昨今の情勢から、今年は例年よりおでかけの機会が増えているのではないでしょうか?そして、少しずつ日差しが気になる季節になってきました。日焼け対策は、「夏だけすればいい」「昼だけすればいい」と思っている人は要注意!紫外線は1年中、朝も夕方も降り注いでいます。特に日差しが強くなる5月~8月の間は紫外線の量が増えるため、日焼け対策は万全に。ケアを怠っていると、のちの後悔につながってしまいます。今回の記事で、日焼け対策をしっかりと確認しておきましょう。
監修医:鈴木 幹啓(すずき みきひろ)先生
日本小児科学会認定小児科専門医。日本小児感染症学会・日本小児アレルギー学会・日本小児呼吸器疾患学会・日本小児皮膚科学会 所属。34歳で和歌山県新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院。心掛けていることは、患者ニーズを徹底的に追及する。患者様を不安にさせたまま帰宅させないこと。人口3万人弱の地方都市にも関わらず、日本一忙しい小児科医と称される。著書「日本一忙しい小児科医が教える~病気にならない子育て術~(双葉社)」三重県伊勢市出身。3児の父。
日焼けで将来、後悔するかも
今日は曇りだから…、室内にいるだけだし…、日焼け止めを塗らなくても大丈夫。そんな「まぁ、いいか」という気持ちでいると、思ってもみなかった日焼けダメージに、あとあと後悔するかもしれません。紫外線によるメラニン色素は、代謝が落ちる30代以降はスムーズに排出されにくいため、シミを作り出しやすくなってしまいます。
実は老化は生理的な原因で進む割合が20%、紫外線ダメージによるものが80%と言われています。日焼けによるダメージは、5年後、10年後の肌トラブルを引き起こすもの。日焼けダメージが蓄積して、あなたの将来の肌に影響します。
以下の項目で、普段の行動に潜む日焼けリスクを見ていきましょう。
日焼けリスクをチェック
- □ 日焼け止めを塗るのは晴れた日だけ
- □ 家にいる時は、日焼け止めを塗らない
- □ 標高が高い場所で過ごす時間が多い(タワーマンションやオフィスビルも含む)
- □ 日焼け止めを塗るのは、外出する直前だ
- □ マスクをしている時は、日焼け止めは塗らない
- □ 朝日や夕日を浴びるくらいなら、日焼け止めは塗らない
- □ 日焼け止めの塗り直しを行わない
- □ 朝シャンプーをしてから外出する
- □ ピーリングをよくする
項目に多く当てはまる人は、うっかり日焼けをしてしまっているかも。下記では、日焼けを防ぐ生活習慣や日焼けを防ぐ対策を6つご紹介します。
室内・曇り・日陰でも日焼け止め
「家にいるから日焼けしない」というのは、大間違い。室内や曇りの日、日陰であっても、日焼けはじわじわとやってきます。
気になる紫外線ですが、波長の長さから、「UV-A」「UV-B」「UV-C」に分けられます。そのうち、地表に降り注ぐのは「UV-A」「UV-B」の2つ。生活紫外線とも呼ばれる「UV-A」は長く浴び続けると、肌の奥(真皮層)へダメージが蓄積。コラーゲンが破壊されてシワやタルミの原因に。
曇りの日でも室内でも日焼けするのは、「UV-A」が雲や窓ガラスも透過してしまうからです。
レジャー紫外線とも呼ばれる「UV-B」は、肌表面への影響が大きい紫外線。紫外線の量は「UV-A」より少ないものの、日焼けによる炎症、シミソバカスの原因になってしまいます。
日焼け止めで目にする「SPF」は、「UV-B」を防ぐ指標。「PA」は、「UV-A」を防ぐ指標になります。日焼け止め選びは室内で過ごすだけなら、SPF15/PA++を目安に。屋外で過ごす時間が多い場合は、SPF30~50+/PA++++にするとよいでしょう。
室内の日焼け対策は、UVカットカーテンや窓にUVカットフィルムも効果です。
コロナ禍ですっかりと定着したマスクですが、日焼けケアに期待できるのはUVカット効果のあるマスクだけ。また、マスクで覆われていない目の周りの皮膚は薄く、おでこ・頬骨の位置は高いので紫外線ダメージを受けやすくなります。「マスクをしていれば日焼けはしない」と、油断するのは禁物です。
角質を取りすぎない
美肌のためにピーリングやあかすりをおこなっている人は、特に注意を。ピーリング前に日焼けをすると、炎症を起こしている部分の肌の細胞をさらに傷つけてしまいます。
そして、ピーリング後は、紫外線のダメージを受けやすい状態。日焼け対策を怠ると、炎症を起こしたり、シミができたりしてしまいますよ。
日焼け止めは、こまめに塗り直し
日焼け止めは、汗や摩擦で落ちてしまいます。また日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤は、紫外線を一定量吸収すると効果が落ちてしまいます。
朝塗ったからといって、塗り直さないでいると、日焼け止め効果は薄れてしまいます。日焼け止めは2~3時間ごとの塗り直しをおすすめします。
目の日焼けを防ぐ対策
目に紫外線が入ると、脳が強い日差しを判断してメラニンを生成。その結果、目からの紫外線でも肌が日焼けしてしまうといわれています。
正午など、日差しが強くなる時間帯は、日焼け対策にUVカット機能付きのサングラスをかけるようにしましょう。
サングラスのレンズの色は、濃い方がよいと思うかもしれません。ですが、実は色が濃いと目の瞳孔が開いて、紫外線が目に入りやすくなるリスクも。サングラスはレンズの色ではなく、UVカット率から選びましょう。
また目からの日焼けを気にせずにいると、シミやソバカス、ドライアイや白内障を引き起こすこともあるため注意が必要です。
唇の日焼けを防ぐ対策
実は唇が赤いのは、血管量によるもの。赤色の唇は、血行がよい証拠です。日焼け対策を怠っていると、唇が乾燥してガサガサに。唇がたるみ、シワが目立ってしまいます。
食事や会話でリップは落ちやすいので、UVカットリップクリームをこまめに塗り直しましょう。日焼けでダメージを受けてしまうと、唇の色がくすみ、老けて見えてしまいますよ。
髪の日焼けを防ぐ対策
髪は、うっかり日焼けをしやすい部位。日焼けダメージでキューティクルが剥がれたり、頭皮が乾燥してフケが出たり。薄毛や白髪の原因にもなりかねません。
日焼け対策としては、帽子・日傘・髪用の日焼け止めスプレーなどがおすすめ。帽子のツバの紫外線のカット率は、3cmで約35%、7cmで約60%、10cmで約70%。白よりも、黒やネイビー色が日焼けをしにくくすると言われています。
また、頭皮の脂は、シャンプーなどで髪を洗った後、数時間後に通常の分泌量に戻ります。頭皮を保護してくれる脂が少ない状態で外出をしてしまうと、紫外線のダメージを受けやすくなることに。
そのため、髪の毛を洗うのは朝ではなく、夜の方がよいでしょう。
最後に
屋外・室内を問わず、日焼け対策は必要ですね。日焼け対策を怠っていると、年齢を重ねるにつれて、肌トラブルに悩まされることになりかねません。
将来、後悔しないように、日焼けに気をつけていきましょう。今回の記事を参考に、夏はもちろん、年間を通じて日焼け対策をしてくださいね。
文:林 日向子