夏休みも残りわずか。そんな時こそ読みたいのが「怖い話」や「不思議な話」ではないでしょうか。涼しい部屋で、ちょっとぞくっとする1冊に没頭する時間は、夏の終わりならではの贅沢です。
日常の中に潜む違和感や、説明のつかない出来事――。そんな物語は、読み終えたあとも心のどこかに引っかかって離れません。今回は、中・高校生におすすめしたい、怖くて不思議な3冊を紹介します。
名古屋市の書店「文喫 栄」で児童書コーナーを担当する、木下真紀さんのコメントもあわせてお楽しみください。
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背筋がゾクッ!夏に読みたい本
「むかしむかしあるところに、死体がありました。」
著:青柳 碧人
出版社:双葉社
価格:1430円
発売日:2019年4月
誰もが知る昔話の世界に殺人事件が起き、おなじみの登場人物が名探偵として謎を解いていく、昔話×ミステリーの短編集です。
この本は、誰もが知る昔話を大胆な発想でミステリーへ描き直した短編集で、「一寸法師」や「鶴の恩返し」「花咲か爺さん」など、みなさんがよく知っている話がベースになっています。
物語中で物騒な事件が起こり、そして真相が明らかになる度に昔話のイメージが大きくくつがえされることでしょう。
事件の裏にあるのは、人間の心の闇、欲望、嫉妬、裏切り。「もし本当にこんな結末だったら……」という展開に思わずゾッとしてしまいます。
読み終えた後も「めでたし、めでたし」とはならないところに怖さが残る1冊です。
「入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください」
著:寝舟はやせ
出版社:KADOKAWA
価格:1430円
発売日:2024年10月
行き場のない青年が住むことになった、とあるマンション。そこで出会った隣人が語る怪談に、日常がじわじわと侵食されていく物語です。
隣人と必ず仲良くすること――。そんな不思議な条件で、主人公・タカヒロはワケありマンションの管理人として暮らし始めます。
しかし隣に住んでいたのは、人間ではない“なにか”なのでした。その奇妙な隣人に毎晩ベランダ越しで語られる怪談に耳を傾けながら、マンションに隠された謎に迫っていきます。
不気味な存在ではあるものの、どこか愛嬌のある隣人とのやり取りに思わずクスッと笑ってしまう場面もあり、恐怖とユーモアが絶妙に入り混じる感じがクセになります。
隣人が語る怪談はしっかり怖いので、ホラーが好きな人はもちろん、少し変わった物語を読んでみたい人にもおすすめの1冊です。
「日めくり怪談」
著:吉田悠軌
出版社:集英社
価格:638円
発売日:2025年6月
「日めくりカレンダー」のような感覚で楽しめる怪談集で、7月1日から8月31日まで、62日分(全62話)の短い怪談が収録されています。
団地の封鎖された階で見てしまったものや、心霊動画に映る謎の人物、夏休みに突然姿を消した子どもなど、「もしかしたら本当にあったのかもしれない」と思わせるような物語を次々と読むことが出来ます。
どの話も数ページ、約5分で読める短さですが、そのぶん結末をすべて語りきらないので、想像する余白が残されているのが魅力。
「あれは何だったのだろう」「このあとどうなったのだろう」と想像を広げることで、怖さも倍増するのではないでしょうか。
寝る前や通学の合間にも気軽に読める、夏にぴったりの作品です。
最後に
夏休みも残りわずか。今回紹介した3冊が、今年の夏を締めくくる作品になりますように。ページをめくる手が止まらない、そんな読書体験を楽しんでくださいね。
この記事は「文喫 栄」の協力のもと、作成しました。

文喫 栄
2024年4月、名古屋・栄の中日ビル2階にオープン。雑誌や小説、絵本、ビジネス書から専門書まで幅広いジャンルを取りそろえ、入場無料の本屋エリアでは気軽に立ち寄って本を購入できる。有料の大喫茶ホールエリアでは、フリードリンクや喫茶メニューを楽しみながら約3万冊の本が読み放題で、自由に楽しむことができる。

