健やかな脳を育てる!子どもの睡眠習慣・生活リズムの作り方

健やかな脳を育てる!子どもの睡眠習慣・生活リズムの作り方

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大人も子どもも、食事・運動・睡眠が健康の三原則。しかし、24時間動き続ける現代社会は、以前に比べて子どもの睡眠習慣に影響を与えやすくなっています。子どもが直接、睡眠不足を訴えない場合でも、イライラ感や衝動性、集中力のなさなど、別の形で表れることも。日々の生活習慣として、子どもの健やかな心と脳、そして体を育てるための生活リズムの作り方と睡眠のコツについて、睡眠健康指導士が紹介します。

上級睡眠健康指導士 三輪田理恵

上級睡眠健康指導士 三輪田理恵
子どもの健やかな成長のために、規則正しい生活習慣は必須です。まずは、
「睡眠の優先順位を上げる」。それだけで、お子さんがガラリと変わるかもしれません。

子どもの睡眠力チェック

まずは子どもの睡眠力をチェックしてみましょう

お子さんは、以下の項目でいくつ当てはまりますか?

  • □ 痩せすぎ、または太りすぎの体型である
  • □ 朝は、8時過ぎに起きる
  • □ 起きる時刻が毎日バラバラ、または、2時間以上ずれることがある
  • □ 朝は、誰かに起こされないと起きてこない
  • □ 朝ごはんを抜くことが多い
  • □ 午前中に疲れている、元気がない
  • □ 昼間いつも眠くなる
  • □ テレビやゲームの時間が毎日1時間以上ある
  • □ ちょっとしたことでイライラする
  • □ 気分が落ち込むことがよくある
  • □ 眠る前に夜食を食べることが多い
  • □ 眠る時刻が夜10時以降である
  • □ 寝つきが悪い

参考:睡眠文化研究所 『子どもを伸ばす「眠り」の力』より

当てはまる数が多いほど、子どもの生活リズム・睡眠習慣が乱れている可能性が。子どもの成長と密接に関わる睡眠が不足することで、さまざまな影響がでてきます。
3歳時点での就寝時刻が遅かった子は小学4年生になっても遅寝の傾向が強いことがわかっています(図参照)。

小学4年生の就寝時刻出典:全日本民医連HP

小さな頃からの生活リズムが、その後に影響をあたえます。できるだけ早い段階で、子どもの睡眠習慣を作っていくようにしましょう。

子どもの睡眠が不足すると?

「寝る子は育つ」という言葉がありますが、睡眠の足りない子どもは、学力・心・体の3つの面で悪影響が出てきます。

学力の影響

睡眠は脳の発育に欠かせないもの。そして、脳は眠っている間にその日の情報を整理し、記憶として定着させます。
学校の成績と睡眠時間の関係については、小学生~高校生を対象に複数の調査がおこなわれています。どのデータをみても、睡眠時間のとれている子どもの方が成績がよい傾向が出ているよう。寝ている間に、脳の中ではその日にあったことを整理し、記憶します。夜更かしなどで睡眠時間が短くなると、せっかく学校で勉強しても、学力が身につかなくなってしまいます。

「△」が描けるのは5歳児の平均的な知能発達段階

また、3歳から5歳までの園児を対象に、「/」「×」「△」を紙に描いてもらった実験があります(※1)。通常、「△」が描けるのは5歳児の平均的な知能発達段階。規則正しい早寝・早起きの生活をしている5歳児と、遅寝・遅起き、長時間の昼寝で生活リズムが崩れている子どもを比較します。すると、生活リズムの乱れている子どもの44%が三角形を正しく認知できず、うまく描けなかったという結果に 。
生活リズムや睡眠習慣が脳機能の発達に重要であることがうかがわれます。

心の影響

「眠りは心を強くする」と言われてもピンと来ないかもしれません。イライラ感の高い子どもの半数以上は、夜0時以降に寝ているという調査もあります。逆に、イライラ感の低い子どもは25.8%にとどまっているそう。(※2)
また、就寝時間が遅くなるにつれ「自分のことが好きではない」と答える自己肯定感の低い子どもが多くなることも分かっています。(※3)

