名古屋市営地下鉄伏見駅・栄駅からほど近い場所にある「でんきの科学館」は、無料で遊んで学べる定番スポット。子どものころに行ったことがあるパパ・ママも多いのでは?実は2020年10月にリニューアルが完了。体感的に楽しめるコーナーや、大人も興味津々のちょっぴりマニアックなコーナーが増えました。楽しみながら科学への関心を高められる「新・でんきの科学館」を、COE LOG編集部が体験してきました。
キラキラ・ふむふむ・ドキドキの2階
受付を終えて2階に上がると、色とりどりの光が反射する空間が出迎えてくれます。鏡が張り廻らされた空間の真ん中には、透明なプラズマボールが置かれており、手を触れると光の筋が集まります。キラキラの空間で魔法のような体験をすれば、大人も子どももテンションが上がりそうです。
キラキラの「ウェルカムゲート」を抜けて進んだ先には、電気の歴史を感じさせる実験セットがずらり。
「電気の発見」コーナーでは、ボルタ・ファラデー・エジソンなど、電気にまつわる科学者の実験が体験できます。
静電気や感電などシンプルでわかりやすいので、電気とは何かを自分の手と目で感覚的に理解できるでしょう。整理してまとめたら、自由研究にもピッタリですね。
「サイエンスプラザ」では、イライラ棒にチャレンジ!懐かしのテレビ番組を思い出す大人世代も多いのでは?金属の囲いに触れないように棒を動かしていくシンプルでハラハラ・ドキドキするゲームは、大人こそ熱くなってしまいます。
イライラ棒がセットされた壁面に手が届かない小さな子どもの場合は、卓上ゲームがおすすめ。絵が動いてアニメーションになるのを見たり、光るボタンを早押しで消したり。小さな子どもも十分に楽しめるミニゲームがたっぷりありますよ。
ゲームの主人公になれる!
3階に来たら、一番人気の「オームシアター」は外せません。スケジュールに合わせて、事前のインターネット予約をおすすめします。
シアターで行われるゲームは4種類。(2021年7月9日現在)ゲームの世界で昆虫図鑑を作ったり、レガッタの競争をしたりといったアクションが楽しめます。小学生以上は1人で、未就学児は保護者の膝の上でプレイできますよ。
ゲームの操作は非接触式。卓上にかざした手でキャラクターを動かします。しかもキャラクターに自分の顔をはめ込めるので、ゲームの世界に入り込んだような楽しい気分に。
大画面で自分のキャラクターを動かしていると、シアタースタッフが実況中継で応援してくれて、シアターが一体となったライブ感あふれる戦いに思わず熱狂!
さらに成績優秀者は表彰され、ヒーローインタビューを受けられます。親子がゲームの世界で主役になったような、良い思い出ができそうですね。
地上100mをハラハラ体感!
編集部イチオシの「電気の旅」のコーナーも3階にあります。2020年10月に大幅にリニューアルされ、電気が家庭に届くまでを、電力会社の役割と合わせて学べます。ちょっぴりマニアックな展示も、でんきの科学館ならではなので必見です。
まず目を引くのが、壮大なスケールのジオラマ。燃料の調達から発電、送電までを、船や電車の動きとともにたどります。小さな子どもなら、進む船や電車、点灯する街の灯りを眺めているだけで楽しくなれそう。
このジオラマには仕掛けがあって、ARビジョンのモニターを通してジオラマを見ると、自分のキャラクターを投影できたり、発電・送電に関する情報が見えたりするんです。目の前のジオラマにデータが描かれる画面は近未来的で、電気が届けられるまでのしくみがスーッと理解できます。
もっと体全体で感じるなら、地上100mの視線を味わうのはいかが?送電線の上の視界をそのまま再現した場所で、足下に広がる光景や目の前に広がる空を、リアルな映像とともに体感します。
網越しに見える眼下の世界にビクビクしながら、送電線の上の電力マンに想いを馳せましょう。
普段は見ることができない電気の設備や施設も、見て触れて楽しめます。
たとえば、街中に立っている大きな箱。実はあれは、地中配電を行う分電盤なんです。スケルトン展示された実物で、中にびっしりと詰め込まれた配線が見られます。
知る人ぞ知る、“名城変電所”のジオラマもあります。名古屋城のすぐ近く、名城公園の地下に作られた地下5階・深さ32mを超える変電所の全容が分かります。大人も「知らなかった!」と思わずうなってしまうかも。
リニューアルした「電気の旅」の魅力をYouTubeでご紹介しています。ぜひご覧ください。
他にも「実験や工作の動画」など、でんきの科学館スタッフの企画によりお届けしています。
科学の力で不思議の国のアリスに
小さな子どもを遊ばせるなら、4階の「ふしぎのくに」がぴったり。科学を利用した不思議な世界を、見て・聞いて・触れて感じましょう。
たとえば、くるくるプラネットは中央が凹んだ卓にボールを転がし入れると、大きく楕円を描きながら穴へと落ちていきます。
これはケプラーの法則の実験装置です。シンプルだけどずっと眺めていたくなる動きに、赤ちゃんも大喜び。0歳〜3歳くらいの子どもがかじりつく、隠れた人気コンテンツです。
小学生以上の子どもなら、ジャイロ効果体験装置に挑戦!回転させた円盤を持って台に立ち円盤を傾けると、台に乗った体ごと回ってしまうのです。ダイナミックな動きにびっくりしながら、物理の法則を体感できます。
錯視ギャラリーと題されたさまざまな騙し絵は、不思議すぎて大人もビックリ。
たとえば、“もくもく雲”は回転させた渦巻きを見てから、横の画像を見ると雲が膨らんでいくように見え、逆回しにすると、今度は雲が縮みます。
錯視の世界に迷い込むと、大人でも不思議の国のアリスのように無邪気に驚いてしまいます。
そして1日の学びの総仕上げに、「学習ひろば」のサイエンスパズルで親子対決。電気や科学に関連したクイズを、タッチパネルで回答します。一つの画面に向き合って、カルタやボードゲームのようにワイワイ楽しみましょう。
最後に
子どもも大人も楽しめる、でんきの科学館。
赤ちゃんや小さな子ども連れなら、貸切の授乳室でおむつ替えや着替えができます。エントランス外のコミュニティープラザで軽食やおやつを食べられるのも、うれしいポイントです。3階の風力発電機のブレードを使ったベンチや、学習ひろばのDVD視聴コーナーもあり、疲れた子どもを休ませながら遊べます。
一方で大人が楽しめる体感コンテンツも豊富!「知らなかった」「不思議」「面白い」が口をつく、知識と遊びが詰まっています。でんきの科学館のSNS(YouTube/Instagram)でも、親子で一緒に実験や発見のコンテンツが楽しめますよ。
頭と体と心を目一杯使って遊べるでんきの科学館へ、ぜひ親子で足を運んでみてはいかがですか?
※新型コロナの感染拡大防止のため、開館時間や展示物、イベントが変更となる可能性があります。来館前にでんきの科学館HPをご確認ください。
でんきの科学館YouTubeはこちらから
でんきの科学館Instagramはこちらから
文:鈴木満優子
撮影:COE LOG編集部