高校授業料無償化、所得制限は?実質いくら準備すべき?

高校授業料無償化、所得制限は?実質いくら準備すべき?

子供の教育費は、家計の不安の1つではないでしょうか。特に高校・大学は選択次第では授業料が高額となり、将来子供の志望校にいかせてあげられるか心配になる方もいるかもしれません。ここでは高校の授業料や塾代などの平均額と、現行の無償化制度の内容、所得制限について解説します。

高校授業料無償化、所得制限は?

高校の授業料が実質無償化になる「高等学校等就学支援金制度」が、2020年から私立高校の授業料にも適用され、家計への教育費の負担が軽くなりました。

高校の授業料が実質無償化になる「高等学校等就学支援金制度」が、2020年から私立高校の授業料にも適用され、家計への教育費の負担が軽くなりました。
ただし、世帯年収などの条件を満たしていなければ制度を利用できません。
無償化となる条件を見てみましょう。

支給額と所得制限

「高等学校等就学支援金制度」は、公立高校・私立高校の授業料負担を軽減する国の制度です。
全国約8割の高校生がこの制度を利用しているそうです。
支給される額は、

  • 公立高校では、年間11万8800円
  • 私立高校では最大39万6000円

です。

ただし対象となるのは、世帯年収や世帯人数の条件を満たした人のみです。
現行の制度では、子供2人(高校生と中学生以下)で共働きの場合、世帯年収が約1,030万円以上の世帯は、無償化の対象外です。

【世帯年収の目安】
◇私立高校39万6000円支給の目安年収

  • 夫婦共働きの場合…
    子供が大学生1人・高校生1人…約740万円未満
    子供が高校生2人…約720万円未満
    子供が高校生1人、もしくは高校生1人・中学生未満1人…約660万円未満
  • どちらかが一方が働いている
    子供が大学生1人・高校生1人…約650万円未満
    子供が高校生2人…約640万円未満
    子供が高校生1人、もしくは高校生1人・中学生未満1人…約590万円未満

◇公立・私立11万8800円支給の目安年収

  • 夫婦共働き
    子供が大学生1人・高校生1人…約1,090万円未満
    子供が高校生2人…約1,070万円未満
    子供が高校生1人、もしくは高校生1人・中学生未満1人…約1,030万円未満
  • どちらかが一方が働いている
    子供が大学生1人・高校生1人…約960万円未満
    子供が高校生2人…約950万円未満
    子供が高校生1人、もしくは高校生1人・中学生未満1人…約910万円未満

参考: 所得基準に相当する目安年収(例)/文部科学省

記載した年収は、あくまで目安です。正確な世帯年収は、市町村民税の課税対象額をもとに算出されます。

私立高校でも実質無料の場合も

国の支援金制度以外に、独自の私立高校の授業料への支援制度がある都道府県もあります。

東京都の私立高校無償化制度とは

東京都の場合、「私立高等学校等授業料軽減助成金」という制度が該当します。
この制度では、条件を満たした私立高校の学生に対して、最大34万8200円が支給されます。
国の就学支援金11万8800円と併せて、最大46万7000円。
令和2年度の東京都の初年度の授業料が、46万3000円ですので、私立高校でも実質無償で通えるということです。
ただしこの制度も、世帯年収や世帯人数をもとに基準が定められています。
目安となる世帯年収は910万円未満です。
現行の制度では、世帯年収910万円未満の家庭では、私立高校の授業料が無償化になる可能性があります。(2021年5月現在)

愛知県は入学金も対象に

愛知県では、授業料のほかに私立高校の入学金への支援制度もあります。
年収に応じて最大20万円の助成金が支給されます。
授業料への支援は、最大で29万4000円。
国の就学支援金と併せると、41万2800円です。
こちらは現行の制度では目安となる世帯年収が720万円未満程度とされています。
ただ世帯人数や子供の年齢により基準となる世帯年収は異なります。(2021年5月現在)
現行の制度では、地域により一定の世帯年収以下であれば私立高校でも実質無料で通えることがわかります。

一点注意したいのは、この助成金は後払いだという点です。東京都の場合、支払いは通常12月です。ひとまず手元に資金が必要となりますので、特に1年目は注意しましょう。
また補助の対象や金額は都道府県ごとに異なります。
お住まいの地域の制度を確認してみて下さいね。

高校の授業料はいくら?

子供が生まれると、将来の教育費が気になってきますよね。特に義務教育以降の高校・大学は、私立に通うと入学金や授業料が高額

子供が生まれると、将来の教育費が気になってきますよね。特に義務教育以降の高校・大学は、私立に通うと入学金や授業料が高額。必要な教育費の目安を知り、早めに貯蓄をスタートすれば余裕をもって貯められます。
まずは、公立高校と私立高校にかかる費用をみてみましょう。

【公立・私立の高校にかかるお金(授業料以外も含む)】
(単位:円)※平成30年度子供の学習費調査/文部科学省より※平成30年度子供の学習費調査/文部科学省より

文部科学省が実施した平成30年度子供の学習費調査によると、公立高校3年間にかかる学費は約85万円。
私立高校では約215万円となっています。
これは授業料だけでなく、教科書代、学校納入金、通学費、制服代など学校にかかる費用の合計額です。
私立の場合、入学時に学校納入金がかかるため、1年時の費用は高額です。私立高校に通い上記の費用をすべて支払うとなると、家計への負担は軽くはありません。
ただしこの費用のうち、授業料は国の就学支援金や都道府県の助成金が受けられる可能性があります。
公立高校はこの調査時点の平成30年度にすでに無償化がスタートしており、対象となる世帯も多く含まれます。
実際にかかる費用は、上記の表中の金額よりも高い層と安い層に分かれるでしょう。

公立・私立、「授業料」の差は?