体温は寝ている間に低くなり、日中は高くなる傾向があります。生活リズムが崩れたり
睡眠が不足したりすると、午前中に体温が上がりません。それによって脳がうまく働かない、機嫌が悪い、落ち込みやすい、集中力がない・・・ということにも繋がっていきます。

体の影響

「早寝早起き朝ごはん」全国協議会出典:「早寝早起き朝ごはん」全国協議会

眠りに入って最初の1~2時間では、子どもの体の成長のためにとても大事な「成長ホルモン」が分泌されます。生活リズムが崩れてしまうと、眠りに入ってすぐ、成長ホルモンをきちんと出すことができなくなってしまうことも。
また、睡眠には、役割の異なる「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」があり、脳と体を育てるために、どちらの睡眠も必要不可欠です。
睡眠が不足することで、免疫力が落ちて風邪をひきやすくなる、ホルモンバランスが崩れる、太りやすくなるなど、さまざまな報告があります。

よい睡眠習慣をつくるコツ

どのように子どもの生活リズムをつくり、規則正しい睡眠習慣を身につけさせればよいでしょうか

では、どのように子どもの生活リズムをつくり、規則正しい睡眠習慣を身につけさせればよいでしょうか。
小学校でママ向けに講座をおこなう中で、これができている家庭はお子さんもよく眠れていることが多いです。
それは「おとなが早く寝る」ということ。
おとなが起きていたら、子どもつられて夜更かししてしまいがちに。仕事の都合で、ママやパパの帰りが遅い家庭もあるかもしれません。しかし、可能であれば、まずは「おとなが早く寝る」ということを実行してみましょう。子どもと一緒に8時頃寝て、早朝に家事や仕事をおこなうなど、工夫されている方も多いようです。
アメリカの国立睡眠財団の発表する、年齢別で必要な睡眠時間は以下。

必要と考えられている人間の年齢別睡眠時間出典:「早寝早起き朝ごはん」全国協議会

必要な睡眠時間には個人差があるため、上記を参考にしながら子どもの様子を観察します。

  • 自分で起きられる
  • 起きた時に機嫌が良い
  • 午前中から元気にしている
  • 日中眠そうにしていない  など

睡眠時間が足りているかどうかをチェックしてみるとよいでしょう。
そして、平日も休日も起床時間を揃えるということも大事なポイントです。
睡眠時間の確保は大事ですが、起床時間がバラバラだと生活リズムが崩れてしまい、睡眠の質が下がってしまいます。
学校がある日とない日で起床時間に2時間以上差があると、授業中に眠気を訴えるケースが多いというデータもあります。(※3)
「早寝・早起き・朝ごはん」が推奨されていますが、まずは毎日同じ時間に起きて、朝ご飯をしっかり食べる。ここから、子どもの生活リズムを作ってあげてくださいね。

最後に

できるだけ早い段階で良い生活リズムを作ってあげること

昼夜で区別のない生活をしていても、一見すると子どもは成長していきます。しかし、規則正しい生活リズムと睡眠習慣の中で、子どもの脳と心と体が段階を踏んでおとなになっていきます。
小学校に上がる前、上がった後でも、できるだけ早い段階で良い生活リズムを作ってあげること。そうすることで、大きくなってからも良い習慣を維持していくことができるはずですよ。

上級睡眠健康指導士 三輪田理恵
三輪田理恵:上級睡眠健康指導士/日本睡眠学会正会員

企業・小中学校・行政などで睡眠の講座をおこない、2020年からはオンラインでも睡眠コーチングを開始。経営者や会社員、元オリンピック選手、主婦など、さまざまな人を対象に、これまで5,000人以上を快眠にいざなう。

文:三輪田理恵

※1:和洋女子大学・鈴木みゆき教授による3~5歳児226名を対象にした調査より
※2:東京教育研究所の小中学生を対象にした調査/1999年
※3:家庭教育の総合的推進に関する調査研究 睡眠を中心とした生活習慣と子どもの自立等の関係性に関する調査/2014年文部科学省委託調査

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