リフレーミングとは?物事をポジティブに変換する賢い声がけ活用法

リフレーミングとは?物事をポジティブに変換する賢い声がけ活用法

何気なく言われた一言に、やる気が出たり・なくなったり、元気になったり、落ち込んだり。日頃の周りからの声がけで、人の心はポジティブにもネガティブにも動きます。リフレーミング(reframing)とは、物事を捉える枠組み(フレーム)を変えて、理想的な状態にすること。ポジティブな言い換え、とも言えます。毎日のコミュニケーションに取り入れられれば、相手の前向きな気持ちを引き出したり、良好な関係を築いたりすることに役立ちます。職場や家庭でカンタンにできるリフレーミングのコツについて、メンタルコーチのえつこさんにお話を聞きました。

えつこさん

メンタルコーチ:えつこさん

すべての子どもが素晴らしい能力を持っています。
ママの接し方次第で、そのチカラを引き出してあげることができますよ。

リフレーミングとは?

リフレーミングとは、心理学の言葉で「物事の捉え方を変えて、別の枠組みで捉え直すこと」を言います

リフレーミングとは、心理学の言葉で「物事の捉え方を変えて、別の枠組みで捉え直すこと」を言います。
短所や欠点、マイナスだと捉えていることも、別の枠組みで捉え直すと長所や利点、プラスな面が見えるというもの。

たとえば、コップに半分水が入っているときに、

A:もう半分しかない
B:まだ半分もある

事実は同じですが、どちらで捉えるかで、感じ方が変わってきます。
発明王エジソンの残した有名な言葉で以下があります。

私は失敗したことがない。
ただ、1万通りのうまく行かない方法を見つけただけだ。

エジソンは「うまくいかなかったこと」を、失敗したと捉えてはいません。そのおかげで成功することができたと言っています。

物事のポジティブな面に光を当てることで、見え方が変わり、よりよい心の状態をつくることができます。

リフレーミングで自己肯定感UP

自己肯定感は、ありのままの自分のことを受け入れて、認められる感情です。自己肯定感が低いと「自分は何をやってもダメな人間だ」と考えてしまいがち

子育て中のママやパパであれば、リフレーミングによって、子どもの自己肯定感を高めることもできます。
自己肯定感とは、ありのままの自分のことを受け入れて、認められる感情。自己肯定感が低いと「自分は何をやってもダメな人間だ」と考えてしまいがち。
自己肯定感を高めるには、子どものありのままを尊重し、プラスの声がけをしてあげることが大切になります。
また、大人同士のコミュニケーションにおいても、リフレーミングによって相手のポジティブな感情を引き出すことができます。やる気を上げることにもつながっていくでしょう。
ぜひ日々の声がけに活用してみてください。以下で、具体的なリフレーミングの進め方をご紹介します。

リフレーミングの3ステップ

リフレーミングは以下の3ステップでおこないます。

  1. 事実を正確に捉える
  2. 現状の枠組みを見つけ出す
  3. 別の枠組みを見つけ出して捉える

一度起きてしまったことを、過去に戻して変えることはできません。しかし、上手くいっていない出来事・内容に対して、捉え方を見直すことはできます。
まず、事実を正確に捉えた後に
「このことは、他のどのようなことに役立つか?」
「このことで見出せた良い面はないか?」
「もし○○だったらどうなっていたか?」
などの質問を問いかけてみましょう。また、
「自分の視点で見るとどうか?」
「第三者の視点で見るとどうか?」
「将来的な視点で考えるとどうか?」
など、視点を変えることでも、新たな枠組みで捉えられるきっかけになります。

たとえば、

子どもがクラブ活動でケガをしてしまった時

ケガをしてしまったのは残念なことですが、

  • この程度のケガで済んでよかった
  • 時間が出来たことで、今までできなかったことに時間を使えた
  • ケガをしたことで、フォローをしてくれた周りの人の優しさに気づけた
  • ケガをしない方法を考えるよい機会になった

・・・などがあげられるかもしれません。

仕事でミスをしてしまった時

ミスをしてしまったことは残念なことですが、

  • 早く気づけたことで、損失を最小限に食い止めることができた
  • 事前準備の大切さを知ることができた
  • 自分の仕事の進め方を見直すきっかけになった
  • ミスをした時の対応方法を学ぶことができた

・・・などがあげられるかもしれません。

探してみると、さまざまなことに気づけるはずですよ。

言葉のリフレーミング

日頃の子どもへの声がけで活用できる、言葉のリフレーミングもたくさんあります

日頃の声がけで活用できる、言葉のリフレーミングもたくさんあります。
たとえば、「飽きっぽい」はネガティブに聞こえますが、見方を変えれば「好奇心旺盛」「自分の気持ちに素直」ということも言えます。
以下に、言葉のリフレーミングの例をあげます。

□ うるさい
→にぎやか、明るい

□ 怒りっぽい
→感情表現が豊か、エネルギーがある

□ 心配性
→細かいことに気づける

□ 大人しい
→協調性がある

□ 変わり者
→自分の世界を持っている

□ 頑固
→自分の意見がある

□ 未熟
→ノビシロがある

普段のコミュニケーションでも、自然にこれらの言葉を使っている人がいるかもしれません。
リフレーミングでポジティブな声がけをしてあげることは、相手を尊重することに。そしてそれが、相手の自己肯定感を育むことにもつながっていきます。
また、言葉を発している本人とっても、プラスの言葉を使うことでよい心の状態をつくっていけますよ。
ぜひ、日頃からリフレーミングを取り入れてみてくださいね。

最後に

子どもにどんな声をかけるか、どんな言葉を伝えるか。日頃の家族内での会話が、子どもの人生に影響を与えます

「褒めなければ!」と言葉だけでリフレーミングするのではなく、心からプラスの側面に目を向けるようにしていきましょう。
日頃の家族内でどのような言葉を使うかが、子どもの人生に影響を与えます。これには、親同士の会話も含まれます。
「家系的に算数が苦手よね」「お父さんに似て走るのが遅いよね」など、何気ない会話も、子どもの自己肯定感を下げることになりかねません。
また、職場でどのような言葉を使うかが、社内のメンバーの仕事に対するモチベーションを大きく動かすともいえるでしょう。

マザーテレサの残した言葉に以下があります。

思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。

物事のプラスの側面に目を向けること。リフレーミングを活用して、プラスの声がけをすることで、それが行動を変え、習慣を変え、性格を変え、運命を変えることにつながっていくかもしれません。
リフレーミングは、繰り返し使うことでどんどん上手くなっていくので、ぜひ今日から試してみてくださいね。

えつこさん
メンタルコーチ:えつこさん

金融機関勤めだった経験を活かし、これまで、500人以上のお金と人生の相談に乗ってきたプロコーチ。多くの女性の悩みに寄り添い、子育て相談にも応じる。子ども2人はすでに結婚。孫1人。
https://sinshouyorokobi.com/

文・聞き手:三輪田理恵

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