「ゲームばかりしたがる息子に困っています」

3人の子どもを育てるママでもあるラジオDJの堀江美穂さんが、読者のみなさんからのメッセージにお答えします。

読者からのメッセージ

読者（47歳、女性）の方から

夫と中2の長女、小5の長男、私（母親）の4人家族です。

長男は大のゲーム好きで、家では「土日に1時間ずつ」というルールでスマホゲームをさせていました。でも、「それじゃ足りない」という息子と毎日のように言い争いになり、今では「1日に30分まで」となっています。

学校から帰って来たら、1分もしないでお友達の家に飛んで行き、門限ギリギリまで3時間でも、4時間でもゲームをしています。さらに、学校用のタブレットを家でもこっそり開き、授業で作った自作のゲームをしていることも。先生に相談しても、「今の子は、昔は習わなかったようなことを学んでいる」「ゲームの時間は家庭で指導してもらいたい」という返事で困ってしまいます。

ゲームから学べることは何もなく、ただその場の快楽が味わえるだけ。このままでは、努力し続ける姿勢や辛くても頑張る精神的な強さが身に付かないと心配しています。どうして、こんなにゲームをしたがるのでしょうか？

堀江さんのメッセージ

子どもがゲームばかりしていて、勉強をしない。これって永遠のテーマですよね。どこの家庭にもある問題だと思います。うちの場合、小4の長男がよくサッカーゲームをしていますね。

ゲームって本当によく出来ていて、1度やり始めると、「もっとやりたい！」となる仕掛けがたくさん仕込まれているんですよ。「このステージをクリアしたら、全部のアイテムがそろう」とか、「ここで中断したら、また始めからやり直し」とか。なので、なかなかやめられない息子さんの気持ちも分かります。

子どもが「公園で友達と遊んで来る」と言って出掛けていったので、走り回って遊んでいるかと思ったら、公園で集まってゲーム機で遊んでいる。そんな光景もよくありますね。今の子どもたちにとって、それくらいゲームが重要なコミュニケーションツールになっているのだと思います。

だからと言って、無制限にやらせるわけにはいかないので、わが家でも見守り設定（保護者による使用制限）をして、1日のプレイ時間を制限しています。また、知り合いのお宅では、「勉強した時間と同じ時間だけゲームできる」と決めているそうです。

いずれにしても、ポイントは親が作ったルールを一方的に押し付けるのではなく、親子で話し合って、お互い納得のいくルールを決めることです。お子さんが自分で考えることで自主性が保て、自分で決めたことなので守りやすくなります。しっかりと話し合い、お互いの信頼関係を築いたうえで納得するルールを考えてみてください。

何より、ゲームってそんなに悪いものじゃないですよ。eスポーツも盛り上がっていますし、お母さんもぜひ1度やってみてください。ゲームをきっかけに、「〇〇っていうキャラクター、かっこいいよね！」とか、「あのステージは難しかった～」とか、お子さんと共通の話題で盛り上がれるし、何より、息子さんが夢中になる理由が分かると思います。

「ゲームから学べることは何もない」とおっしゃいますが、ゲームってものすごく忍耐力や思考力が必要なんです。ゲームによっては他のプレーヤーと協力して、いろいろな試練をクリアしながら、ゴールを目指すものもあり、それには想像力やコミュニケーション能力なども必要とします。お母さんの言う、努力し続ける姿勢や辛くても頑張る精神的な強さは、ゲームからでも十分に学べる機会があると思いますよ。

息子さんは自分で作ったゲームでも遊んでいるんですね。自分で作っちゃうなんて、すごいことです。先生の言う通り、今の子どもたちは、親世代では考えられなかったことを学んでいます。それを受け入れて、「すごいね！」「お母さんもやってみたい」と、たくさん褒めてあげてください。そのうちゲームをするだけでなく、作ることにも興味を持ち、将来の夢につながるかもしれませんよ。子ども向けのプログラミング教室に通わせてみるのもいいですね。

お子さんにとってゲームは単なる遊びではなく、友人関係を構築するためのツールでもあるはずです。それなのに「ゲームをやめさせること」を目的にしては、親子の信頼関係まで崩れてしまうかもしれません。それだったら、今はルールのもとで、思いっきりゲームを楽しませてあげることも大切ではないでしょうか。

わが家の高1の長女も小学生の時はよくゲームで遊んでいましたが、今は部活や友だちとのおしゃべりの方が大切になり、ほとんどしなくなりました。こんなに夢中になっているゲームも、ほかに興味のあることを見つけたら、親が驚くほどに見向きもしなくなるかもしれませんよ。

 

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