もうすぐ始まる夏休み。約1ヶ月近く自分の時間がとれる、子どもたちにとって夢のような非日常の時間です。今回は、夏休みを価値のある時間にするために大切にしてほしいことをお伝えしていきます。

塾講師 渡邉智治(わたなべ・ともはる)
愛知県一宮市にて「進学塾 翔和」を経営。塾講師歴は25年以上。犬山市教育委員も務めている。
規則正しい時間に起きる
夏休みに大切にしてほしいことはたった1つ「規則正しい時間に起きる」。これだけです。
毎日が休日だからといって、夜遅くまでYoutubeなどを見ていたり、スマホをいじったりしていてはいけません。朝は学校がある日と同じ時間に起きて、日中は夏休みにしかできないことに時間を費やし、いつもと同じ時間に寝ることが大切です。
不規則な生活を送ると体内時計のリズムを崩し、時間を有効に使うことができなくなります。また、登校日や2学期がスタートした時に、充実した、楽しい学校生活を送れなくなることもあります。夏休みだからこそ、時間がある時だからこそ、規則正しい生活を送ることを意識していきましょう。
ここからは、学年別の夏休みのアドバイスをご紹介します。
中学3年・高校3年生の夏休み
9月以降に始まる志望校決定の材料となる定期テスト、実力テスト、校外模試。受験生にとっては、これらのテストで目標点を突破する土台をつくるラスト・チャンスが夏休みといえるでしょう。前の学年の内容まで戻り、基本→応用→発展と積み直すことで、結果は大きく変わります。
私の塾の中学3年生の中で、毎年1~3人は1学期の内申点が 32前後 だったのに、2学期には40以上になる子がいます。得点力が上がったのは当然ですが、大きく成長したのは「取り組む姿勢」です。
合格発表後に話を聞くと「夏休みのすべてを志望校にむかって打ち込んだことで、2学期から勉強が楽しくなった」と言っていました。
高校見学や大学のオープン・キャンパスに参加できる時間がとれるのも夏休み。リフレッシュを兼ねて遠方の大学のオープン・キャンパスに参加した生徒もいました。
目標を決めたら、計画を完遂していきましょう!
中学2年・高校2年生の夏休み
中学2年生・高校2年生の夏休みは、将来を見据えて、目の前のことに打ち込むことが大切です。そのために、先程伝えた「規則正しい時間に起きる」を実践していきましょう。
さらに、多くの2年生はこのようなことを言うのではないでしょうか。
●部活動に一生懸命になる
●友達との時間を大切にする
●趣味、自分の時間を有意義なものにする
すべて「正解」です。本気になって、これらのことに全力で時間を費やしてください。
そして、もっと有意義な時間にするためには、次の2つのことを優先的に考えてみてください。
●将来のことを考える
●勉強におもいっきり打ち込む
大学のオープン・キャンパスは高校2年も参加できます。中学2年生が参加できる公立高校・私立高校の合同説明会が夏休み頃開催される地域もあります。情報収集をおこない、具体的に自分の目で見ることで目標がよりはっきりするでしょう。
午前は部活動に打ち込み、午後は自分の将来のことについて打ち込む。夜は勉強に打ち込む。毎日が忙しいかもしれませんが、「忙しい」のではなく「充実している」のです。
振返ってみると、この時期が人生のターニング・ポイントになったという人も多いです。
中学1年・高校1年生の夏休み
まだ1学期が終わっただけ。学習した内容はほんの少しです。夏休みは、苦手教科を克服し、得意教科を最大限伸ばすようにしましょう。これが、2学期以降の学校生活を大きく変えます。きっと、2学期がはじまったときに「やってきてよかった」と思えるはずです。
毎日のルーティーンは、中学2年生・高校2年生と同じです。「規則正しい時間に起きる」から1日を始め、午前は部活動に打ち込み、午後は自分の将来について打ち込む。夜は勉強に打ち込んでいきましょう。
親御さんがサポートを!
学校の勉強、部活、塾、習い事、友達付き合いなど。子どもたちは毎日本当に「忙しい」です。体力的にも精神的にも、ギリギリのところで頑張っているという子も多いです。
夏休み、親御さんができるサポートとして「規則正しい時間に起きる」をお願いします。
これができる子の多くは、これから続く学校生活を楽しめています。お子さんとコミュニケーションを図る中で、夏休みにしかできない時間を見つけ、有意義なものにしていってくださいね。
文:渡邉智治