食品ロス、廃棄食材の活用法とは?子どもとできる5つの方法

食品ロス、廃棄食材の活用法とは?子どもとできる5つの方法

食品ロスは、SDGs(エスディージーズ)(※)の「1.貧困をなくそう」や「2.飢餓をゼロに」、「3.すべての人に健康と福祉を」など多くの目標にかかわる課題です。特に「12.つくる責任つかう責任」は、食品ロス削減に向けた課題と言えるでしょう。
今回は、食品ロスの問題点や家庭で子どもとできる取り組みの具体例、廃棄・売れ残りを活用する方法などを解説します。

※「SDGs(エスディージーズ)」については、こちらを参考にしてみてください

食品ロスとは?問題点は?

世界中で、まだ食べられる食品が毎日捨てられています

世界中で、まだ食べられる食品が毎日捨てられています。日本の食品ロスは、年間600万トン。農林水産省によると、毎日、お茶碗1杯分の食べ物を国民全員が捨てている計算になるそうです。
食べ物が「もったいない」だけでなく、廃棄にかかる環境負荷もあり、食品ロスが問題視されています。
特に日本は、食料自給率が38%と低く、多くの食糧を海外から調達しています。世界中では、9人に1人が飢餓に苦しんでいる一方で、日本は海外の食糧に多くを頼りながら、廃棄しているのです。この食品ロスの問題に、私たちができることを次章から解説していきます。

家庭の廃棄食材を減らすには?

家庭でできる食品ロス対策を5つご紹介します

ここでは、家庭でできる食品ロス対策を5つご紹介します。

  1. 食べ残しを出さない
  2. 使い切る
  3. 買いすぎない
  4. 期限表示を正しく理解する
  5. 予約販売を活用する

1. 食べ残しを出さない

消費者庁の実験によると、家庭から出る食品ロスの57%は食べ残しだそう。傷んでいた・期限切れを抜いて、最も多いのが食べ残しによる廃棄です。家庭での食品ロスを減らすには、まずは食べ残しから見直しましょう。
食べ残しを減らすためには、作りすぎないのがポイント。食べきれる量を作るだけでなく、食べない人の分は作らないよう家族で予定を共有するのも効果的です。
ただ作りすぎないよう意識はしていても、子供の食事はなかなか予定通りにはいかないもの。食べてくれずに余らせてしまうことも、よくありますよね。
食べきれないときには、冷凍保存を上手に活用するのも手です。料理をリメイクして翌日以降の食卓に出せば、時短調理で一石二鳥です。
じゃがいもや豆腐など冷凍保存に向かない食材が入っている場合は、その食材を取り除くか、つぶした状態で冷凍すれば、食材のパサパサ感も気になりません。またスープや煮込み料理などにリメイクすれば、食感や味は気になりにくいですよ。

2.使い切る

野菜などの生鮮品は、うっかり傷ませてしまうこともありますよね。
家庭の食品ロスでは、鮮度が落ちたり、傷んだり、期限が切れたりして廃棄する割合も多いことがわかっています。生鮮品は、買ったら早めに冷凍保存する、火を通すなど保存の工夫をしましょう。
お肉やお魚類は、保存袋に移して冷凍すれば2週間は日持ちします。使いやすい量に分けて冷凍しておくと便利です。
野菜の冷凍保存も、2週間程度が目安。使いやすいようカットして冷凍保存すると、使うときが楽です。冷凍保存を上手に活用してみて下さい。
また、普段は捨ててしまっている野菜の芯や魚の骨も、調理の仕方次第で美味しく食べられます。甘みのあるキャベツやブロッコリーの芯はスープや餃子に使う、三枚おろしにして残った魚の骨はカリカリに揚げて食べるなど、使い道はあるものです。
レシピサイトが参考になるので、上手く活用してみてくださいね。

