名古屋市の東隣に位置する愛知県長久手市は、若い夫婦の転入が多く、子育て世代の多いまちとして知られています。2020年10月5日、長久手市の子育て支援事業として、子どもの預かり室「ことりルームぴっぴ」がオープン。子育て中のママやパパのサポート・リフレッシュを目的とした、自治体の新たな取り組みです。新型コロナウイルス感染症対策も進めながら、満1歳から未就学児の預かりをスタート。この施設にCOE LOG編集部が伺い、取材を行いましたのでご紹介します。
コロナ禍だからこそ必要だと思った
「行き場がない・・・」「ストレスが溜まる・・・」
家庭児童相談室にそんなママからのSOSの電話を受けていたという長久手市役所子ども部子ども家庭課の鈴木さん。
新型コロナの影響で在宅勤務になった夫の邪魔にならないようにと、子どもを連れて公園をさまよい歩くママ。食事の支度に追われるママ。環境の変化でストレスを溜めるなどの相談を受けていたそう。
長久手市の子どもの預かり室の構想は2019年からあり、2020年4月から準備が始まりました。新型コロナの感染状況次第でどうなるかは分からない中でしたが「待っている人たちがいる」のは間違いない事実。8月末に最終協議をし、withコロナの社会情勢を踏まえて、できる限りの対策を行いました。そして、2020年10月に「子どもの預かり室ことりルームぴっぴ」はオープンしました。
新型コロナ感染対策について
子どもの預かり室「ことりルームぴっぴ」では、感染症対策として以下のことを行っています。
■検温
入り口で検温を行います。
■マスク
預かり室にいるスタッフ、大人の入室者は全員マスク着用です。
■消毒
入室者の手指の消毒はもちろんのこと。ボールペンや絵本など、皆の手に触れるものも消毒を行います。
■換気
定期的に窓を開け、空気の入れ換えを行います。
新時代を反映した預かり室
子どもの預かり室「ことりルームぴっぴ」は、長久手市役所の隣り、長久手市高齢者生きがいセンター内にあります。
子どものお世話をする保育士さんは毎日3名常駐。事務員さんが1名、そして+2名のスタッフがここでは活躍しています。
子どもが触れるものを拭いたり、本やおもちゃを片付けたり。環境整備スタッフとして、シルバー人材センターの方も2名働いています。
<施設の利用概要>
お子さんを預けるには、事前に登録・予約が必要になります。
対象児童:
保護者が長久手市内にお住まいで1歳の誕生日から小学校就学前までのお子さん
利用時間:
月曜~金曜(祝日・年末年始を除く)
午前9時~正午/午後1時~午後4時
お子さん一人につき1日1回3時間まで、月4回利用可能
1時間を単位とした時間預かり
定員は午前と午後それぞれ10名まで
お子さん一人につき、1時間あたり500円
お問い合わせは、長久手市子どもの預かり室「ことりルームぴっぴ」
どんな人が利用している?
「どんな方でも使っていただきたいと思っています。預ける理由は問わないですし、”ママやパパの息抜き”という理由も大歓迎です。預けることに後ろめたさを感じることなく、気軽に使ってほしいです。」と、鈴木さん。
取材したのはオープンして3週間後でしたが、これまでに以下の方が利用されていたとのこと。
- ママが保健センターで健康診断を受けている間に
- ママが美容院や歯科医院に行く時間に
- 保育園入園前に、子どもがママ以外の人との関わりに慣れるため
- 子どものイヤイヤ期で、ママのストレス抜きのため
など。ママの利用はもちろんのこと、パパの利用もあります。
この日は、ちょうど2歳のお子さんを連れたママが来ていました。
入園前に子どもの社会性を身につけたいと連れてきたそうで、今回の利用は3回目。
「小さな子は、最初こそ泣きますが、2回目、3回目と慣れてくると、落ち着いてきて楽しく遊ぶ時間も長くなってきます。」と、保育士さん。
ママにとっても子どもにとっても安心して過ごせる場所になっているようです。
最後に
1度使うと安心し、継続して利用するママ・パパがほとんどとのこと。事前に上限回数の月4日の予約をおさえる方も多くなっているそう。
「理由を問わないので、気軽に利用してほしい」と、鈴木さんも保育士さんも繰り返し言われていました。
自分の用事や病気などで、急に子どもの保育が必要となる場合もありますので、まず利用登録だけでもしておくことをおすすめします。困った時頼りになる、子どもの成長を助けてくれる、長久手市の子育て世代を支える大切な場所として、今後ますます広がっていくことになると思います。
写真・文:三輪田理恵