子どもはどうやって成長する?大人の関わり・友の関わり

子どもはどうやって成長する?大人の関わり・友の関わり

「おじいちゃん、不思議なもの見つけた!」
孫娘が大声で玄関先から私を呼びました。
外に出てみると、目を丸くしながら、大事そうに何かを片手に持っています。
「ポストにくっついてたの。誰かからのプレゼントかなあ。」

よくよく見ると、サナギです。
形から推測するとアゲハチョウのようでした。
「きっと、春になったら動き出して、顔を見せてくれるはずだよ。大切にしてあげてね。」

後日両親から聞いた話で、彼女は小さな宝箱に綿を敷きつめて大事にしているとのことでした。
美しい翅(はね)をひらめかせ、優雅に舞うチョウを見ていると、見入ってしまいます。
そして、手を伸ばしても、ひらひらと手をかわし、捕まえることができません。
子どもが成長してひとり立ちし、世の中に羽ばたき出した姿によく似ています。
今回は、子どもがどのように大人になっていくかについて、チョウになぞりご紹介していきます。

筆者:山下由修

  • 静岡市内小・中学校で勤務 、清水江尻小学校校長として、県内初のコミュニテイ・スクールの創設・運営
  • 大里中学校校長として、フレックス制勤務体制の確立、校内フリースクールの開設、プロジェクト型校内組織運営に着手
  • 2019一般社団法人シヅクリを創設、静岡を人材育成に奔走中

一般社団法人シヅクリ
『シヅクリ』という名前は、「子」ども成長、教「師」・大人に成長、高い「志」、「静」岡の未来に尽力したいという思いを込めています。
シヅクリプロジェクトに関わる全ての子どもたちや先生方、地域の方々が、自分の本当に大切にしたいことを真ん中に置いて、皆で地域の未来を創造することを目指しています。

児童期の成長は幼虫に似ている?

児童期の成長は幼虫に似ている?

共通点1:どんどん食べて大きくなる

卵からかえった幼虫は活発に動き回りながら食べ続け、あっという間に何十倍もの大きさに成長していきます。

児童期は毎日がワクワクの連続で、見るもの聞くもの全てをすごい勢いで自分の中に取り込んでいきます。大人から学び、友達を取り込み、自主性を身につけていきます。

共通点2:脱皮を繰り返して大きくなる

幼虫は4、5回の脱皮を重ねます。脱皮は、チョウにとっては大仕事で、外側の皮膚だけ残して消化し、一回り大きく生まれ変わっていきます。

児童期は大人が対人関係の中心であった時期を経て、友達と過ごす時間が多くなります。高学年になると親よりも友達との関係を大切にするようになり、自分自身を形づくっていきます。

共通点3:この時期に大きさが決まる

この時期の重要ポイントも共通しています。
幼虫の大きさはそのまま成虫の大きさとなります。児童期の体験と経験は生涯の自身のコアとなります。

青年前期の成長はサナギのよう?

やがて幼虫はサナギになります。
サナギ時代は青年前期(中学生)と類似した点が見受けられます。

共通点1:自分自身を作り直す

幼虫と成虫の体つきは全く別の生き物かと思えるほどの違いです。しかし、サナギはそのような大変身をするための準備の時期。じっとして動かないですが、厚い殻の中では、ドロドロの液体になって体をすごい勢いで作り替えているのです。

青年前期は、大人への移行期であり、身体的にも精神的にも不安定な時期です。しかし、その不安定さこそが飛躍的な変化を生み出します。
自己を統合したり、捨てたりしながら、新しい自己を確立していくのです。

共通点2:環境が大きく影響する

サナギの色は環境によって変わります。
サナギは環境に応じた保護色となるため、表面がざらついている場所では茶色に、つるっとしている場所では緑色になります。

青年前期は互いの共通点や類似点を言葉で確かめ合うことによって仲間関係が広がり、深まっていきます。誰と出会い、何をするのか、その影響が成長に大きく作用します。

共通点3:むやみに触ると大けがになる

この時期の重要ポイントも共通しています。
サナギは触られたり、大きな振動があったりするとうまく成虫に羽化できなくなることがあります。

青年前期は同世代との関係性が重視されるがゆえに、大人がよかれと思ってしたことが「傷」となることがあります。

『人は、人を浴びて人になる』

アゲハチョウはミカン科の植物、モンシロチョウはアブラナ科の植物のまわりでよく見かけます。

アゲハチョウはミカン科の植物、モンシロチョウはアブラナ科の植物のまわりでよく見かけます。それは、幼虫時代はその葉を食べて成長し、サナギとなり、成虫も花の蜜を吸うからです。
つまり、ミカン科やアブラナ科の植物に依存して生活しているということなのです。

私たちはどうでしょう。
『人は、人を浴びて人になる』と言います。人は自分が誰であるか、自分だけではわかりません。それを教えてくれるのは自分以外の人、つまり他者です。
名前でさえもそうです。人が自分の名前を言えるのは、子どもの時に何度も親(=他者)から名前を呼ばれたからです。
つまり、自己は「人との関係の上に成り立っている」のです。人には名前以外にも、性格や意志、感情、知識、経験、思想などさまざまな要素があります。それらをまとめて「人間」と言うならば、人を「人間」にするのもしないのも、他者との関係なのです。

特に児童期や青年期前期は仲間との関係が成長の糧となるのです。

小さな宝箱の中で脈々と息づいているサナギは春、美しい羽を広げて舞いはじめることでしょう。
目に入れても痛くない孫娘はどんな仲間に出会い、いかなる自分らしさを見つけ出し、世の中に飛び出していくことになるのでしょう。
そんな日を夢に見ながら、子どもに影響を与える一人として、浴びるのにたるよう自分を磨きながら、その節々の成長を見守り続けていきたいと思います

文:山下由修

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