3.買いすぎない

特売につられて、つい食材を買いすぎてしまうことはありませんか?
お得な日にたくさん買って、結局賞味期限内に食べきれなかった経験がある人も多いのではないでしょうか。
使い切れる量だけ買うのも、食品ロスの対策の1つです。必要なものを必要な量買うためには、まずは冷蔵庫に入っているものを把握しておかなければなりません。冷蔵庫の中は整理整頓し、買い物前にチェックしてから出かけましょう。中身を見やすくするためには、詰め込みすぎないのがポイントです。
冷蔵庫や野菜室は7割を目安に、冷凍庫は7割以上を目安にすると電気効率の面でもよいそう。7割を目安に、決まった場所に決まったものを入れるなど工夫してみて下さい。
またお腹が空いているときに買い物に行くと、ついつい余計なものまで買ってしまいがち。
買い物は食後に行くのが、家計のためにもよさそうですね。

4.期限表示を正しく理解する

賞味期限が過ぎた食品を、すぐに破棄してしまっていると食品ロスを減らせません。少し期限が過ぎたものも、食べても問題ない場合も多いものです。
食品には「賞味期限」と「消費期限」があり、「賞味期限」は美味しく食べられますよという期限のことです。つまり数日過ぎてしまったところで、食べるのには問題ない場合もあります。
一方「消費期限」は、安全に食べられる期限の表示です。消費期限を過ぎると傷みやすいなど、食べない方がよい場合も多いでしょう。
賞味期限を何日過ぎても食べられるかは、必ず自分の五感で確認してくださいね。

5.予約販売を活用する

食品ロスを減らす方法の1つとして、スーパーなどの予約販売を活用するというものがあります。主に、恵方巻やクリスマスケーキ、土用の日のうなぎなど、季節商品を予約購入することを指します。
恵方巻などの季節商品は、近年、大量破棄が問題視されていますよね。2019年に行われたある試算によると、破棄された恵方巻の総額が10億円を上回るとされ、注目を集めました。
これを機に農林水産省でも恵方巻のロス削減に呼びかけるプロジェクトが立ち上がり、スーパーやコンビニでは予約販売を取り入れる企業が増えました。
私たちにできることは、企業が適切な量を流通できるよう、予約販売を活用することです。
大手スーパーやコンビニでは、季節商品や旬のフルーツなどを予約販売で買うとお得な場合も多いもの。
家計も助かるので、上手に活用したいですね。

外食での食べ残しは持ち帰れる?

コロナ禍で外食の機会はめっきり少なくなったものの、食品ロスを考える上で外食は外せません

コロナ禍で外食の機会はめっきり少なくなったものの、食品ロスを考える上で外食は外せません。
日本では、食べ残しの持ち帰りをあまりよく思わない風潮もありますよね。ただ、出来ることなら持ち帰りたいと考える人も多いのではないでしょうか。
外食での食べ残しを持ち帰る意思表示として「ドギーバッグ」の活用があります。

ドギーバッグ運動とは

ドギーバッグは、外食した際に食べきれない料理を持ち帰るための容器やバッグのこと。
アメリカを中心に普及している取り組みです。
一般的に販売・配布されているものは、繰り返し使える素材で作られていて、持ち運びしやすいよう折りたためる容器です。
日本では近年、SDGsの目標達成に向け、官民で取り組みがスタートしています。
2020年には環境省主催のドギーバッグアイデアコンテストが開かれたり、大手外食チェーンがドギーバッグ導入に向けて動き出したり。ほかにも、自治体がドギーバッグ推奨の取り組みを後押ししたりと、私たちの目に触れる機会も増えています。

ただ、お持ち帰りは衛生面が気になるという人も多いのではないでしょうか。日本では食中毒を理由に、持ち帰りを不可とする飲食店も多いものです。
そのためドギーバッグは「自己責任のもと持ち帰る」というスタンスで行われています。
ドギーバッグを使う場合、細菌を増やさないようパッキングに配慮し、持ち運ぶ際の温度管理にも注意が必要です。

備蓄を兼ねたロス削減の方法

ご家庭で、災害時などの万が一に備える備蓄方法「ローリングストック」をご存じでしょうか?

