「SDGs(エスディージーズ)」という言葉、聞いたことはありますか?「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで193 加盟国の全会⼀致で決まった国際⽬標です。世界中に広がり始め、日本の小中学校でもSDGsを授業に取り入れたり、企業でも経営ビジョンに掲げたりするところが増えてきました。
SDGsを聞いたことがない。聞いたことはあるけどよく分からない、うまく説明できない、となると・・・子どもの方が詳しい!なんてこともあるかもしれません。
今回は、学校・企業でも広がっている「SDGs」とは何か。私たちの生活とのつながりなどをご紹介します。
認知率は1/3・・・SDGsって?
国際目標として掲げられているSDGsですが、日本国内の認知度は約33%(※2020年3月15歳~69歳の3017人の男女を対象にしたWEBアンケートより)。新聞やテレビ等のメディアでも取り上げられて、認知度は上がってきていますが、まだまだ低いのも現状です。
世界では、貧困、紛争、テロ、気候変動、資源の枯渇など…これまでもさまざまな問題が取り上げられてきました。世界経済の発展で、大量生産、大量消費、大量廃棄がおこなわれ、地球の持続可能性が危ぶまれています。これから先、世界中の人々が誰一人として取り残されることなく安心安全に暮らしていけるように。2030年をゴールとしてSDGsの17目標が掲げられています。
10年後の2030年は、今の子ども達が社会で活躍する頃。私たちママ・パパ世代はもちろんのこと、これらの取り組みは子ども達の未来へつながる大切な目標です。
中学生向けに作成された、分かりやすい資料もあります。
<私たちがつくる持続可能な世界>外務省・日本ユニセフ協会作成
小学校・中学校で広がるSDGs
取り組み方はまちまちですが、総合学習の時間や教科学習の時間の中でSDGsを学んでいる学校があります。また、民間団体による出前授業など、普及活動も進んでいます。
<学校SDGs普及委員会(事務局:ひふみコーチ)>では、学校や子ども向けにSDGsの普及と未来の夢を描く「MIRAI MAP(R)」の授業をおこなっています。コーチング(※)のメソッドを使って「好き」や「得意」を引き出し、夢を描くワークショップを小学生・中学生・高校生向けに開催。SDGsを学び、それを起点にして考えたときに、自分の夢をどう描くか。対話やゲームなどを交え、自分だけの未来マップをカタチにしています。
子どもにも分かりやすいよう、SDGsの学習もおこないます。
学校SDGs普及委員会作成:SDGs解説動画
SDGsを学んだ後に作成した未来マップで、子ども達はこんな目標を掲げています。
![]() | SDGsの9番(産業と技術革新の基盤をつくろう)をかなえるために、私は「たくさんの人の役に立つ発明家になります!」 (東京都:小学1年生) |
![]() | SDGs17番(パートナーシップで目標を達成しよう)を叶えるために、私は「みんなを元気にする人気歌手になります!」 (東京都:小学3年生) |
![]() ![]() | SDGsの1番(貧困をなくそう)と4番(質の高い教育をみんなに)をかなえるために、私は「縁の下の力持ちとして、大好きな漫画のスーパーアシスタントになります!」 (青森県:中学1年生) |
![]() | SDGsの2番(飢餓をゼロに)をかなえるために、私は「食べた人を笑顔にするスーパー農家になります!」 (青森県:中学1年生) |
ワークショップでは、大人もびっくりするような発想や視点で、将来の夢をイキイキと語ってくれる子どもがたくさんいるそうです。
(※コーチングとは: “教えない”指導法。質問などによって、自ら考え、自ら動き、自ら結果を出す人を育てます。)
企業に広がるSDGs
SDGsで目標として掲げている社会課題の解決に、積極的に取り組む企業も増えています。
2018年に経済産業省が「SDGs経営ガイド」をまとめ、企業理念や中期経営計画の中で取り組みの方針をかためるなど、各社が動き始めてきました。
COE LOGを運営する中部電力でもSDGsの取り組みを掲げています。
また、COE LOGはサービス開始時からSDGsの3つの理念をもとに運営しています。
![]() | 子どもの成長や可能性を広げる 機会を提供する |
![]() | 子育て世帯が安心して働ける 社会を目指す |
![]() | 安心して子育てできる 地域を目指す |
COE LOGは、子育てに関する情報発信を通して、「安心」「安全」「便利」「つながる」を大切に、皆さんの生活を応援しています。
最後に
未来を担う子ども達にとって重要な、これから解決していくべきSDGsの課題。大切なのは、世界共通の課題解決に向けた17目標について自分ごととして考えること。
一人ひとりの夢や取り組みが持続可能な社会につながるという認識を持つこと。 私たちの生活の身近なことが、17の目標につながっています。お子さんと将来の夢や進路の話をするときに、親子で一緒にSDGsについても話せるとよいですね。
参考:SDGsと日本の取り組み(外務省HPより)
文:三輪田理恵
<2021年3月18日追記>
本記事がきっかけとなり、愛知県春日井市立中部中学校さまで「SDGs解説動画」を使った授業が行われました。授業を受けたのは、2年生9クラスと、3年生8クラス。
SDGsはこれまで家庭科で学んできた内容であり、今回の授業はその集大成となったとのことです。
生徒からは、地球温暖化や食品ロス、フェアトレードなどの問題に対してみんなで行動できるようにしたいという感想が。 また、学習教材として「動画の影響力は大きい」というアンケート結果がでました。
COE LOGの記事が学校教育の役に立つことができ、編集部として大変喜ばしい気持ちです。
ぜひ他の学校さまにもご利用いただき、ご感想など声をお聴かせください!