子育てをしていると、うれしいことや楽しいことだけでなく、落ち込んだり、イライラしたりする日もありますよね。そんな時、誰かに話を聞いてもらうだけで、心がすっと軽くなり、前向きな気持ちになることはないでしょうか。
「ラジオDJ堀江美穂と読者のひろば」では、3人の子どもを育てるママでもある堀江さんが、読者のメッセージに回答。子育て中のパパ・ママに寄り添い、読者の皆さんとつながる場になればと思います。
愛知県名古屋市出身。高校卒業後に渡米し、ダラス・バプティスト大学メディアコミュニケーション学部卒業。2003年からZIP-FMのミュージック・ナビゲーターに。現在は「Bagel&M」(愛知北エフエム放送)、「太郎ちゃんの元氣がでるラジオ」(FM AICHI)に出演中。JADP認定チャイルドコーチングアドバイザーやJADP認定家族療法カウンセラーなどの資格を持ち、プライベートでは高1、中1、小4の3人の子どもを育てるママ。
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読者(45歳・女性)からのメッセージ
中3の子どもが精神的な原因からくる体調不良で学校に行けなくなり、1年が経ちました。途中、精神科の病院に入院し、いったんは回復。本人の「行く」という言葉もあり、再び登校することにしました。しかし、家を出る数分前に「やっぱり行くのをやめる」と言い出し、結局行けないままです。
周りの人はよく、「学校に行かなくてもいいんだよ」と言います。実際、学校に行っていなかった人の中にも幸せに暮らしていたり、成功したりしている人がいるのも知っています。ただ、それはほんの一部の人たちで、大半の人は勉強が遅れ、うまく人とコミュニケーションがとれず、社会に出られないままなのではないでしょうか。
「学校に行かないこと」を美化する人たちが、私の子どもの人生の責任をとってくれるわけではありません。そんな人たちが「よかれ」と思って口にする言葉に傷つき、「何も分からないくせに!」と思ってしまう自分がいます。こんなことを思う自分が嫌になり、出口が見えず苦しいです。
堀江さんのメッセージ
このお母さんの気持ち、ものすごく分かります。私も長女と長男が不登校になった時、全く同じことを思っていました。同じように苦しい時期がありました。
私たち親世代が子どもだった頃と違って、今は学校に行かないことを肯定する空気があるように思います。子どもが不登校なのを知ると、周りから、「無理して行かなくてもいいよ」とか「学校が全てじゃないからね」と言われることがあります。でも、親として子どもの将来を考えた時、先が見えないんですよね。私も、「このままずっと行けなかったら、どんな大人になるんだろう」ととても不安な気持ちになりました。
うちの場合、息子が学校に行きづらくなったのは小2の時で、1人で家に置いておけない年齢でした。そうすると、「私が仕事を休むの?」という話になりますよね。不登校の子が日中を過ごすフリースクールも存在しますが、高額な費用がかかるところが多いです。仕事を休むだけでなく、お金がかかるとなると生活も心配。どうしていいのか分からず、出口の見えない暗闇の中にいるような気持ちでした。
でも、ある時から「この子は大丈夫」と、長女と長男を信じることにしたんです。根拠は何もなかったけど、特に長女の場合、朝にはちゃんと起きてきて、リビングで家族と会話をし、笑顔もあったので、「別に学校に行っていなくても、この子は大丈夫」と思えたんです。
このお子さんが今、どんな状態なのかは詳細に分かりませんが、もし自室にこもりきりで、家族と会話もない状態だったとしても、「この子は大丈夫」と信じてあげてください。お子さんに向かって、「大丈夫だからね」と口に出して言ってあげるのもいいと思います。
お子さんにとって、今は家だけが唯一の安全な居場所。ゆっくり休んで、エネルギーをためている最中です。そこで、「なんで行かないの!?」なんて怒ったり、悲しんだりしたら、お子さんが安心して過ごせる場所がなくなってしまいます。ですから、「この子は大丈夫」という気持ちを持って、お母さんが笑顔でいることを心掛けてください。
十分にエネルギーがたまったら、こちらが何も言わなくたって、きっとまた動き出すはず。中3なので、進路が気になる時期だと思いますが、小・中学校より、高校の方が、選択肢が多いと感じています。通信制高校もあれば、美容やアニメなど、好きなことを学べる学校もあります。今の時間を好きなことや、やってみたいことを探す時間に充てるのもいいと思います。
周りの無責任な言葉に傷つき、振り回される気持ちはよく分かります。でも、周りその言葉のせいで、お母さんから笑顔が消えてしまえば、お子さんだって不安になります。それだったら、「単なる知り合いには相談しない」と割り切ってしまうのもいいと思います。この気持ちを受け止めてくれたり、同じ気持ちを共有したりできる人にだけ話す。今はお子さんのことを1番に考え、笑顔でいることを大切にしてくださいね。
メッセージ募集
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文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部
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