子どもが宿題をやらず、頭がいたい親御さんも多いのではないでしょうか。
「宿題やったの?」と声をかけても、生返事が返ってくるばかり。
そんな子どものやる気を引き出すにはどうしたらよいのでしょうか。
学童の現場で日々子どもと接する「学童かざみどりKids」を主宰する中村さんに声がけのポイントを伺いました。
学童かざみどりKids主催:中村美帆
学童では声がけをしながら環境を整えることに重きを置き、あくまで自主性を尊重しています。そうすることでほぼ全員の子が、自らの意思で宿題に取り組んでいます。
子どものタイプ別の声がけ
遊びたくて宿題に手がつかない子へ
「宿題が終わったら、一緒に○○しよう!」
宿題が終わったらこんなことができるという、宿題が終わったあとのイメージを膨らませてあげています。
宿題に苦手意識がある子にとっては「終わったら楽しみが待っている!」とわくわくした気持ちで宿題に取り組んでくれています。
自信がなく勉強に前向きになれない子へ
「宿題、こんなにうまくできるんだねー!すごい!」
過去の宿題を確認し、できたことを褒めます。
頑張ったことを褒め、自信を持たせてあげましょう。
頑張って取り組んだことに対して認めてもらえて嫌な気になる子はいないはず。大好きなお父さん・お母さんなどから褒められるとやる気アップに繋がる子も多いです。
抽象的な言葉で褒めるよりも、この字のこんなところがすごく気を付けて書けているなど、具体的な部分を褒めてあげるのがポイントです。
集中して短時間で取り組む子へ
「これってどうやって書くの?どんな答えなんだろう?」
分からないから教えて!というスタンスで子どもに聞いてみる方法です。
なぞなぞが好きなタイプの子や、短期集中型のタイプの子はこの方法でパパッと取り組んでくれる子も多いですよ。
宿題に時間がかかってしまう子へ
「スイッチオン!10分タイマーで頑張ろう」
学童では、宿題に時間がかかってしまう子に応じてタイマーを使用することもあります。短い時間で区切ったり、時間を意識させたりすることでダラダラやるのを防ぎます。
タイマーは時間の上手な使い方にも繋がるので、ご家庭でもぜひ参考にしてみてください。
気を付けたい声がけのタイミング
声がけのタイミングも重要だと感じます。
「宿題しなさい!」と自分が気になったタイミングで声をかけてもうまくいかないことも多いもの。
大人のタイミングではなく、子どもの様子をよく観察してみてください。遊びや今作業していることの区切りがついたところを見計らって声をかけます。
子どもが何かに集中しているときは、中断するような声がけは避けた方が無難です。何かに集中しているときに声をかけられても、すんなり行動にうつせないのは大人も同じではないでしょうか。
その子のタイミングを「待つ」よう意識すると、上手くいくこともありますよ。
そのうえで、他の子と比べたりせず、今できたことを認めてあげます。
その小さな積み重ねがきっと、自信ややる気に繋がっていきますよ。
最後に
親としては、継続して主体的に宿題と向き合ってほしいもの。
子どもたちは、自分にとって必要だと理解すれば自然と取り組むことができます。
学童で大切にしているのは、最後までやり切る力など、宿題に向かう姿勢です。
宿題に取り組むことで学習力はもちろん、継続力・集中力などの非認知能力も同時に備わっていくと感じています。
声がけをうまく活用しながら子どものやる気を引き出してあげられるとよいですね。
文:中村美帆
大手金融機関にてファイナンシャルプランナーを経験。
食育インストラクター、食生活アドバイザー、ジュニアアスリートフードマイスター。
子育て支援団体「ガレット」を立上げ、親子おやつ教室やイベント企画、子ども食堂を主宰。
2021年より、子どもと地域の未来を見据え、合同会社BASE ONを設立。
2023年4月より学童保育施設「かざみどりKids」を開設。
三児の母。三重県伊勢市出身。