PMS(月経前症候群)とは?原因・症状を解説!【医師監修】

PMS(月経前症候群)とは?原因・症状を解説!【医師監修】

月経の前に体調が悪くなったり、気持ちが落ち込んだりすることはありませんか?月経前に起こる不調全般のことをPMS(月経前症候群)と言います。なんとなく辛い・・・というところから、不調の理由が分かるだけで、気持ちが楽になることも。今回は、PMSの原因や症状、メカニズムについて医師監修の内容でご紹介します。

監修医:上田弥生(うえだ やよい)先生

監修医:上田弥生(うえだ やよい)先生
産婦人科専門医。大阪出身、現在、東京都内のクリニック勤務。自身も10代の頃から月経前の心身の不調に振り回されていたが、それがPMSだと知ったのは医学生になってから。漢方、アロマテラピー、心理療法などの学びを自身で人体実験しPMS対策を模索。ニオイケアの専門家としても活躍。著作に『オトナ女子のためのスメらない手帖』がある。

PMSとは?症状をチェック

PMSとは「Premenstrual Syndrome」を略した言葉です。日本語にすると「月経前症候群」

PMSとは「Premenstrual Syndrome」を略した言葉です。日本語にすると「月経前症候群」。月経の3日~10日前くらいからココロとカラダに出るさまざまな不調で、月経がはじまると症状がなくなったり、軽くなったりします。
PMSの症状は200種類ほどもあると言われおり、どういった症状がでるか、症状がどのくらい重いかは個人差がとても大きいです。
PMSの症状は、カラダにでるものとココロにでるものの大きく2つに分けられます。どのような症状があるか、カラダとココロそれぞれで具体的にチェックしてみましょう。

PMSの症状をチェック

<カラダの症状>

  • □ 胸が張ったり、痛んだりする
  • □ お腹の張りや痛み、腰痛
  • □ 少し動いただけで疲れてしまう
  • □ どれだけ食べてもお腹がすく
  • □ 吹き出物がでるなど肌荒れしやすくなる
  • □ ボーっとする、眠気が続く
  • □ お通じが悪くなる
  • □ 頭痛がする
  • □ 手足がむくみやすくなる

<ココロの症状>

  • □ ちょっとしたことでイライラする
  • □ 感情をうまくコントロールできなくなる
  • □ ネガティブになり、気分が落ち込む
  • □ 集中力が低下する
  • □ 不安を感じやすくなる
  • □ 涙もろくなる

当てはまる症状はありましたか?こうしたさまざまな症状はどうして起こるのでしょうか。続いて、PMSのメカニズムを見てみましょう。

PMSの原因は?そのメカニズム

PMSの原因は、はっきりとはわかっていません。しかし、月経周期によって変わる女性ホルモンのバランスがかかわっていると言われています

PMSの原因は、はっきりとはわかっていません。しかし、月経周期によって変わる女性ホルモンのバランスがかかわっていると言われています。

月経のしくみと女性ホルモンの変化

月経は妊娠するために大切なしくみ。脳からの指令で卵巣から分泌される「エストロゲン」「プロゲステロン」という2種類の女性ホルモンによって月経のリズムが生まれます。
月経が終わると、エストロゲンが一気に増加。排卵の時期にエストロゲンは減りますが、その後また増えていきます。
排卵後にはプロゲステロンが増加。妊娠しなければ、プロゲステロンの量が減り、月経がはじまります。
今までPMSは、プロゲステロンが増加することと関係があると考えられていました。しかし、多くの女性がプロゲステロンの分泌量が少ない時期から症状が出ることなど、それだけでは説明できないこともあり、現在でも不明な点が多くあります。

エストロゲンとプロゲステロンとは?

エストロゲンとプロゲステロン、どちらのホルモンも妊娠とかかわる大切な働きがあります。
エストロゲンには、血流を良くする、丸みをおびた女性らしいカラダをつくる、動脈硬化を予防するなどの働きがあります。気持ちが安定する、カラダや肌の調子が整うといった良い影響もあります。
一方、プロゲステロンには、カラダに水分を蓄える、腸のぜんどう運動を抑えるといった作用があります。そうした働きによって、むくみやすくなる、お通じが悪くなる、抑うつ状態になるといった症状につながります。
そのため、エストロゲンが増える月経後の期間は、ココロやカラダ、肌の調子が良くなり、気分よく過ごせることが多くなります。
反対に、プロゲステロンが増える排卵期あたりからは、ココロもカラダも肌もなんとなく不調に。人によっては、落ち込みが激しかったり、感情を抑えられなくなってパートナーとケンカしがちになったりすることもあるでしょう。肌が荒れてかゆみがでたり、吹き出物がでやすかったりするのもこの時期です。お通じが悪くなる、むくみやすくなる、つい食べ過ぎてしまうということもあるかもしれません。

要注意!PMSを悪化させるもの

PMSはさまざまな要因で悪化するといわれています。特に以下の4つがPMSを悪化させやすいため、注意しましょう。

ストレス

育児や家事、仕事など、毎日忙しい人は特に注意を。働きすぎや人間関係のトラブルなどでストレスが多いと、PMSの悪化につながります。
月経の前はエストロゲンが減りますが、それにつれて幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌も低下。ちょっとしたストレスにも影響を受けやすい状態になります。意識的にリラックスする時間やストレス解消する時間を作って、自分を労わってあげましょう。

性格、考え方

完璧主義や、自分に厳しく、自分を責めがちな性格の人はPMSが悪化しやすいといわれています。
PMSの時期は、集中力が低下しやすいため、仕事や家事でいつもならしないミスをしてしまうことも。そうしたときに、必要以上に自分を責めてストレスを増やしてしまいます。
ミスはしないにこしたことはないですが、この時期は仕方ないと割り切って自分を責めないことも大切です。

食生活

鉄分、ビタミンB6不足などはPMSを悪化させる要因になるといわれています。糖質、カフェイン、アルコールのとりすぎを避け、栄養バランスのよい食生活を心がけるようにしましょう。
特に月経前にイライラして甘い物が食べたくなる…という方は注意するようにしましょう。

自律神経の乱れ

ハードワークや不規則な生活で自律神経が乱れると、PMSの症状が重くなるといわれています。特に子どもを育てながら家事や仕事をしている方は、働きすぎで疲労もたまりがち。
手を抜けるところは上手に手を抜いて、ムリをしないようにしてくださいね。

最後に

PMSかもと思ったら、どんな症状がいつ起きるかを記録して、月経周期と見比べてみましょう。

PMSかもと思ったら、どんな症状がいつ起きるかを記録して、月経周期と見比べてみましょう。自分の体調のパターンが分かるだけでも対策がとれるようになります。
月経のある女性の50%~80%にPMSのなんらかの症状があるといわれています。生活習慣の改善やストレス解消などで症状が軽くなることがあるため、次の記事ではPMSの症状を緩和する対策をご紹介します。

文:荒井梨乃

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