もしかして育児ノイローゼ?8つの症状とタイプ別の特徴とは

もしかして育児ノイローゼ?8つの症状とタイプ別の特徴とは

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怒らなくてもいいような些細なことにも、ついイライラしてしまう……。子どもにネガティブな感情をぶつけて、後から自己嫌悪になる・・・など。育児って、うまくいかないことの連続ですよね。育児疲れやストレスは、ママやパパとして頑張っている証拠です。そして、育児ノイローゼは誰もがなりえるもので、特別なことではありません。育児ノイローゼとは何か、症状やチェック方法、どんな人がなりやすいか、考えられる原因、タイプ別の特徴や対処法をご紹介します。

育児ノイローゼとは?症状は?

育児ノイローゼとは、育児によって不安定な気持ちが膨らみ、イライラや無気力など精神的な不調が起こること

育児ノイローゼとは、育児によって不安定な気持ちが膨らみ、イライラや無気力など精神的な不調が起こること。育児の不安が原因でノイローゼの状態になったとしても、本人には自覚がないケースも。気づかない間に、育児ノイローゼが長期化、悪化する傾向もあるそうです。下記に、育児ノイローゼの特徴的な症状8つをまとめました。
当てはまるものがないか、チェックしてみましょう。

気持ちが抑えられないほどイライラする

子どもの寝起きが悪い、着替えに時間がかかる、おもちゃが散らかりっぱなし…。子育て中のママやパパは、ストレスがいっぱいです。そして育児ノイローゼになっていると、これまでは気にしなかった小さなことにも、イライラして怒鳴ってしまうことも。

悲観的になる

いつもだるさを感じて、憂鬱な気分から抜け出せません。夜泣きが永遠に続くように感じて、自分自身を責めてしまったり、自分が母親失格・父親失格に思えたりします。

無気力になる

ぼーっとしてしまい、何もかもが億劫になってしまいます。シンクに洗い物が溜まっていたり、子どもが食べ残したお皿を1日中テーブルに置きっぱなしにしたり。キッチンやリビングが散らかっていても、片づける気力がわいてきません。

無関心になる

芸能人やデザートなど、今まで好きだった人やモノ、趣味に対して興味を失ってしまいます。

子どもを可愛いと思えない

疲労から、子育てに関しても無気力に。可愛いはずのわが子に対して、お世話をしたいと思えないなど、関心がなくなります。子どもを愛せない自分を「子育てをする資格なんてない」と感じてしまいます。ひどくなると、子どもへのネグレクトや虐待を引き起こすことも。

引きこもりがちになる

外出する気力がわかなくなり、家に閉じこもるようになります。自分と子どもだけの世界に閉じこもって、社交性が低下。外部との接触が減り、症状が悪化することも。「生きているのがつらい」と思うまで、気持ちが落ち込む人もいるそうです。

眠れなくなる

子どもにかかりきりになり、睡眠などの生活サイクルが狂ってしまい、慢性的な睡眠不足に。身体が疲れていても眠れなくなったり、神経が高ぶって寝つけなくなったり…など。不眠の症状があらわれるようになります。

食欲がない・過食してしまう

食べることに対して意欲がなくなってしまう、または必要以上に食べ過ぎてしまうなど。ストレスから、食のコントロールができなくなってしまうことがあります。

こんなタイプの人は、気をつけて

育児ノイローゼは誰もがなる可能性がありますが、なりやすい人の傾向があるそう

育児ノイローゼは誰もがなる可能性がありますが、なりやすい人の傾向があるそう。精神的に追い詰められやすいタイプは、どのようなタイプでしょうか?下記に、育児ノイローゼになりやすい人の特徴をまとめました。

完璧主義タイプ

「子どものために作ったのにゴハンを食べない」「子どもが言うことを聞いてくれない」など。自分の理想とする育児ができないことがストレスになってしまいます。「完璧にやりたいのにできない」と思い詰めて、自分がダメな人間に思えてしまいます。

真面目タイプ

真面目な性格のママやパパほど、自分自身の心身の疲れをものともせずに子育てに一生懸命。夜泣きがひどくて寝られずに、寝不足状態が続いているママやパパも。育児に全力投球してきた結果、育児ノイローゼを発症してしまいます。

孤軍奮闘タイプ

子どもと過ごす時間が増えて、「この世に私と子どもだけかも」と孤独を感じる方もいるそう。パートナーの協力が得られず、実家の親にも頼みづらく、周りに相談できる人がいない…。ワンオペ育児で子どもと向き合う状況で、肉体的にも精神的にも負担が大きくなります。

強がりタイプ

悲鳴をあげるほど心身が疲れ切っているのに、人に弱みを見せるのが苦手なタイプ。不調のシグナルを無視して1人で強がってしまうと、本格的な育児ノイローゼになってしまうかもしれません。

ストレスため込みタイプ

子どもに振り回され、パートナーの理解も得られない。育児ストレスは、誰もが感じるものです。たまには子どもと離れたり、家事を手抜きしたりなど、頑張らない時間も大切ではないでしょうか。ストレス発散ができないと、感情が爆発してしまいますよ。

育児ノイローゼとの向き合い方

「産後うつ」は一過性のケースが多いですが、育児ノイローゼは2〜3歳のイヤイヤ期に発症して、そこから続いてしまうことも。子どもの癇癪(かんしゃく)が引き金となって、「何もかも、もうイヤ!」と、ストレスを感じるようになります。そして、子どもが保育園・幼稚園や学校に行く年齢になると、集団行動でのストレスが生まれます。他のママや他の子どもと比べて、自分の育児に自信をなくすケースもあるようです。

情緒不安定は女性ホルモンの乱れ?

