50人に1人が多胎児!双子・三つ子などの家庭への子育て支援は?

50人に1人が多胎児!双子・三つ子などの家庭への子育て支援は?

子ども1人でも大変なのに、双子、三つ子を同時に子育て・・・想像もつかない!と思う方も多いのではないでしょうか。実は近年、妊婦さんの100人に1人が多胎児を出産しています。妊娠中のママの負担はもちろんのこと、多胎児の育児は1人と比べて2倍以上、心身の負担がかかるといわれています。意外と身近な多胎児の子育ての状況・自治体のサポートをCOE LOG 編集部が調査しました。

数字でみる多胎児

双子以上の多胎分娩件数出典:厚生労働省ホームページ「多胎児支援の ポイント」より

厚生労働省の調査によると、双子以上の多胎分娩件数は近年横ばい~微減傾向。2017年では約9,900件となっています。
全体の分娩件数に占める割合は、およそ100件に1件。2005年の1.18%がピークで、2011年までに下がったのち、再び微増。2017年は1.04% となっています。

多胎児の母親の年齢出典:厚生労働省ホームページ「多胎児支援のポイント」より

母親の年齢別でみると、年齢が上がるほど、双子以上の多胎妊娠の比率が上昇。自然妊娠によるものもありますが、生殖補助医療(不妊治療)により発生率が上がることがわかっています。
妊娠中・出産前から双子、三つ子の多胎児の育児の大変さは始まります。出生時のリスク、そして育児の負担も非常に大きくなります。双子・三つ子の多胎児の家庭では、外出するだけでも一苦労。家族の支援が受けられない場合は、育児によるストレスが増大していきます。
2018年に起きた三つ子の事件は大きな波紋を呼び、多胎育児の過酷さが注目されるようになりました。自治体やさまざまな支援団体も、多胎育児家庭のサポートに動き始めています。

広がる多胎育児家庭の支援

2020年に入り、国の動きとしても多胎育児家庭に対する、人的サポートが具体的に始まっています。「産前・産後サポート事業」の中に、「多胎妊産婦等支援」が明記されています。

多胎妊産婦等支援

  • ①多胎ピアサポート事業
    多胎児の育児経験者家族との交流会等の実施や、多胎妊婦が入院している場合や、外出が困難な場合など、必要に応じて多胎児の育児経験者によるアウトリーチでの相談支援を実施する。
  • ②多胎妊産婦等サポーター等事業
    多胎妊産婦や多胎家庭(以下、「多胎妊産婦等」という。)のもとへサポーターを派遣し、外出時の補助や、日常の育児に関する介助を行う。また、当該サポーターを派遣する前に、多胎妊産婦等への支援に際して必要な知識等を修得するための研修を実施する。

厚生労働省「母子保健医療対策総合支援事業の実施について」資料より抜粋

他にも、都道府県、各自治体で、それぞれの形でサポートがあります。
ホームヘルパー等を派遣し、家事・育児の支援をおこなうサービス、検診時のサポート、保健師の訪問など。内容はさまざまですが、多胎育児家庭の特別なニーズに応えるための、先駆的な支援をおこなっている自治体もあります。

このような支援の中でも、特にニーズとして高いのが「同じ境遇の方たちの声を聴ける交流の場がほしい」というもの。
COE LOG編集部では、愛知県長久手市でおこなわれた双子家庭たちの集まり「多胎妊婦・多胎育児家庭向けサロン」にうかがい、お話を聞いてきました。

多胎妊婦、多胎育児家庭の意見交換会

ソーシャルディスタンスも十分にとりながら、意見交換。さまざまな話題で盛り上がっていました。ソーシャルディスタンスも十分にとりながら、意見交換。さまざまな話題で盛り上がっていました。

2020年11月9日、長久手市保健センターで行われた第1回「多胎妊婦・多胎育児家庭向けサロン」。市内在住の平成25年4月2日生まれ以降の双子・三つ子のお子さんのいる家庭77世帯と多胎妊婦家庭4世帯に告知。当日は、20組が集まりました。
高校生以上の双子のお子さんを持つ先輩ママ3名も加わり、3グループに分かれて意見交換。さまざまな話題で盛り上がりました。

キッズスペースも用意され、思い思いに子ども達は遊んでいました。キッズスペースも用意され、思い思いに子ども達は遊んでいました。

トピックスにあがっていた内容の一例です。

  • 帝王切開の痛みはどのくらい続いた?
  • 里帰りしなくても大丈夫?
  • どこの病院で産んだ?
  • 授乳のやり方は?
  • 同時泣きしたときはどうする?
  • 車は?チャイルドシートのおすすめは?
  • 移動手段は?
  • 離乳食はどうしている?
  • お風呂はどうやって入れている?
  • 睡眠時間はどう確保する?

・・・など

どの質問も、答えは一つでなく人それぞれ。
例えば「二人用のベビーカーが楽!」という方もいれば、「一人用ベビーカーで、もう一人は抱っこの方が動きやすい!」という方もいます。
さまざまな意見を交換しながら、皆が日頃の悩みやモヤモヤを解消していきます。

会場のホワイトボードには、12歳の双子のママである長久手市の保健師さんの作った成長記録が掲示されていました。会場のホワイトボードには、12歳の双子のママである長久手市の保健師さんの作った成長記録が掲示されていました。

「困ったことがあればいつでも気軽に保健センターに声をかけてほしいです。話をするだけでもスッキリすることがあると思うので、頼れるものにどんどん頼ってください。」
「今日会った方同士で連絡先を交換していただいてもかまいません。ぜひ、つながって、情報交換をしてください。」
スタッフの方が呼びかけます。
パパの協力はもちろんのこと。外に出ることも難しい中で、家族以外の人にもどんどん頼ることの大切さを、先輩ママたちも繰り返し伝えていました。
長久手市の「多胎妊婦・多胎育児家庭向けサロン」は2021年3月に第2回を開催予定。サロンの名前も募集をし、2回目からは新しい名称となるそう。愛着がわく名称で親しまれ、サロンの参加者が増えるといいですね。

最後に

小さな子どもを連れての移動方法は、ママたちにとっても関心の高い話題でした。小さな子どもを連れての移動方法は、ママたちにとっても関心の高い話題でした。

孤独になりがちな育児で、双子・三つ子などの多胎育児家庭を支える取り組みは、全国の自治体・民間団体でも増えてきています。ただ、増えてはいても、まだまだサポートは十分でないのが現状。取材で伺ったお話の中でも「とにかく、誰でもいいから!抱っこしてくれる人の存在は重要。」と言う先輩ママもいました。
子育ては、ママだけではなく家族で、そして地域で支えながらおこなうもの。地域の子育て支援「ファミリー・サポート制度」や「子どもの預かり事業」をおこなっている自治体は、全国的にも増えています。お住まいの地域で使えるサービスをチェックし、上手く活用するのもひとつの方法です。
こうしたサポートの輪や人とのつながりがさらに広がっていくように、COE LOGもお手伝いしていきたいと思います。

撮影・文:三輪田理恵

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