人生の最期に向けて準備をする「終活」。必要性を理解していても、話しづらいテーマでもあり、先延ばしにしてはいませんか?
終活と聞くと60代以降のイメージがあるものの、気になったときが始めどきです。40代・50代のうちから考えておくと家族も自分も安心です。
終活とは何か、やることは何か、いつから始めるべきか、「人生会議」とは何なのか、COE LOG編集部のアンケート結果と合わせながら解説します。
30代・40代の終活とは?
終活は、人生の最期に向けて準備する活動です。
30代・40代にとって終活は、「いつかは必要だけど、まだ先のこと…」と考えている方も少なくありません。
COE LOG編集部が30代・40代男女を対象に実施した「終活に関するアンケート調査」では、終活について「考えている」「やらなければと思っている」人が3人に1人という結果に。自分またはパートナーが既に終活を進めている人も15%の割合でいました。
30代・40代にとって終活は、まだ少し先のことではあるものの、やっておいた方がいいこととして認識されていると言えそうです。
終活はいつから?
アンケートで聞いた「終活はいつからはじめるか」については、「気になったときがはじめどき」との考えが約4割と最多でした。次いで「60代」が3割となっており、定年退職を機にその後のことを考える予定の方も多いことが分かります。
終活は、何歳になったら始めるものと決まっているわけではありません。
気になったときに、できることから始めておくと安心でしょう。
今の30代・40代は、65歳までもしくは70歳まで働くことも珍しくはないはずです。仕事を辞めてから終活を始めることもできるものの、元気に動ける30代・40代・50代のうちにやっておくとよいこともあります。
次章では、30代・40代のうちからできる終活をご紹介します。
30代・40代の終活やることリスト
30代・40代のうちは、遺言書を作成したり、お墓や相続のことを決めたりする終活は、まだ現実的ではないかもしれませんね。
ただ、自分の銀行口座や保険、証券などの情報をまとめたり、パソコンやスマホなどのパスワードをメモしたりといった終活は、取り組みやすいのではないでしょうか。
万が一に備え、残された家族が困らないよう必要な情報は一覧にして残しておきたいものです。
終活でやることは、主に
- 家の片付け
- エンディングノートの準備
- 資産状況のまとめ(共有)
- パスワードなどデジタル資産の共有
- 墓の準備(または墓じまい)
- 葬儀の希望
- 介護の希望
- 遺言書の作成
などです。
編集部のアンケート調査によると、30代・40代で終活に取り組んでいる方は、以下のことをしているようです。
30代~40代が取り組んだ終活
- パスワードなどを書き残した(17%)
- 貯金や保険など資産の場所をまとめて残している(14%)
- 家のものを片づけた(14%)
- やるべきことリストをまとめた(6%)
- エンディングノートをまとめた(3%)
まずは「人生会議」から始めても
人生会議とは、「万が一のとき」に自分がどこでどのような医療ケアを受けたいか、何を大切にしたいかなどを事前に話し合うこと。
アドバンス・ケア・ プランニング(Advance Care Planning)、ACPの愛称で呼ばれており、厚生労働省が推奨する終活の一つでもあります。
自分の希望を、家族や信頼できる人、かかりつけ医などに共有し、話し合います。
いざという時に困ると思ってはいても、家族と自分の最期について話す機会はなかなかないですよね。ただ、いざという時は、いつ来るか分かりません。
話せそうなタイミングがあれば、一度切り出してみると、家族も「実は聞きたいと思っていた」ということも珍しくはないはずです。
30代・40代にとっては、相続やお墓、お葬式に関することまだ具体的に考えにくいものです。まずは、いざという時にどうしたいか、家族と「人生会議」をし、ノートに書き記すことから始めてみるとよさそうです。
親の終活は「終活ノート」に
30代・40代は、親が終活まっただ中だったり、親に終活を促したかったりする世代。
自分の終活はもちろんのこと、差し迫って親の終活状況も知っておきたいところです。
なかなか切り出しづらい内容ではあるものの、後で自分や家族が困らないためにも、親と話し合う時間が持てるといいですね。
アンケートにて、「親にしておいてほしかったこと」を聞いたところ、下記のような回答が集まりました。
終活で「親にしておいてほしかったこと」
- 相続の希望を話したり書いたりしておいてほしかった
- 荷物の整理はしておいてほしかった
- エンディングノートを用意しておいてほしかった
- 財産分与など、親としての希望を明確に書いておいてほしかった
- 墓じまいするかどうか
- 不要なものは処分しておいてほしかった
- 片付けやお金のことなど、終活を粛々と進めておいてほしかった
- 葬儀の希望を具体的に残しておいてほしかった
- 大切なものがどこにあるか分からず探すのが大変だった
- 葬儀に呼ぶ人の連絡先や段取りを手順化しておいてほしかった
- 不要な銀行などの契約ごとは解約しておいてほしかった
- 遺産相続が大変なので、生前に把握しておきたかった
- どのような最期を迎えたいか事前に聞きたかった
遺品のこと、相続やお墓のこと、葬儀のことなどに分類されるものの、どれも事前に教えてほしかった、書いておいてほしかったという内容です。
口頭で聞いておくだけでは、その場にいなかった親族は納得しなかったり、記憶があいまいになってしまったりすることもあるでしょう。
親が元気なうちに、「終活ノート」や「エンディングノート」を書いておいてもらう、もしくは話し合いをしてその場でノートに書き留めておくと安心ですね。
最後に
終活は、60代・70代になってからするものと思われがちです。
確かに、葬儀や相続について具体的に考えるのは老後になってからかもしれません。
しかし、30代・40代のうちから、もしもの時に備えて家族と話しておく「人生会議」をしたり、資産の情報をまとめておいたりと、できることはあります。
さらに、なるべく荷物を増やさないのも終活の一つ。
自分や家族のライフステージごとに、モノや資産を整理する機会をつくるのもよさそうですね。
文:COE LOG編集部
調査概要
・対象: 30~40代の男女
・有効回答数:100件
・調査期間:2022年9月5日~9月6日