「保育園に行きたくない!」と子どもが嫌がる時の対処法は?

「保育園に行きたくない!」と子どもが嫌がる時の対処法は?

「保育園行きたくない!」と、子どもがぐずったり泣きわめいたりして困る。そんな経験をしているママも多いのではないでしょうか。もう保育園まで来ているのに・・・、これから会社に行かなくてはならないのに・・・。泣かれてしまうと後ろ髪を引かれるような、責められているような気持ちになってしまうことも。また、仕事に遅れてしまいそうで、苛立つこともあるでしょう。このようなとき、どう考え対応したらよいのでしょうか。

子育てアドバイザー 高祖常子さん

高祖常子さん(子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント)
資格は保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級ほか。NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか各NPOの理事や行政の委員も務める。子育て支援を中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。著書は『男の子に厳しいしつけは必要ありません』(KADOKAWA)、『感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。3児の母。

保育園に行きたくないのはなぜ?

「保育園に行きたくない」と子どもが泣く状況は、大きく2パターンに分けられます。

  1. 保育園に着いて離れる時に泣く
  2. 家を出る前に泣く

年齢にもよりますが、0歳、1歳などの預け始めの時期には、①保育園に着いて離れる時に泣く、が多いです。ママやパパに抱っこされていて、保育士さんにゆだねられるときに大泣きする。

子どもとしては、やはりママやパパと一緒にいることは、「安心で安全」が確保された状態です。よくわからない保育園という「場所」で、まだよく知らない「人」である保育士さんにゆだねられ、不安でいっぱい。親は、保育園が安心で安全な場所と知っていますが、子どもにはわかりません。泣くというのは、「不安や心配」のメッセージです。

②家を出る前に泣く、は、「園に行く」「親と離れる」と先の状況がわかっているということ。これは2歳、3歳くらいの子どもに多いと思います。「今日も保育園に連れていかれる」と感じ、それに対して抵抗している行動です。泣いたりぐずったりして、そもそも出かける支度をしなかったり。

理由としては「家で遊びたい」「もっとママやパパと一緒にいたい」ということもあります。「先生に叱られた」「友だちがいじめてくる」「給食が苦手」などの園生活の困りごとが原因であることも考えられます。

泣く子どもに、どう対応する?

泣いたりぐずったりした時、どうしたらいい?

「保育園に行きたくない」と泣いたりぐずったりした時、やってしまいがちなNG行動は以下です。

  • 「いい加減にしなさい!」などと怒鳴りつける。
  • 「保育園行かないなら、家に置いていくよ!」などと脅す。
  • 「まだ小さいから、言ってもわからないし・・・」と、保育士さんに託して黙って去ってしまう。

泣いたりぐずったりは「不安や心配」の表現です。上記の行動は、子どもの不安や心配を助長させてしまいます。

もし時間があれば、少し落ち着くまで抱っこして、話しかけるのがおすすめです。子どもに「大丈夫だよ」「保育園楽しいよ」「今日は何で遊ぶのかな」など、ゆったりした気持ちでポジティブな声がけをしましょう。

また、子どもは「このまま置いていかれて、ママやパパと会えなくなるのでは?」と心配になっています。低年齢であっても「これからお仕事、頑張ってくるね。夕方迎えに来るね」などと、しっかり声をかけていきましょう。わからないなりに、毎日の繰り返しによって「何か用事があるんだな。でも夕方になったら迎えに来てくれる」ということを、少しずつ理解していきます。離れ際は親自身、罪悪感を持ったりしないで、笑顔で別れることも大事です。

笑顔で別れることも大事

日中、保育園で楽しく過ごすことができれば、保育園が安心で楽しい場所だということがわかります。そうすれば預けるときに、だんだん泣かなくなるでしょう。子どもの泣き方はさまざまです。何週間も離れ際に泣く子もいますが、数日で泣かなくなる子もいます。また、離れ際に泣くけれど、しばらくするとけろっとして楽しく遊ぶ子も少なくありません

親が安心して保育士さんに任せている様子を感じれば、子どももだんだん安心して保育園での生活を楽しむことができるでしょう。

保育園の生活で困っている時は?

家を出かける前に泣く場合、子どもが保育園での生活で困りごとがある可能性もあります。「保育園に行く時間になると、泣きたくなっちゃうね。どうしてかな?」と子どもに聞いてみましょう。言語発達にもよりますが、3歳前後になれば、自分の気持ちを話してくれるかもしれません。
「先生が怖い」「友だちがいじめてくる」など、もし子どもから情報を聞けたら、保育士さんにも伝えておくとよいでしょう。大きな困りごとではなくても、配慮してくれるかもしれません。保育士さんともコミュニケーションをとり、保育園での様子を教えてもらいましょう。「保育園では、〇〇くんと楽しく遊んでいますよ」など、知らせてもらえると、安心できますね。

保育士さんともコミュニケーションを取り、保育園での様子を教えてもらいましょう

最後に

子どもが「保育園に行きたくない」と言っているときは、ママやパパを困らせようとして、ぐずっている訳ではありません。言葉でうまく伝えられない「気持ち」を表現しているのです。まずは、その気持ちに寄り添うことを大切にしましょう。
慣れてくれば、朝起きてからの生活リズムの中に、保育園に行く時間が組み込まれてルーティーンになります。そうすれば、子どもも安心し、泣くことが少なくなっていきますよ。

文:高祖常子

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