今回から、名古屋市にある書店「文喫 栄」の協力のもと、お子さんに贈りたい本や、親子で読みたくなる本を紹介する新たな連載をスタートします。
いよいよ始まった新学期。進級や進学で環境が変わり、友だちづくりにはげむお子さんを見守っているパパ・ママも多いのではないでしょうか。友だちの大切さを知ってもらうため、新たな1年のはじまりに、お子さんへ本のプレゼントをしてみてもいいかもしれません。
文喫 栄で児童書コーナーを担当する、木下真紀さんのコメントもあわせてお楽しみください。

文喫 栄
2024年4月、名古屋・栄の中日ビル2階にオープン。雑誌や小説、絵本、ビジネス書から専門書まで幅広いジャンルを取りそろえ、入場無料の本屋エリアでは気軽に立ち寄って本を購入できる。有料の大喫茶ホールエリアでは、フリードリンクや喫茶メニューを楽しみながら約3万冊の本が読み放題で、自由に楽しむことができる。
※本の画像をクリックすると出版社のサイトに移ります
新学年のスタートに贈りたい本
「さかなくん」
作・絵:しおたにまみこ
出版社:偕成社
価格:1430円
発売日:2022年5月
人間も魚も犬も猫も一緒に学校へ通う、ちょっと不思議な世界が舞台。「さかなくん」のごく普通の日常を通じて、みんなちがってあたりまえ、という温かなメッセージが伝わってくる絵本です。
さかなくんは、水の「外」のさまざまな生き物が通う小学校に通っています。 だから、表紙の姿のように重装備なのです。
ある日、さかなくんは大嫌いな体育の授業で転んで、落ち込んでしまいます。 しかし、友だちが見事に助けてくれたことで、再び元気を取り戻します。その姿に、読んでいるこちらも優しい気持ちになります。
学校とは、同じ場所で過ごす中で、まわりに合わせたり工夫したり、お互いにないものを補い合ったりしながら、認め合って生きていくことを学べる場所なのかもしれません。 そう考えさせられる1冊です。
落ち着いた色彩と繊細に描かれた絵が、本当に美しい作品です。
「教室はまちがうところだ」
作:蒔田晋治/絵:長谷川知子
出版社:子どもの未来社
価格:1650円
発売日:2004年5月
教師・蒔田晋治さんが、担任するクラスの生徒に向けて学級新聞に書いた詩を絵本にした1冊。全国の学校で長く読み継がれ、韓国や中国でも広く親しまれているロングセラーです。
みんなの前で手を挙げて発表する時のドキドキ。 当てられた瞬間、頭が真っ白になって「忘れました」と言ってしまったり、自信がなくてぼそぼそ話してしまったり……。 子どもの頃、誰もが経験したことがありますよね。
大人になった今、思うのは、子どものうちに、たくさんの失敗や恥をかく経験をしてほしいということです。 そうした経験を繰り返すうちに、少しずつ言いたいことが言えるようになっていくでしょう。
『教室はまちがうところだ』は、「まちがっていい!!」「まちがえるのがあたりまえ!!」と力強く語りかけてくれる絵本です。
読み終えたあと、心がふっと軽くなるような1冊。 みんなで、そんな教室をつくっていけたら素敵ですね。
「おともださにナリマ小」
作:たかどの ほうこ/絵:にしむら あつこ
出版社:フレーベル館
価格:1540円
発売日:2005年5月
人間と友だちになりたいキツネたちが奮闘して書いた手紙の文面「おともださにナリマ小」がそのままタイトルになった絵本。ワクワクとほっこりが交互にやってくる、新学期に読みたい作品です。
へんてこなタイトルに興味をひかれますが、人間の子どもたちとキツネたちが、少しずつ心を通わせていく、不思議であたたかい友情の物語です。
1年生になったばかりのハルオは、ある日、きつね小学校に迷い込んでしまいます。そこで行われていた授業はどこかおかしく、それでいてワクワクさせられます。読み終えたあとには、「こんな小学校があったらいいな」と楽しい気持ちになります。
鏡文字やカタカナ、漢字が入り混じった文章からは、漢字を習いたての子どもが一生懸命書いている様子が伝わってきて、思わずほっこりします。
謎解きの要素もあり、読み進めるのが楽しい一冊です。
最後に
新学期をむかえたばかりの、お子さんの背中をそっと押してくれる3冊を紹介しました。本の言葉が、新しい一歩を踏み出すお子さんの力になれば嬉しいです。
この記事は「文喫 栄」の協力のもと、作成しました。


