「努力しているのに成績が伸びない」原因は量だけではなく、方向と習慣にあった【親子でひらく学びの未来】

「努力しているのに成績が伸びない」原因は量だけではなく、方向と習慣にあった【親子でひらく学びの未来】

中学生は、中間テストの結果が返ってきた頃でしょうか。「頑張ったのに思ったほど点数が上がらなかった」と感じているご家庭もあるかもしれません。結果が出ない原因は、必ずしもお子さんの努力不足とは限りません。むしろ毎日勉強している子ほど、自分の勉強法のズレに気づきにくいことがあります。

今回は、成績差を生む「努力の方向のズレ」と、家庭でできる習慣の見直し方をお伝えします。今日からすぐ試せるチェックリストも用意しましたので、ぜひ最後までお読みください。

学習塾経営者・講師 加藤教子(かとう・のりこ)

愛知県出身。名古屋市千種区で「かとうのりこ進学教室」を主宰。25年以上にわたり小中高生の個別指導に携わり、中学受験から大学受験まで、医学部や東大・京大・早慶など難関大学への合格実績多数。総合格者数700名以上。一人ひとりの個性や家庭環境に寄り添い、偏差値20~30アップも実現する指導法で、多くの保護者から信頼を得ている。

あなたのお子さんは?

第8回 親子でひらく学びの未来

上のチェックリストに、当てはまる項目はありましたか?

頑張っているのに成績が上がらないとき、原因は必ずしも「勉強量が足りないこと」だけではありません。努力の方向や学習習慣に目を向けてみることも大切です。実際に成績を伸ばしている子は、問題を解いて終わりではなく、「その日のうちに振り返る」「間違えた問題をそのままにしない」「できるまで確認する」といった小さな習慣を毎日積み重ねています。

一方、解いたら終わり、丸付けをしたら終わり、次のページに進めたら終わりになっている場合は、なかなか結果にはつながりません。チェックリストに1つでも当てはまる場合は、やり方を見直すタイミングです。

努力の量より、方向が大事

「頑張っているのに結果が出ない」という場合、努力の方向や学習習慣に改善の余地があるかもしれません。宿題はこなしているのに復習をしていない、問題を解いたら丸付けだけで終わっている、間違えた問題をそのまま。これでは、どれだけ時間をかけても定着にはつながりません。

目に見えにくい日々の小さな習慣の差が、じわじわと成績の差になっていきます。授業が終わったその日に5~10分、教科書を見返すだけでも、積み重ねると大きな差になります。

大切なのは「どれだけやったか」ではなく「何ができるようになったか」です。間違いを指摘するより、「もう少しよくなる余地がある」という視点で見てあげると、子どもも前向きに取り組みやすくなります。

見えない習慣が、成績を分ける

毎日勉強しているのに、なかなか結果につながらない生徒がいました。本人は問題を解くことが中心で、できるようになるまで取り組む習慣が十分ではありませんでした。

そこで「間違えた問題は、必ずもう1度解くようにする」という1点に絞って取り組んでもらいました。解き直しや振り返りが十分にできていなかった状態から、1度立ち止まって考える習慣が身につき、点数が安定。結果が大きく変わっていきました。

特別な勉強法を取り入れたわけではありません。日々の小さな習慣を見直したことが結果の変化につながりました。

家庭でできる習慣の見直し方

では、どこから変えればよいのでしょうか。ポイントは3つです。

1つ目は、宿題が終わったら、その日に習った内容を5~10分見返すこと。教科書やノートをざっと見直すだけで十分です。難しく考えなくて大丈夫。この小さな積み重ねが、定着の差を生みます。

2つ目は、週に1度だけ間違えた問題をまとめて解き直す時間と、勉強のやり方を一緒に振り返る時間をつくること。毎日でなくていいのです。週1回の習慣が、着実に結果へとつながっていきます。

3つ目は、勉強のルーティンを子どもと一緒に決めること。親が一方的に決めると続きにくいですが、子ども自身が決めたルールは守ろうとします。「ご飯のあとに30分」など、小さなルールから始めてみてください。また、食卓で「今日何ができるようになった?」と聞いてみるのもおすすめです。内容がわからなくても構いません。関心を持って聞いてあげるだけで、子どもの学びへの意識は変わります。

やってみよう! チェックリスト

第8回 親子でひらく学びの未来

チェックリストの項目を意識しながら、できそうなものから取り入れてみてください。

まずは1つだけで大丈夫です。全部やろうとしなくても構いません。1つでも「あれ? ここができていなかったかも」と気づくことが、大きな変化のきっかけになります。

次に、週1回だけ間違えた問題をまとめて解き直す時間と、やり方を一緒に振り返る時間をつくってみてください。毎日でなくていいのです。この小さな積み重ねが、着実に結果へとつながっていきます。

また、問題集はあれこれ手を出すより、1冊を繰り返してやり切る方が定着しやすいです。新しいものを買う前に、今持っているものをもう一周してみるのもおすすめです。

少し、考えてみませんか?

第8回 親子でひらく学びの未来

「頑張っている」という事実は、成長の土台になっています。ただ、その努力が結果につながる方向に向いているかどうかは、別の問題です。

大きく変える必要はありません。毎日の小さな習慣を少し見直すだけで、積み重ねは確実に結果へと変わっていきます。お子さんの勉強の中身に、ちょっと目を向けてみてください。それだけで、これまでの努力が結果へとつながっていきます。

次回も、子どもの学びに寄り添うヒントをお届けします。ぜひ「一言ボックス」に感想や気になることをお寄せください。

前回の記事にお寄せいただいたコメントにアンサー!

「親子でひらく学びの未来」、第7回の記事にたくさんのコメントをお寄せいただき、本当にありがとうございました。みなさんにいただいた疑問・質問に、加藤先生がお答えします。

―「わかったつもり」の先に、親ができること―

Q.

間違いが成長のきっかけになるとわかっていても、どうしてもマイナスに感じてしまいます。プラスに受け取るためには、どうすればよいでしょうか?

A.保護者も子どもも、「間違える=できていない」と感じやすいものです。
ただ、実際には、成績が伸びる子ほど“間違えたあと”の向き合い方が変わっていきます。

最初から全部できる子はほとんどいません。むしろ、「なぜ間違えたのか」「次はどうすればいいか」を考えながら直していくことで、少しずつ力が定着していきます。大切なのは、間違えないことではなく、“間違いをそのままにしないこと”です実際、伸びる子は、最初からミスが少ない子というより、「間違いを放置しなくなった子」です。

間違いは、“できていない証拠”ではなく、「ここを直せば伸びる」というサインでもあります。全部を前向きに考えなくても大丈夫です。まずは、「間違い=悪いこと」だけではない、と少し見方を変えてみることが、成長につながる第一歩かもしれません。

今後もお答えしていきますので、子育てや勉強のことで「これでいいのかな?」と感じたことがあれば、ぜひ「一言ボックス」にお寄せください。

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