子育てはいくらかかる?教育費・養育費など費用の総額を解説

子育てはいくらかかる?教育費・養育費など費用の総額を解説

生まれてから成人するまで、子育てには成長の過程でたくさんのイベントがあります。何にも代えがたい幸せがある一方で、気になるのが子育てにかかる費用。教育にかかるお金を筆頭に、衣服、食費、家族旅行などさなざまな費用があります。
ここでは、年代ごとにかかる費用や子育て費用の貯め方、万が一お金が足らないときの支援策まで、子育てにかかる費用をファイナンシャルプランナーが解説します。

いつ、いくら?必要な子育て費用

子育てにかかる費用は、大きく分けて教育費と養育費があります。

子育てにかかる費用は、大きく分けて教育費と養育費があります。
教育費は、授業料や入学金などの学校にかかるお金の他、塾代なども含まれます。
養育費は、衣服やお祝いにかかる費用、保険代、食費、医療費などの合計です。

子どもが大学を卒業するまでにかかるお金は、未就学・小学生の時期は養育費が中心に、中学・高校・大学の時期には教育費の負担が大きくなります。

ここでは、いつ何にいくらかかるのか、平均的な養育費と教育費をご紹介します。
子育てにかかる費用を年代別にまとめました。

未就学(0歳児~6歳児)

0歳児の頃は、赤ちゃん用寝具や生活用品などを揃えるのにまとまったお金がかかります。赤ちゃんの時期が過ぎると幼稚園や保育園の費用がかかるようになり、未就学のうちでも意外とお金がかかるものです。
内閣府の調査によると、未就学児の年間にかかる子育て費用は1,043,535円です。(※1)
保育所・幼稚園児の場合、保育費の負担が最も大きいようです。
私立幼稚園の場合は独自の保育料を設定しているところもありますが、最近では保育料の無償化も進んでいます。選ぶ園によっては保育費負担を軽減でき、子育て費用も上記ほどはかからないこともあります。

小学生

小学生一人当たりの子育て費用(年間)

  • 総額:1,153,541円
  • 教育費:325,584円
  • 養育費:827,957円

小学生にかかる年間子育て費用は、およそ120万円です。
内閣府の調査によると一人当たりの年間子育て費用の総額は1,153,541円で、そのうち学校費関連費用や習い事、学童などに関する教育費は325,584円、衣服や子どもにかかるお小遣いや食費などの養育費は827,957円です。
学校関係費の負担は少ないものの、習い事や塾などの学校外費用の負担が増えているようです。(※1)
養育費の内訳を見ると食費が最も高く、次いで家族旅行などのレジャー費にお金をかけています。中学生・高校生になると、だんだん家族が揃う時間も取れなくなるもの。レジャー費は小学生の時期ならではの支出と言えるかもしれませんね。

中学生

中学生一人当たりの子育て費用(年間)

  • 総額:1,555,567円
  • 教育費:580,002円
  • 養育費:975,565円

中学校にあがると、子ども一人にかかるお金は年間およそ150万円。
一人当たりの総額は、小学生と比較して子育て費用は約40万円増えています。(※1)
中学生はクラブ活動費や通学用品などの購入もあり、学校に必要なお金が増えます。
さらに、高校受験に向けた学習塾代なども必要となるため、教育費の比重も高まります。
未就学児と比較すると年間にかかる子育て費用は約1.5倍。食べる量も増え、食費などの養育費もかかることから、子どもにかかるお金が一気に増える時期です。

高校生

高校生一人当たりの子育て費用(年間)

  • 総額:150~200万円
  • 教育費:50~100万円
  • 養育費:100万円
    (※助成制度を受けない場合)

高校生一人当たりの年間の子育て費用は、およそ150万円~200万円です。
文部科学省の調査によると、高校生の教育費の平均は、公立457,380円、私立969,911円です。(※2)
中学時の養育費がおよそ100万円弱であることから、高校生一人当たりの年間の子育て費用は、公立でおよそ150万円、私立でおよそ200万円と考えられます。
ただ私立高校の授業料には助成制度があります。
世帯年収などの条件を満たせば、年間最大39万6000円の就学支援金が受けられます。(※3)

子育て費用、どう貯める?