国の就学支援金制度や都道府県ごとの助成金制度は「授業料」が対象です。最新の公立・私立の授業料を見てみましょう。

公立高校の授業料は11万8800円

公立の場合は都道府県ごとに決められています。東京都や大阪府、愛知県など多くの地域で11万8800円(年額)です。
国の就学支援金制度が受けられれば、現状この11万8800円が無償となります。

私立高校の授業料は35~60万円前後

私立高校の授業料は、学校ごとにさまざまです。地域ごとにも、金額に開きがあります。
令和2年度の私立高校(全日制)の初年度の授業料の平均額を見ると、東京・神奈川では約45万円、愛知県では約42万円、大阪府は約59万円となっています。
私立高校の授業料は年々上がっており、今後もさらに高くなることが予想されます。
東京都や大阪府、愛知県では、この5年間で初年度の授業料が2万円程度高くなりました。
ただ私立高校向けの支援制度がある都道府県もあり、実際の費用負担は地域や世帯年収により異なります。
では、実際にはいくら準備すべきなのか、次章で解説します。

高校の学費、いくら準備すべき?

東京都内の私立高校に通う場合の学費について、実際にいくらかかるのか、授業料への支援がある場合とない場合でまとめました

子供が小さいうちは、高校生になったときに私立に通うか公立に通うかはわかりませんよね。
ただ備えは万全の方が安心。
東京都内の私立高校に通う場合の学費について、実際にいくらかかるのか、授業料への支援がある場合とない場合でまとめました。

(単位:円)※就学支援金11万8800円支給の場合※就学支援金11万8800円支給の場合

塾代などの学校外活動費を含めると、支援を受けられない場合は300万円を目安に貯める必要がありそうです。
授業料無償の対象世帯では、学校にかかる費用だけを準備する場合は150万円が目安です。

小学校入学を控えた6歳から貯め始める場合、入学時点までに目標額を貯めるには、
300万円を貯める場合には、年間30万円、月々2万5千円
150万円を貯める場合には、年間15万円、月々1万2500円
が、必要です。
この額は、あくまで高校にかかる費用に対する準備資金。大学に進学する場合は、さらに貯蓄が必要です。

こちらでご紹介している金額は、平成30年度の平均額と令和3年度の制度をもとに算出した目安の額です。
いま小学生の子が高校になるころには、高校にかかる費用はこの通りとはいかないでしょう。
近年の傾向としては、学費は年々高騰しているものの、国や自治体の支援額も増えています。

さらに悩ましいのが、学校外教育費である塾代ではないでしょうか。
学校以外にどれだけの費用をかけるかは、学校の環境やご家庭の考え方次第です。
大学付属の私立高校や受験のサポート体制が充実している高校であれば塾代はかからないかもしれません。
また夏休みの短期講習などのみを受講し、普段は家庭学習で受験勉強を進める子もいます。
塾は用意できる費用の範囲内で通うなど、家庭で今のところの予定を立て、必要となる費用をシミュレーションしてみて下さいね。

世帯年収が高いと損な気もする…

現行の授業料に対する支援制度は、世帯年収が高いと自己負担が増えるというもの

現行の授業料に対する支援制度は、世帯年収が高いと自己負担が増えるというものです。
働き方を調整して年収を下げたほうが、受けられる恩恵が大きいと考えると、働き損な気もします。
頑張って働くのがいいのか悩む方もいるかもしれませんね。
ただそれだけを理由に仕事を辞めてしまったり、時短勤務にしたりすると、世帯収入が下がり家計を圧迫してしまうかもしれません。

働くことで得られる手取り収入やキャリアと授業料への支援を天秤にかけると、働いた方がメリットの大きい場合が多いでしょう。
私立高校に通う場合でも、支援の合計額は40~45万円程度。(国の就学支援金+都道府県の助成金)社会保険の扶養の範囲内(年収130万円未満)で働く場合でも、手取り収入の方が多いはずです。
今後の塾代や大学の学費に備えるためにも、共働きを続けた方が安心できるでしょう。

算出の対象はいつの年収?

国の就学支援金の受給資格は、入学時に提出する書類をもとに毎年審査があります。
住民税額が更新される7月ごろに都道府県が認定します。
住民税額は、毎年1月から12月の年収をもとに翌6月ごろに確定するスケジュールです。
つまり高校入学1年目の算出は、子供が中学2年の1月から中学3年の12月の間の年収が対象です。
直近の月収ではありませんので、もし収入を調整する場合などにはご注意くださいね。

まとめ

2020年から、私立高校の授業料も一部無償化がスタートしました

2020年から、私立高校の授業料も一部無償化がスタートしました。
現行の制度では、共働きで子供2人の場合、世帯年収約1030万円以上になると支援が受けられません。実際には所得制限など基準が複雑です。詳細が気になる方は都道府県の窓口に確認してみてください。
ただ、いま未就学児や小学生が高校生になるころに学費や制度がいくらなのかはわかりません。
ここでご紹介しいている学費を目安に、最低限の費用は貯めておくと安心ですね。

参考:
私立高等学校(全日制)の初年度授業料等について(平成28年度~令和2年度)文部科学省
私立高校の学納金と奨学制度について│愛知県私学協会
私立高等学校等授業料軽減助成金事業│公益財団法人東京都私学財団
高等学校等就学支援金制度│文部科学省

文:COE LOG編集部

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