梅雨に入り、雨音とともに過ごす時間が増えるこの季節。外で遊べない日が続くと、お子さんも少し退屈そうにしていませんか。そんなときこそ、本のページをめくる楽しさを伝える絶好のチャンスです。
先日実施した読書習慣についてのアンケートによると、小~中学生のお子さんはマンガに夢中という声が圧倒的。「小説にも親しんでくれたら」と願う親御さんも多いようです。今回は、活字に慣れていないお子さんでも読みやすい、はじめての1冊にふさわしい作品を選びました。
名古屋市の書店「文喫 栄」で児童書コーナーを担当する、木下真紀さんのコメントもあわせてお楽しみください。
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小学生におすすめの小説
「放課後ミステリクラブ」
作:知念実希人 絵:Gurin.
出版社:ライツ社
価格:1320円
発売日:2023年6月
学校で起きた2つの謎を個性豊かな小学生3人組があざやかに解き明かす本格ミステリー小説です。
ミステリー作家の知念実希人さんが、「読書の楽しさを知って欲しい」と大人の小説と同じ手法で書いたというだけあってトリックは本格的。
あちこちに伏線があり、読者が自分で推理できる構成になっているため、伏線回収の気持ち良さをきっと味わうことでしょう。
あとがきには、知念実希人さんが読書の楽しさを知った子どもの頃のきっかけや、子どもにおすすめの児童書ミステリー小説も紹介されています。
この本がミステリー好きの人生への一歩になるかもしれません。
「やらなくてもいい宿題」
作:結城真一郎
出版社:主婦の友社
価格:1320円
発売日:2024年8月
算数と謎解きが見事に組み合わさった、謎の転校生の秘密に迫る物語です。
自分の話を絶対にしない謎めいた転校生ナイトウさんが、「この問題を解けたら質問に答えてあげる」と言って、算数が大得意な数斗に問題を出します。
その問題には公式に当てはめるだけでは解けない「ひっかけ」や「盲点」が仕込まれており、数斗はまんまと裏をかかれてしまいます。
果たして数斗はナイトウさんの秘密を解き明かせるのか?
算数は得意だけど、「本を読まない」お子さんに悩む保護者の味方になるかもしれません。「読むこと」の面白さが味わえ、家族みんなで楽しめます。
中学生におすすめの小説
「君の顔では泣けない」
作:君嶋彼方
出版社:角川文庫
価格:858円
発売日:2024年6月
ある日突然、クラスメイトの女子と体が入れ替わってしまった男子高校生が、もとに戻れないまま15年間、「他人の顔」で人生を送ることになる、ちょっと切なくてリアルな青春小説です。
高校1年生の陸とまなみは、ひょんなことから体が入れ替わってしまいます。小説の定番ネタともいえる男女の入れ替わりですが、本書の面白いところは、もとの体に戻ることなく15年の月日が流れてしまうところです。
その間、入れ替わったことを隠したまま、進学、就職、結婚、出産、親との死別といった人生における数々の節目を迎えることになるのです。
すんなりと現実を受け入れて適応していく“陸になったまなみ”と比較して、“まなみになった陸”は強い不安や戸惑いを感じていますが、それでも懸命に生きる姿に胸を打たれます。
「自分の人生を自分らしく生きる」ことについて、深く考えさせられる1冊だと思います。
最後に
雨の日は、子どもが新しい物語と出合う特別な時間。今回紹介した3冊が、お子さんにとって「読書って楽しい!」と感じる、はじめの一歩になればうれしいです。
この記事は「文喫 栄」の協力のもと、作成しました。

文喫 栄
2024年4月、名古屋・栄の中日ビル2階にオープン。雑誌や小説、絵本、ビジネス書から専門書まで幅広いジャンルを取りそろえ、入場無料の本屋エリアでは気軽に立ち寄って本を購入できる。有料の大喫茶ホールエリアでは、フリードリンクや喫茶メニューを楽しみながら約3万冊の本が読み放題で、自由に楽しむことができる。

