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東海3県(愛知・岐阜・三重)において、私立中学への進学熱が継続しています。2023年度の入試を振り返ると、愛知県では私立中学の受験者数(延べ人数)が2015年度から9年連続で増加。岐阜県と三重県ではほぼ前年並みで、いずれも人気が続いていると言えます。
私立中学校入試に向けた準備は、夏休み前後から始動します。今回は2023年度の私立中学の入試概況を振り返り、2024年度に向けた動きについて解説していきます。

塾講師 渡邉智治(わたなべ・ともはる)
愛知県一宮市にて「進学塾 翔和」を経営。塾講師歴は25年以上。犬山市教育委員も務めている。
2023度 中学入試の概況

私立中学の人気が続く要因はいくつか考えられますが、自校以外に複数の試験会場を設けるなど、受験しやすくなったことも1つです。
以前は、私立中学・高校出身の親が自分の子どもにも受験させるケースが多く見られました。最近では、私立中学ならではの教育体制や教育方針の魅力が浸透してきたことで、親の学歴や出身に関わらず、私立中学を選択する家庭が増えています。
経済的な理由も大きいと考えます。愛知県の私立中・高一貫校は首都圏と比べて学費が1/2程度。高校に進学すれば国の就学助成金に加え、県独自の私学助成金制度もあり、実質無償化の施策が行われています。そのため、世帯年収が高くない家庭の子であっても、私立中学を目指すことができるのです。
加えて、「必ずしも合格するとは限らない大学受験を回避したい」という安全志向の高まりが、受験者数増加に拍車をかけています。
大学・短大系列の中学校は、愛知県に15校、岐阜県に3校、三重県に4校あります。これらの学校は、系列の大学や短大に内部進学で入学できるため、南山中学男子部や愛知工業大学名電中学、椙山女学園中学、金城学院中学、愛知淑徳中学など、特に愛知県内の学校で受験者数が増加。それにともない、入試も難化傾向にあります。
一方で、中学・高校を通じて独自の教育方針やプログラムを実践する学校も。それにより、東海中学や滝中学、鶯谷中学、美濃加茂中学、高田中学などの学校が、全国の有名国公立や私立大、医学部への合格実績を着実に伸ばしています。
これらの学校が先頭に立って、今の時代に必要な学力を育み、人間教育を実践してきたことで、私立中学への信頼感がさらに強まり、東海3県の私立中学受験者の増加をもたらしているのかもしれません。
これからの小学生の選択肢に「中高一貫」を
2024年度も私立中学入試は盛り上がると予測します。その理由の一つに、愛知県津島市に開校する清林館中学校があります。これまで清林館高校が実施してきた英語教育や国際理解教育を中高一貫で行い、入試日程も1月の第2週という早い時期に設定されているため、名古屋市内の私立中学の併願校として人気が集まると思われます。
また2025年度に愛知県で公立中高一貫校が誕生します。具体的な試験内容などはまだ発表されていませんが、公立中高一貫校が開設されるエリアの塾に、小学生の保護者からの問い合わせが増加しているとか。大手塾においては公立中高一貫の受験対策を専門にしたクラスが設置されています。
地元の公立中学に進学することが一般的だった時代と比べ、地元の公立中学だけでなく、私立中学や公立中高一貫校も加わり、小学生の選択肢が増えてきました。しかし、どの入試にも言えることですが、うわさに踊らされることなく、正しい情報を集め、目の前にいる子どもにとって、最もよいと思う選択肢を選ぶことが大切です。
各校で2024年度入試に向けた学校説明会や授業体験会が開かれています。直接足を運んで、中高6年間を通じた学校生活の魅力や学習環境などを肌で感じてみてください。
文:渡邉智治


