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春の訪れを待ちわびるこの季節、ひと足早く「空間を彩る春の花」がある暮らしをしてみませんか? 今回は個性的な生花・花器の品揃えや、丁寧な生け方のアドバイスに定評がある、名古屋市中村区の生花店「Boheme.」のオーナー夫妻に、家庭でも実践しやすい生け方のポイントや花を長持ちさせる方法を聞きました。
春を感じる花選びを意識する
冬に見頃を迎える生花の種類は意外と少ないため、花農家は早めに春の花が出荷できるよう栽培を進めています。そのため、1、2月はチューリップやスイートピー、ミモザ、ラナンキュラスといった春の花が店頭を彩ります。
今が花を通じて春らしさを楽しむにはぴったりの季節。春と比べて気温が低いため、置く場所や手入れを意識すれば生花が長く保てます。
お気に入りの花瓶で空間ごと彩る
花は、できれば毎日欠かさず飾りたいもの。だからこそ、「お気に入りの花瓶」を見つけるのが、空間を華やかに彩る近道です。花を飾っていなくても気持ちが盛り上がるような、部屋のインテリアとして置きたい花瓶を選んでみましょう。色や形にこだわって選んだお気に入りの花瓶がひとつあるだけで、花への興味も高まります。
そして、生花を購入する際は、花瓶の写真や実物を持って店を訪れると、花選びでよりイメージが膨らみやすくなるはず。スタッフからは色や形、生け方などのアドバイスも受けやすくなりますよ。
間や空白を意識して生けてみる
花瓶に花を生ける場合、西洋風のラウンド型ブーケのようにたっぷりの生花を使うイメージをする人が多いかもしれません。そうするとたくさんの生花が必要になり、お金も手間もかかってしまいますよね。
そこで試したいのが東洋風の生け方。華道の生け花のように、自分の感覚に、「素直」で「自由に」生けて、「楽しむ」のがポイントです。「間」や「空白」を意識すると、雰囲気や味わいもアップします。上の写真のように、高低差や横への広がりを作ることで、ぐっとおしゃれな印象に仕上がります。花だけではなく、グリーンを少し追加すると、より上質な感じに!
また、花瓶に生ける時に気を付けたいのが「視線」です。花瓶を机に置いて、斜め上からの視線で生けるのが一般的なイメージですが、ここにもひと工夫してみましょう。
花瓶を置く場所を見る視線の角度が、真横からなのか、少し下からなのかを考えながら生けると、実際に飾った時の見え方が格段にアップ。さらに正面や横顔など、使う生花の魅力が引き立つ角度を探してみると、より美しくおしゃれになります。
花を長く楽しむ4つのポイント
花をできるだけ長く愛でたいからこそ、花瓶の置く場所や毎日の手入れも大切です。
気を付けたいことは次の4つです。
・花瓶はエアコンの風が直接あたらない場所に置く
・太陽の光は不要なので、窓際ではない涼しい場所に置く
・茎は1、2日おきに0.5㎝ほど斜めにカットし、吸水する断面を清潔に保つ
花を長持ちさせるために、「生花は葉物野菜に似ている」と考えるとイメージしやすいかもしれません。エアコンの風や日光があたると水分が奪われ乾燥してしまい、逆に水びたしだと腐りやすくなります。
冷暗所に置き、水替えをこまめに行い清潔に保つことを意識してみましょう。
また、茎の断面が広いほどよく水を吸います。そのため、「鍋物に具材として入れるネギの形」を想像しながら斜めにカットすると、花が元気になりますよ。
今回、花について教えてくれた「Boheme.」オーナーのクレシ夫妻(預さん、沙織さん)と娘の明ちゃん。
「花を着崩す。」というコンセプトのもと、好みに合わせて服を選ぶよう気軽に自分らしく花を楽しむことを提案する生花店を2022年にオープン。色彩豊かな生花や海外から買い付けるアンティークの花瓶など、2人の感性に触れた個性豊かなアイテムも素敵です。
「買った花の鮮度にもよりますが、当店の場合は仕入れて3日以上経ったものは、原則店頭に置きません。きちんと手入れをすれば数週間から、長いとひと月くらい楽しめる種類もあるので、ぜひ愛情を注いであげてください」
【問い合わせ】090‐6588‐7915
【場所】愛知県名古屋市中村区十王町1-4
【営業時間】10:00~19:00
【定休日】水・木曜
【駐車場】なし
【支払方法】カード・電子マネー可
【公式Instagram】@boheme.nagoya
【アクセス】地下鉄「本陣駅」、名鉄「栄生駅」より徒歩6分
最後に
彩りや潤いをプラスしてくれる生花のある暮らし。春の花が持つ明るいパステルカラーやビタミンカラーは、見ているだけで心が元気になりますよね。
また、お店に行った際は子どもと一緒に生花や花瓶を選ぶのもおすすめです。大人の視点では思いつかない花の組み合わせや色選びなど、親子の間に花を通じた会話も弾むはず。自分が選んだ花だからこそ、進んでお世話をしたり、花の種類を調べたりと情操教育の一環にもなるのではないでしょうか。
文:森下右子
この記事の画像の一部は「日刊KELLY」(2023年2月7日)に掲載されたものを使用しています。