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いよいよゴールデンウィークが始まりました。休暇中、お家でのんびり過ごす日があれば、好きなお菓子や飲み物を用意して、家族で映画鑑賞をしませんか?
今回は家族みんなが一緒に楽しめる作品を、映画好き編集者がセレクトしました。おすすめコメントとともに3作品を紹介します。

推薦者:星川侑菜(ほしかわ・ゆな)さん
東海エリアの情報誌「KELLY」の編集者。日課は週末の映画鑑賞。幼少期はディズニー系などのファンタジー映画を見て過ごし、現在はコメディからホラーまで、ジャンルを問わず気になったものはなんでもチェックしている。
子どもと大人が一緒に楽しめる
「ビッグ」
©️1988 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
製作国:アメリカ
上映時間:104分(カラー)
監督:ペニー・マーシャル
脚本:ゲイリー・ロス、アン・スピルバーグ
出演:トム・ハンクス、エリザベス・パーキンス、ロバート・ロジアほか
ここが好き!
12歳の子どもが、突然30歳の大人に変身してしまい、大人のふりをしながら過ごし、成長していくファンタジーコメディ。純粋な子どもの心だからこそ響く温かいセリフや表現などが多く、大人になると忘れてしまう「大切なこと」を思い出させてくれます。そして、少年時代の親友や、大人として出会う人たちとの人間関係も見どころです。
子どものころ、「早く大人になりたい」と願った人もいるかもしれませんが、あの時間はかけがえのないものなのだと、この映画は教えてくれます。子どもにとっては普通のシーンでも、大人にとってはその捉え方に違いがあるはず。今回だけでなく、ぜひ10年後にもう1度、家族で見返してみてください。私自身、「子どものころにも見ておきたかった」と後悔しています。
こんなところがおすすめ
少しだけ恋愛のシーンがあるので、小学校高学年~中学生以上向けです。
約100分の映画ですが、展開がスムーズなので長さは気になりません。子育てや仕事で忙しい毎日を過ごしているからこそ、子どもの時のトキメキやひらめきを思い出させてくれるシーンが響きます。ちょっと泣けるシーンが随所にあるのもポイントです。
大人にも刺さるメッセージがたくさん詰まっているのも本作の魅力。映画を見た後は「もっと自由に。もっと柔軟に考えなくては」と思わされます。
小学生でも楽しめる原作の入口に
「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」
©2019 Columbia Pictures Industries, Inc., Monarchy Enterprises S.a r.l. and Regency Entertainment (USA), Inc. All Rights Reserved.
製作国:アメリカ
上映時間:135分(カラー)
監督・脚本:グレタ・ガーウィグ
出演: シアーシャ・ローナン、エマ・ワトソン、フローレンス・ピューほか
ここが好き!
1860年代のアメリカの小説で、今もなお愛され続ける「若草物語」を映画化したもので、四姉妹それぞれの人生が描かれています。これまで何度も映画化されてきた作品ですが、この2019年版は、過去(姉妹が一緒に暮らしていた時代)と、現在(主に長女をフォーカス)が交差しているのが特徴で、彼女たちの気持ちに思わず感情移入してしまいます。
160年近く前に生まれた物語ではありますが、恋愛・仕事・友情・家族のきずななどにまつわる葛藤は、時代背景にかかわらず、「人生の選択肢」として学ぶことが多いです。特に、長女・ジョーが“恋や結婚よりも、本を出版する”という夢に向かって生きる姿がとても心に残りました。
その他の姉妹も「素敵な家庭を持ちたい」「芸術と経済的安定の両立を目指したい」とそれぞれ異なる価値観を持っているのが印象的。「どの生き方も間違っていない」というメッセージが込められており、進路に迷っている子どもにもおすすめしたい作品です。
私自身、初めてこの作品に出合ったのが大人になってからでしたが、小学生のうちに知っておきたかったなと思いました。
こんなところがおすすめ
原作は、絵本など小さなお子さんでも読みやすいものが出ています。年齢を問わず、映画を見てから原作への興味もわいてくるのではないでしょうか。
また、子どもと親の視点で、まったく違った感動が味わえるのがこの作品の面白いところです。ママも毎日の子育てや日常生活でさまざまな悩みがあると思いますが、この作品は生き方や価値観についても深く共感できるシーンやセリフがたくさんあります。親として、1人の女性としての「自分らしさ」を再確認させてくれるはずです。
見た後の会話が盛り上がる!
「ナイトミュージアム」
© 2006 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
製作国:アメリカ
上映時間:108分(カラー)
監督:ショーン・レヴィ
脚本:ロバート・ベン・ガラント、トーマス・レノン
出演:ベン・スティラー、カーラ・グギーノ、ロビン・ウィリアムズほか
ここが好き!
多くの人が子どものころに「夜になると、おもちゃが動き出す」というエピソードを想像したことがあるのではないでしょうか。“夜になると魔法の力によって、博物館の展示物が動き出す”物語によって、当時のワクワク感や憧れと一緒に、そのエピソードが呼び起こされます。
生きた時代が異なる偉人や民族同士(いずれも展示物)の会話に生じるジェネレーションギャップも面白く、思わず笑ってしまう場面が盛りだくさん。親子で話をしながら見るのもおすすめです。
私自身は、子どものころにこの作品を見ました。主人公・ラリーと展示物たちが協力するシーンは特に印象深く、友情が芽生えた展示物たちのために、ラリーが勇敢に奮闘する姿は「誰かのためにこんなにも一生懸命になれるんだ!」と、子どもながらにかっこいいと思いました。
こんなところがおすすめ
小さい子どもでも飽きないテンポの良さがあり、主人公と息子の親子関係や、前述のような展示物たちとの友情など、人間関係に心が温まるストーリーです。大人が見ても力を合わせることの大切さを教えてくれる作品です。
個性的なキャラクター揃いなので、見た後に「どのキャラが好き?」と話しても盛り上がるはず。実際に博物館などを訪れた際に「もしあの展示物が本当に動き出したら?」と想像しながら回るのも楽しいですよ。
また、この作品は3つのシリーズがあり、それぞれ実際にある博物館がモデルになっています。モデルとなった博物館を調べると、さらに知見も深まりおすすめです。
最後に
親子で同じ作品を見ても、子どもと大人で心に響くシーンが違ったり、メッセージの捉え方が異なったりします。見た後に感想を話し合ってみると、お互いにとって意外なコメントが聞けるかもしれません。ぜひ鑑賞後のアフタートークも楽しんでみてくださいね。
文:森下右子