女性が育児ノイローゼを引き起こす原因のひとつは、妊娠・出産による女性ホルモンの急激な変化という説も。昼夜関係なく、疲れ切った身体で育児を頑張っているママたち…。体力が消耗した身体は、女性ホルモンのバランスを崩しやすいと言われています。そのため、女性が強いストレスを感じるのは珍しいことではありません。

男性の育児ノイローゼも

育児ノイローゼは女性だけのものではありません。子育てのプレッシャーや慣れない家事・育児と仕事との両立で、男性も大きなストレスを抱えます。男性は、女性のようにママ友をつくったり、コミュニティをつくったりするのが苦手なため、悩みを一人で抱えてしまうケースも多い傾向があります。

育児の不安は誰もが悩むもの

ノイローゼと聞くと、神経質 な人がなるイメージがあります。ですが、とあるデータによると、およそ2人に1人のママが育児ノイローゼになると言われているそう。「私はネガティブじゃないし、落ち込みやすくないし大丈夫」と思っている人でも、誰もが育児ノイローゼになる可能性があります。どうか、自分は母親失格なんて思わないでくださいね。
男性にとっても、慣れない育児に戸惑うのは当たり前のことです。

あなたならではの「育児」で大丈夫

親に頼れる・頼れない、パートナーに頼れる・頼れない、仕事の状況など、置かれている環境は人それぞれです。自分ができないことを辛く思うより、できていることに目を向けて、自分を褒めてあげて。育児ノイローゼを悪化させないためには、「たまには適当でいいか」という気持ちも大切。理想の育児を追い求めたり、完璧にこなそうとしたり、自分を責めないようにしましょう。

育児ノイローゼを経験した方の声

第2子が生まれ、子どもは昼夜を問わず泣き通し、上のお姉ちゃんは赤ちゃん返りでずっと私にくっついて、お家のことが全くできません。睡眠時間がとれないのもそうですし、トイレに行くのもままならない生活。
夫が仕事から帰ってきたときに「なんでこんなに散らかっているの?」と言われた言葉に涙が止まらなくなりました。生きている意味が分からないくらい落ち込んでいた、あの時は本当に暗黒時代…夫との話し合い、協力してもらいながら、今は子どもが保育園にあがり、ずいぶん楽になりました。でも、あの時夫に言われた言葉は今でも忘れません。(39歳・女性)

子どもが生まれてから、思うような子育ても家事もできず、毎日が辛く、ご飯もうまく食べられなくなってしまいました。夫に病院の受診をすすめられ、薬とカウンセリングをおこない、少しずつ回復。あの時はずいぶん夫に助けてもらい、感謝しています。娘は小学校にあがり、まだまだ悩みはあるものの、今は子どもの成長に喜びを感じています。(42歳・女性)

ずっと待ち望んでいたわが子の誕生なのに、毎日毎日泣く子に対してずっと自分が責められているような気持ちになっていました。両親は他界、義父母は遠方に住んでいて頼ることができず、夫は長期出張が多い仕事で、月に数日しか帰ってくることがありません。
ひとりで子どもに向き合う不安と辛さで心と体がつぶれそうになっていた時、近くの子育て支援センターで話を聞いてもらいました。そこで、たくさんのママとも話をすることで、みんな同じように大変な思いをしていることが分かり、心が軽くなりました。(32歳・女性)

人によっておかれている環境も状況はさまざま。比較もできないですし、こうすればいい!の絶対的な解決方法もありません。ただ、誰かに頼る、何かに頼る、自分にできる何かを参考にしていただけたらと思います。

病院に行く目安は?

自分やパートナーが育児ノイローゼになっているかも…と、気になる症状が少しでもある場合は、お世話になった産婦人科や、心療内科などに相談することをおすすめします。
市販の薬などで対処しようとする方もいるかもしれませんが、授乳中には基本的に市販の薬はおすすめできません。必ず専門家に相談するようにしましょう。
もし、病院受診はハードルが高いという場合は、お住まいの自治体の専門窓口に相談するのも方法の一つです。
自治体には、育児中のママやパパをサポートしてくれる専門の窓口があり、カウンセラーや保健師など、専門家が相談に乗ってくれるはずです。

最後に

育児ノイローゼは、自覚がないまま、起きるケースがほとんどのようです

わが子といえども、自分とは別の人格を持った人間です。思い通りにいかないことも多く、育児でストレスを抱えるのは当然。育児ノイローゼは、自覚がないまま、起きるケースがほとんどのようです。完璧な育児は、存在しません。子どもの育ち方はそれぞれです。
思い当たる症状があるようなら、家族や友人など近くの人に相談してみてください。誰かに話を聞いてもらうこと、相談して共感されるだけでも悩みは軽くなりますよ。1人で抱え込まないことをおすすめします。

※当サイトにおける情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする場合は、適切な医療機関での受診をおすすめします。

文:林日向子

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