人生の三大支出と言われる教育資金。貯めたいけれど、毎月かかる生活費や習い事などの費用に手いっぱいでなかなか上手く貯められない…という方も多いかもしれません。

人生の三大支出と言われる教育資金。貯めたいけれど、毎月かかる生活費や習い事などの費用に手いっぱいでなかなか上手く貯められない…という方も多いかもしれません。
子育て世帯の貯金のコツをFPが解説します。

子育て費用を貯めるコツ

子育て費用を貯めるコツは、費用がかかるより先に貯めること。「先取り貯蓄」がおすすめです。
頑張って節約したつもりでも、知らず知らずのうちに別のものに使ってしまったり、気が付けば貯金に回せていなかったり…
そうならないよう、収入が入ったら、無理のない範囲で先に子育て費用の貯蓄分を貯め分けておきましょう。

貯金額の決め方

いくら貯め分けるかは、将来必要な費用を目標に逆算します。
例えば、現在10歳の子どもがいて、18歳の大学入学資金を目標に200万円貯めたい場合、8年間で200万円を貯めることがゴールです。
年間に換算すると25万円。
200万円÷8=250,000円/年
毎月およそ2万円を貯蓄していくと200万円を貯めることができます。

貯金するお金が足りない場合

今の収入から2万円を捻出するのが難しいという場合、まずは支出面の見直しから始めてみましょう。少しずつでも貯蓄に回せるよう、家族で話し合うなど協力して捻出していけるといいですね。

子育てのお金が足らないときは?

子育てにはどの年齢にもお金が必要ではあるものの、特に年齢があがっていくにつれて教育費の負担が増えます。

子育てにはどの年齢にもお金が必要ではあるものの、特に年齢があがっていくにつれて教育費の負担が増えます。
進路先の変更やさまざまな事情によって思っていたよりもお金がかかることもあるかもしれません。
教育費が足らない場合には、一般的な教育ローンなどの他に自治体の制度なども活用できます。自治体等に申請をし、条件を満たせば利用できるものが多いでしょう。

例えば、小中学生向けなら就学支援制度。高校生の場合には高校生等奨学給付金などがあります。文部科学省のホームページで詳しく紹介されていますので受給条件をご確認ください。
他にも独自制度がある自治体も多く、受給条件は自治体によって異なります。
養育費などの子育て費用に適用される制度も少なくありません。各市町村によって独自の現金給付や子育てパスポート等を出しているところもあるので、お住まいの自治体の制度を確認してみてください。

最後に

子どもの成長はうれしい反面、年齢が上がるごとにさまざまな出費がかさみます。
子育て費用を貯めるには、支出より先に貯める「先取り貯蓄」を実践することがポイント。
貯める前に、家族でお金の使い方を話し合うことも大切です。家族間で協力し合って子育て費用を貯めていきましょう。

文:中村美帆

中村美帆(なかむら みほ)

中村美帆(なかむら みほ)
出産を機に金融機関を退職後、ママファイナンシャルプランナーとして独立する傍ら、カラダとココロの健康をテーマにヨガ講師・おやつ講師として活動。地産地消にこだわった親子おやつ教室や児童施設でのキッズヨガ教室など子育て支援にも携わる。
また、地元のお茶農家と連携したお茶ブランドTEA BASE「三重県産デカフェ茶」の企画販売を手掛け、地域で地元経済を応援する仕組み作りを目指して、多方面にて三重の魅力を発信中。三重県出身。三児の母。
URL:  https://teabase.stores.jp/
Instagram : @mihocoto

参考
※1:内閣府 │ 平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査 全体版(PDF): 子ども・子育て本部
※2:文部科学省|令和3年度子供の学習費調査
※3:文部科学省│私立高校授業料実質無償化リーフレット
※4:内閣府│令和2年度「少子化社会に関する国際意識調査」報告書(概要版): 子ども・子育て本部
※5:文部科学省│年齢層別の教育費等の主な負担軽減策

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