なぜ運動が必要?子どもの心と体を育む運動遊びや習い事とは

なぜ運動が必要?子どもの心と体を育む運動遊びや習い事とは

現代の子どもはスマホやゲーム遊びが多く、運動する機会が少なくなったと言われています。子どもの運動不足は、私たちのライフスタイルが便利になった結果、外で遊ぶ環境が減っていることにも原因が。さらに、新型コロナの影響で外出自粛が続き、子どもの体力低下も心配です。今回は、運動によるメリット、おすすめの運動遊びや習い事をご紹介します。

運動で期待できることって?

子どもの運動が大切な理由は、「神経機能(リズム感・センス)」などが、6歳頃までに約80%、12歳までに100%発達すると言われているため

子どもの運動が大切な理由は、「神経機能(リズム感・センス)」などが、6歳頃までに約80%、12歳までに100%発達すると言われているため(スキャモンの発育曲線 1928年)。小学校高学年までに、タイミングよく体を動かすために必要な「運動を調整する能力」が一気に上昇。この運動を調整する能力は、大人になっても継続するそうです。
例えば、子どもの時に自転車に乗れていると、年を重ねてからも自転車にスムーズに乗れますよね。子どもの頃の運動習慣は、大げさに言えば、今後のスポーツとの関わり方を左右するかもしれません。
スポーツ庁では、運動遊びは子どもの心身の発達に効果的であるとし、運動遊び・スポーツを推奨しています。具体的に運動遊びの効果として、どんなことを期待できるかを下記で見ていきましょう。

① 運動能力の向上

子どもの運動能力が伸びる時期は「黄金期」と呼ばれ、「プレゴールデンエイジ期/4歳~8歳頃」と「ゴールデンエイジ期/9~12歳頃」に分かれます(スキャモンの発育曲線 1928年)。

スキャモンの発育曲線

スキャモンの発育曲線

この時期の運動習慣で、体力・運動能力に差がつくと言われています。運動は、スポーツとは限りません。鬼ごっこやボール遊びなど、小さな頃から体を動かす遊びを経験することで、身体的な発達を期待できるでしょう。

② けがをしにくくなる

リズム感や力の加減をコントロールする調整能力が発達していると、新しい動きを覚えやすくなり、事故やケガを防ぐようになります。また運動不足が続くと運動機能が低下して、ケガをしやすくなるそう。コロナによる学校の臨時休校で子どもの体力低下が目立ち、学校再開後、鬼ごっこで骨折した例も見られました。

③ 精神面や礼儀など、心の成長も

集団でおこなう運動遊びを通じて、子どもたちは友達と関わりながら、コミュニケーション能力や協調性を学びます。「ルールを守る大切さ」「友達を心配する気持ち」を学ぶでしょう。2011年の文部科学省調査では、体力が高い子ほど、感情をコントロールできるという結果が出ています。スポーツ活動で先生やコーチ、先輩に囲まれる縦社会を経験して、挨拶や返事がハキハキとできるようになる子どもも。スポーツ活動は礼儀やマナーを身につける良い機会になっています。

④ 「学習」によい影響もある

運動遊びを経験することで、さまざまな能力が身につきます。例えば、「鬼ごっこ」では周囲の観察力がついたり、「おしくらまんじゅう」では友達と協力してコミュニケーションを学んだり。運動遊びで運動能力の向上だけではなく、「心」を育むことも期待できるでしょう。
スポーツ活動から学ぶ「判断力」「集中力」「勝利への執着心」などは、学習にも前向きに作用するはずです。

おすすめの運動遊び

文部科学省「幼児期運動指針」では、毎日60分以上、楽しく体を動かすことを推奨しています

文部科学省「幼児期運動指針」では、毎日60分以上、楽しく体を動かすことを推奨しています。日常の中で、気軽に楽しめる「運動遊び」を下記でご紹介します。

ゴム跳び

地域によっては「ゴム段」とも呼ばれる、ゴムを使った遊びです。ママの中には、「懐かしい」と思う人もいるのでは?細めのゴムを2か所にひっかけて、跳ぶ高さを上げていく遊びです。ママとパパの足を使ってゴムをひっかけてもいいですし、椅子の足を使ってもOK。「跳ぶ・踏む・くぐる」などの多様な動きで脚力をアップできます。

縄跳び

小学校の体育の授業の定番。体力向上のため、室内でも屋外でもできる「縄跳び」は、多くの小学校で実施されています。「縄跳び」は継続して何度も飛ぶ必要があり、集中力や忍耐力の育成にもつながると言われています。跳び続けることで、持久力や下半身の筋力アップになるでしょう。

トランポリン

飛び跳ねる反動によって全身運動になるトランポリン。膝への負担が少なく、少し跳ねるだけでも強度があり、運動が苦手なママも子どもと一緒に楽しめそうです。子どもが好きな音楽に合わせて、ぴょんぴょん飛び跳ねるだけで、気軽に運動ができます。スクワットと似た効果も期待でき、足腰強化やインナーマッスルを鍛えるのにも向いています。

フラフープ

フラフープはお尻を左右に振ることで、体幹トレーニングになります。腹筋運動のほか、姿勢改善にも効果的です。体を使ってフラフープを回せない子は、フラフープを転がして、まずはフラフープに慣れることから始めましょう。産後の体型戻りを気にしているママは、子どもと一緒にフラフープを練習してもいいですね。

子どもに人気の運動系習い事

子どもに運動習慣を身につけさせるために、習い事をさせるのもひとつの方法。下記で、子どもに人気の運動系の習い事をご紹介します。

子どもに運動習慣を身につけさせるために、習い事をさせるのもひとつの方法

スイミング

ベビースイミングのクラスから、年齢に合わせたクラスを開設している水泳教室。水泳は全身を使った運動で、筋肉のバランスを整えることができます。カラダが水温に慣れることで、免疫力が上がって風邪をひきにくくなるとも言われています。

サッカー

走り回るサッカーは、子どもの体力づくりにぴったり。野球、バスケットボール、バレーボールなどの団体スポーツは、仲間とのコミュニケーションや礼儀を学ばせたい保護者に人気です。先輩・後輩の縦社会に子どもの時から触れる経験は、社会人になってからも役立つでしょう。

ダンス

2012年から中学校で必修化されているダンス。歌や音楽に合わせて、カラダを動かすことで、柔軟性を身につけられるでしょう。楽しく踊るうちに、自然とリズム感や表現力を高められます。ダンスといっても、バレエ、ヒップホップ、チアダンスなど、種類もさまざま。
発表会などで舞台慣れすれば、度胸もつくかもしれません。

最後に

スポーツを楽しむには、小さな頃からの運動遊びが重要です

東京オリンピックが開催された2021年は、子どもにとってもトップアスリートの活躍を身近に感じられた時。スポーツを楽しむには、小さな頃からの運動遊びが重要です。そして子どもに運動遊びを習慣化させるには、ママやパパも一緒に楽しむ姿勢があるとGOOD。
ママやパパが楽しそうにカラダを動かすことは、子どもに与える影響も大きいでしょう。
大切なのは、子どもにとって難しいことをチャレンジさせるのではなく、できることで自信をつけさせること。運動遊びを日常に取り入れて、子どもが気軽にカラダを動かせる機会をつくりましょう。

文:林日向子

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