ご家庭で、災害時などの万が一に備える備蓄方法「ローリングストック」をご存じでしょうか?ローリングストックとは、日ごろから使っている食料を一定量ストックしておき、使った分だけ買い足すという方法です。
使ったら買い足すサイクルができると、期限切れなどのロスを減らせるメリットがあります。万が一に備え、日ごろ食べ慣れている食材を備蓄でき、常に新しいものを保存できる方法として内閣府も推奨しています。

ローリングストックのやり方

ローリングストックは、使った分だけ買い足すという簡単なものです。まずは普段食べているモノを、少し多めに買ってストックしておきます。
そして、食事に使ったら使った分だけ補充します。ここで大切なのは、古いものから使うことと、何があるかを忘れないことです。
賞味期限や消費期限が近いものから使えば、常に新しいものを備蓄できます。そのためにも、いつまでに使うべきものがどれだけあるか、わかりやすいよう収納することが大切です。
常に古いものを手前に置く、期限を付箋で貼る、見やすいよう余裕ある収納にするなど、工夫しましょう。
生鮮品は、冷蔵庫に入る分しか保存できません。万が一に備えるには、常温でも日持ちする缶詰やフリーズドライ、インスタント食品はもちろんのこと。玉ねぎなどの常温保存できる野菜、お米や小麦粉などもローリングストックの一品に入れておくと安心です。

廃棄される食材は、お取り寄せを

売れ残ってしまった食材をお取り寄せする通販が話題となりましたよね

コロナ禍では、外食産業や観光産業が打撃を受け、使用されるはずであった食材が行き場をなくしてしまいました。売れ残ってしまった食材をお取り寄せする通販が話題となりましたよね。
消費者庁では、新しい生活様式での食品ロス削減の工夫として、捨てられてしまう農産物などを取り扱うインターネットサイトの活用を挙げています。また2021年6月の時点では、農林水産省の補助金もあり、お取り寄せは経済的なメリットもあるのです。

お取り寄せの方法

廃棄されてしまう食材を購入するには、インターネットサイトでのお取り寄せが一般的です。食品ロス食材を専門に扱うインターネットサイトがいくつもあります。

たとえば『KURADASHI』は、フードロス・食品ロス削減に貢献する、日本初・最大級の社会貢献型ショッピングサイトです。最大97%OFFでお得にお買い物しながら、社会貢献にもつながります。

おトクな買い物でフードロス・食品ロス削減|Kuradashi(クラダシ)
Kuradashiは楽しいお買い物で、みんなトクするソーシャルグッドマーケット!毎日のお買い物が、社会や地球をよくすることにつながります。フードロス削減だけでなく、売り上げの一部で社会貢献活動を支援する仕組み。かしこまらず、誰でも気軽にソーシャルグッドに参加できます。Kuradashiでおトクにフードロス・食品ロス削減...

2021年6月現在、農林水産省では、これらのサイトで対象の農産物を購入する際に利用できる補助金を出しています。
認可されているサイトで対象の農産物を買った場合に、送料が無料になります。取扱商品すべてが対象ではありませんので、サイト内をよく確認の上ご利用ください。

まとめ

食品ロスは、SDGsの目標の中でも家庭で取り組みやすいものの1つです

食品ロスは、SDGsの目標の中でも家庭で子どもと一緒に取り組みやすいものの1つです。またドギーバッグや廃棄食材のお取り寄せなど、新しい取り組みも増えていますが、これらを活用すれば家計も助かりますよね。一般的に、食費は家計の約3割を占めると言われているため、家計のやりくりに、食費の節約は欠かせません。
ここでご紹介した内容が、親子で取り組む参考になれば幸いです。

参考:
もったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう | 政府広報オンライン
食品ロスについて知る・学ぶ│消費者庁
今日からはじめる食品ロス削減のためのヒント│農林水産省
計ってみよう!家庭での食品ロス│消費者庁
ドギーバッグ普及委員会
飲食店等における「食べ残し」対策に取り組むに当たっての留意事項│消費者庁、農林水産省、環境省、厚生労働省
災害時に備えた食品ストックガイド│農林水産省
できることから始めよう!防災対策 第3回‐内閣府防災情報のページ
参考:新技術を活用した食品ロス削減に効果的なビジネス│農林水産省

文:COE LOG編集部

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