「わかったつもり」が成績の伸びを止めていた【親子でひらく学びの未来】

「わかったつもり」が成績の伸びを止めていた【親子でひらく学びの未来】

新学年がスタートして1カ月以上が経ちました。「毎日勉強はしているけれど、このやり方で大丈夫なのかな?」と、不安を感じている家庭もあるのではないでしょうか。その不安の正体は、勉強時間の少なさではありません。最も大きな原因は、「わかったつもり」になっていることです。

今回は、意外と気づきにくい「わかったつもり」の正体と、そこから抜け出すためのヒントをお伝えします。今日からすぐ試せるチェックリストも用意しましたので、ぜひ最後までお読みください。

学習塾経営者・講師 加藤教子(かとう・のりこ)

愛知県出身。名古屋市千種区で「かとうのりこ進学教室」を主宰。25年以上にわたり小中高生の個別指導に携わり、中学受験から大学受験まで、医学部や東大・京大・早慶など難関大学への合格実績多数。総合格者数700名以上。一人ひとりの個性や家庭環境に寄り添い、偏差値20~30アップも実現する指導法で、多くの保護者から信頼を得ている。

あなたのお子さんは?

第7回 親子でひらく学びの未来

上のチェックリストに、当てはまる項目はありましたか?

実は、これらはすべて「わかったつもり」のサインです。一度は解けても本質を理解していない場合、少し条件が変わるだけで解けなくなります。また、間違えた問題をそのままにして次に進んでしまうと、いくら勉強を重ねても定着にはつながりません。1つでも当てはまる場合は、やり方を見直すタイミングです。

「わかった」と「できる」は別

「わかったつもり」と「本当にわかっている」の違いは何でしょうか。ポイントはたった1つ、何も見ずに自分の力で解けるかどうかです。

なぜこのズレに気づきにくいのか。理由が2つあります。1つは、解説を読んで納得した瞬間の「わかった感」がとても強いこと。もう1つは、一度解けた経験が「できるようになった」という錯覚を生みやすいこと。この2つが重なることで、確認を省略してしまいがちになります。

どれだけ勉強を重ねても、「できていないのに次に進む」状態では結果につながりません。大切なのは量をこなすことではなく、「できる状態まで確認すること」です。

家でできる、たった2つの確認

家庭において、「できる状態まで確認すること」は、決して難しくありません。

1つ目は、宿題が終わった後にもう一度同じ問題を解かせてみること。ノートや解説を閉じた状態で、自力で解けるかどうか確認するだけで十分です。手が止まる場合は、まだ定着していないサインです。

2つ目は、「どうやって考えたの?」と聞いてみること。「わかった?」ではなく、考え方を言葉で説明させてみてください。言葉にできるかどうかで、理解の深さがはっきりと分かれます。

この2つを徹底した生徒が「自分はわかっていなかった」と気づき、そこから成績が伸びていったケースは少なくありません。大きくやり方を変えたのではなく、「『確認』というひと手間」を加えただけです。お子さんの理解度を確かめたいなら、まずはこの2つから試してみてください。

やってみよう! チェックリスト

第7回 親子でひらく学びの未来

さらに、「わかったつもり」から抜け出すためのヒントをお伝えします。

宿題が終わったらノートや解説を閉じて、もう一度同じ問題を解かせてみてください。翌日に前日やった問題から1〜2問抜き出して解き直しさせるのも効果的です。時間を置いても解けるかどうかが、定着の目安になります。

丸つけの後は「どこで間違えたか」ではなく、「なぜそう考えたのか」を聞いてみてください。また、「わかった?」と確認するより、「どうやって解いたの?」と聞く方が、どれくらい理解しているか把握しやすくなります。言葉で説明できない部分は、まだ定着していないサインです。

新しい問題に進む前に、すでに解いた問題を「これ、もう一回できる?」と確認するだけでも、学習の質は大きく変わります。いろいろな問題を解いた方が良いと思い、新しい問題集やドリルに手をつけがちですが、あれこれ手を出すより、1冊を繰り返し解き、確実に仕上げる方が定着しやすいです。「たくさんやること」よりも、「できる状態を積み重ねること」が大切です。

上のチェックリストの項目を意識しながら、できそうなものから取り入れてみてください。

少し、考えてみませんか?

第7回 親子でひらく学びの未来

「勉強した」という事実と、「できるようになった」という結果は、必ずしも一致しません。努力が無駄になることはありませんが、その努力が結果につながる形になっているかどうかは、別の問題です。

お子さんの「わかった」をそのままにせず、「もう一度できるか」まで確かめてみてください。その小さな働きかけが、これまでの積み重ねを確実な結果へと変えていきます。難しく考える必要はありません。問題を一緒に解くのではなく、やり方をそっと見ていきましょう。

 

前回の記事にお寄せいただいたコメントにアンサー!

「親子でひらく学びの未来」、第6回の記事にたくさんのコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。みなさんにいただいた疑問・質問に、加藤先生がお答えします。

―定期テストの先に、親ができること―

Q.

中学1年生の子どもがいます。学校の課題はきちんと行うのですが、課題以外の家庭学習をやろうとせず、どこが苦手か本人もよくわかっていません。自分から進んでやるようにするにはどうすればよいでしょうか?

A. 課題にきちんと取り組めていることは、大切な土台です。中学1年生では「どこが苦手か」を自分で整理できない子も少なくありません。まずは「苦手を探す」より、課題で間違えた問題を見直したり、その日に習った内容をノートで振り返ったりすることから始めてみてください。家庭学習は「わからないところをやる」だけではありません。短時間でも、授業を振り返る習慣をつけることが第一歩です。

Q.

中1で勉強につまずいたことで、周りからそのイメージを持たれ、本人のやる気も削がれてしまいました。中2からどう立て直せばよいでしょうか?

A. 中1の結果だけで、今後が決まるわけではありません。中2から成績が伸び始める子はたくさんいます。大切なのは「もう無理だ」と決めつけないこと最初のつまずきが、勉強との向き合い方を変えるきっかけになることも多いです。小さな“できた”を積み重ねることで、流れは必ず変わります。中2は、まだ十分に変われる時期です。

Q.

孫が今年中学1年になりました。定期テストのことが気になっていますが、祖母からはどんなアドバイスができるでしょうか?

A.お孫さんにとって、おばあさまは「安心して話せる場所」になりやすい存在です。結果よりも、頑張っている姿や努力を続けていることに目を向けて、「頑張っているね」「大丈夫だよ」と声をかけてあげてください。親御さんとは少し違う立場からの言葉が、子どもの気持ちをずいぶん楽にしてくれます。焦らず見守ることも、大切なサポートです。

今後もお答えしていきますので、子育てや勉強のことで「これでいいのかな?」と感じたことがあれば、ぜひ「一言ボックス」にお寄せください。

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