとそれぞれの酢の香りがふんわり漂う仕組みになっています。
体験コーナーには、参加者が体を使って酢づくりをバーチャル体験できる新アトラクション「あなたも酢づくり職人」が登場。蔵の親方に酢づくりのイロハを教わって、制限時間内にどれだけ酢が完成できるか、ゲームで挑戦してみましょう。アバターには自分の顔が!
半田市の歴史や移り変わりを知る
ミツカンが生まれ育った愛知県半田市の歴史や面影をめぐるギャラリー「風の回廊」。昔から変わらない運河を望みながら、ミツカンが共に歩んできた半田の情景や人々の息吹を、当時の懐かしい写真や音の演出から感じられます。
半田市は「山車まつり」が盛んな地域で、10地区・31組がそれぞれ山車を所有しています。そんな31組が着る法被のデザインを元に作られたのれんが並ぶ回廊は、とてもフォトジェニックな空間です。
明治〜昭和初期の半田市の様子を写したギャラリーでは、それぞれの時代や場所の写真から、当時の半田市とそこで暮らす人々の様子を知ることが出来ます。
「時の蔵」で時の旅へ出航!
「時の蔵」エリアには、江戸時代に半田市から江戸まで酢を運搬するのに活躍していた、長さ約20メートルの「弁才船」を再現。酢を運ぶ航海の様子が大型スクリーンに投影され、船上から鑑賞することが出来ます。
「弁才船」を復元するために調査した記録や図面、参考とした板図のほか、メイキング映像などが見学でき、船体に投影されるプロジェクションマッピングも見事です。
壁面には、200年以上続くミツカンの歴史が年代順に展示されています。時代ごとの社会背景も合わせて学べる資料が満載で、おなじみ「味ぽん」の歴代パッケージデザインが勢揃いしている展示コーナーもありますよ。
リニューアルした体験型博物館
「ミツカン ミュージアム」は、ミツカングループ創業の地に、ミツカンの酢づくりの歴史や醸造技術、食文化の魅力などに触れることが出来る体験型博物館として、2015年に誕生しました。
2024年3月のリニューアルでは、デジタル技術を使った展示・アトラクションが随所にとり入れられ、より幅広い年代の人が楽しめるようになったと評判を集めています。
MIZKAN MUSEUM(ミツカン ミュージアム)
【問い合わせ】0569-24-5111
【場所】愛知県半田市中村町2-6
【時間】9時30分~17時 ※最終受付 15時15分
【定休日】木曜、年末年始
【駐車場】約90台
【公式サイト】https://www.mizkan.co.jp/mim/
【アクセス】名鉄河和線「知多半田駅」より徒歩13分、 JR武豊線「半田駅」より徒歩3分
【料金・所要時間】全館コース(滞在可能時間120分・うち40~50分のガイド付き)大人500円・中高生300円・小学生200円・乳幼児無料、ミニコース(大地の蔵・光の庭のフリー見学/滞在可能時間120分)大人300円・中高生200円・小学生100円・乳幼児無料
【参加方法】要予約(見学希望日の1ヶ月前から公式サイトで予約可能)、各回定員30名(各回の開始時間は公式サイトを確認)
最後に
リニューアルを機に、酢づくりや郷土の歴史などがより楽しく・分かりやすく学べるようになった「ミツカン ミュージアム」。週末や祝日は定員がすぐ埋まってしまうので、特に早めの予約がおすすめです。
また、ミュージアムオリジナルアプリを楽しめるスポットも点在しているので、ぜひ事前にダウンロードしてからおでかけくださいね。
文:森下右子/写真:間宮博