韓国でブームとなり、日本でも専門店が増えている「グリークヨーグルト」。濃厚でクリーミーな食感が特徴で、タンパク質が豊富なことからヘルシー志向の人にも支持されています。

フードコーディネーター:和田万祐さん
栄養士・フードコーディネーターとして、おいしくて体が喜ぶ料理レシピを多数考案。名古屋市を拠点に、雑誌やウェブサイト、広告、CMなどの調理やメニュー提案など幅広く活躍する。2児の母でもあり、子ども向けの調理イベントなども行う。
基本のグリークヨーグルト
グリークヨーグルトとは、ギリシャ発祥の伝統的なヨーグルトのこと。「ストレイニング(水切り製法)」という工程で余分な乳清(ホエイ)や水分を取り除くことで、一般的なヨーグルトよりも高タンパクでなめらかでクリーミーな食感が実現します。
日本では「ギリシャヨーグルト」や「水切りヨーグルト」とも呼ばれており、もっちりと濃厚な味わいと、爽やかな酸味・上品な甘みが特徴です。
そこで、市販のプレーンヨーグルトを使ったグリークヨーグルトの作り方を紹介します。
ヨーグルトを水切りする
ボウルの上にザルを乗せ、ザルにキッチンペーパーを2枚重ねたところへプレーンヨーグルトを入れます。
▼
水切りの仕方
この時、ザルがボウルの底面にたまるホエイに付かないよう、ザルのサイズや形状を調整してください。
プレーンヨーグルトの容器の形状によっては、容器にキッチンペーパーを被せて輪ゴムで固定し、ホエイ受用のコップなどに傾けて水切りをする、より手軽な方法もあります。
いずれの場合も、水切りは必ず冷蔵庫内で行ってください。
▼
1〜2時間
6〜8時間
上の写真は1〜2時間水切りをしたもの、下の写真は6〜8時間したものです。
水切り時間の長さによって、ヨーグルトの食感が大きく変わります。水分が少ない、クリームチーズのような食感を目指すのであれば6〜8時間以上水切りをしましょう。
また、使用するキッチンペーパーの素材や厚みによって、かかる時間や水切りの具合が変わってきます。初めて作る際は、こまめに様子を確認しながら作ってください。
フルーツなどトッピングを用意する
トッピングには好きなフルーツを中心に、食感・香りのアクセントになるグラノーラやミントなどのハーブ、甘味を調整するためのハチミツなどがおすすめです。フルーツは、生や冷凍を使い分けるとさらにトッピングの幅が広がります。
フルーツは断面が見えるよう輪切りにすると盛り付けたときにキレイです。また、食べる直前にカットすることで変色や乾燥を防ぐことが出来ます。
ヨーグルトとトッピングを盛り付ける
器にグリークヨーグルトを盛り付け、隣り合うトッピングの色味が出来るだけ重ならないよう意識しながら好きなトッピングを並べましょう。
仕上げにハチミツをかけ、ハーブを添えたら完成です。
アレンジやホエイの使い道
400gのプレーンヨーグルトを半日水切りすると、200〜250gのグリークヨーグルトと150〜200ccのホエイに分かれます。
グリークヨーグルトが一度に食べきれない場合や、何度も作る場合は、ヨーグルト自体をアレンジすると、味わいやトッピングのバリエーションが増えますよ。
抹茶やココア、紅茶などでアレンジ
グリークヨーグルトに抹茶を混ぜ込めば和テイストに、ココアを混ぜ込めば子どもが好むチョコテイストになります。
抹茶やココアは、製菓用であればそのまま、お茶として飲むタイプのものであれば少量のお湯で溶いてから使うと混ぜやすいです。ココアの場合、ハチミツをチョコシロップに変えるとより本格的に!
水切り時に出たホエイの使い方
ホエイには、水溶性のタンパク質や乳糖、ビタミン類、ミネラルなどが豊富に含まれているので、ぜひ活用しましょう。特にタンパク質の体内への吸収率が高いため、成長期の子どもにはぴったりです。
スープや煮込み料理の隠し味、ドレッシング、肉類を漬け込んで柔らかくするなど、活用方法はさまざま。今回は手軽に作れてこの季節にぴったりな「レモネード」のレシピを、和田さんに教えてもらいました。
ホエイで作るレモネード
【材料】1人分
ホエイ 150ml
ハチミツ 小さじ2
レモン汁 小さじ2
氷 適量
お好みでミント、レモンの輪切り 各 1
① ホエイとハチミツ、レモン汁をよく混ぜる
② 氷を入れたグラスに①を注ぎ、レモンやミントを飾る
最後に
グリークヨーグルトは簡単に家庭で作ることができ、手軽にヘルシーでクリーミーな味わいを楽しめるのが魅力です。材料もシンプルで、既製品のギリシャヨーグルトなどを購入するより材料費が抑えられるのもうれしいポイントですね。
紹介したレシピを参考に、ぜひ手作りグリークヨーグルトにチャレンジしてみてください。毎日の食卓やおやつが、より豊かで健康的なものになりますよ。
文:森下右子 撮影:間宮博