【お仕事インタビュー】テレビ局ディレクター(メモ少年)

【お仕事インタビュー】テレビ局ディレクター(メモ少年)

将来の夢は何ですか? すでに決めている人もいれば、まだ悩んでいる人もいるかもしれません。きずなネットでは、進路や職業選びの参考にしてもらえるよう、その仕事に就いて活躍している人へのインタビューを実施。働く人の生の声を聞くことで、将来の夢を見つけるきっかけになればと思います。

今回は、メ~テレ(名古屋テレビ放送)の社員で、ディレクターの篠田直哉さん(メモ少年)です。小学生の頃からお笑いトリオ・ロバートの大ファンで、入社後にはロバート秋山さんを起用した企画も実現。そのストーリーは、自身がつづった書籍『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。~メモ少年~』にもまとめられています。今回は、「好き」を突き詰めて夢を実現したお話を聞きました。

篠田直哉(しのだ・なおや)さん

篠田直哉(しのだ・なおや)さん

27歳/5年目
名古屋テレビ放送
コンテンツビジネス局コンテンツプロデュース部

仕事内容は?

現在は音楽番組「BomberE」のディレクターやバラエティ番組「パパラピーズのスゴイじゃんTV‼︎」のプロデューサーをしているほか、メ~テレ公式YouTubeチャンネル「メモ少年【テレビ局の生活】」の配信もしています。

<ある日のスケジュール> ※編集作業のある日
10時00分 出社
ディレクターが作成した担当番組のVTRをチェック
11時00分 番組会議
今後の番組内容やキャスティング、収益化などのディスカッション
12時00分 昼休憩
13時00分 特番の企画会議
企画内容、演出、スケジュールなどの相談
15時00分
メールの返信や 次回の収録スケジュール作成など
17時00分
朝、ディレクターに修正依頼をしたVTRの最終チェック
19時00分 退社

番組収録の日は朝9時に出社し、打ち合わせやリハーサル、収録などを行い、19時~20時頃に退社など、日によってスケジュールは大きく異なります。

子どものころの夢は?

小学5年生の夏休みにロバートさんのお笑いライブのDVDを見て、あまりの面白さにドハマりし、繰り返しDVDを鑑賞してネタを完コピ、学校で披露するようになりました。その頃の夢は「ロバートのメンバーになる」でしたが、今思うと、「ヒーローになりたい」というのと近い感覚だったように思います。

当時、父が東京で単身赴任をしており、6年生の夏休みに家族で東京に行くことになりました。その時、初めてロバートさんのお笑いライブを見て、録音できない会場でどうしても記憶に残したくてメモをとりました。そこから、ロバートさんのお笑いライブの日に合わせて東京に遊びに行くようになり、いつも前方の席でメモをとっていたため、ロバートさんから「メモ少年」と名付けられました。

↑お笑いライブに通っていた頃のメモ↑お笑いライブに通っていた頃のメモ

中学生の頃に、ロバートさんから冗談で「マネージャーになったらいいじゃん」と言われたんです。「ロバートと一緒に仕事をする」という選択肢があると気づいたことで目標ができ、勉強に対してのモチベーションがアップしました。

この仕事に就くために努力したことは?

実は、努力したという感覚はありません。好きなことをやって追いかけていたら、今に繋がったという感じです。

「ロバートのマネージャーになりたい」という思いから受験勉強に取り組み、高校は地元大阪の進学校へ。ロバートさんが東京吉本に所属していたこともあって、東京の大学に進学しました。大学では学園祭の実行委員になり、ロバートさんのお笑い単独ライブを企画し、実現。3000人が集まり大盛況となりました。その時の経験から「ロバートと一緒にものづくりをしてみたい」という思いが湧き、テレビ局への就職を目指します。当時、当社がロバートさんの番組を作っていたことがきっかけでインターンシップに参加し、縁あって就職しました。

この仕事の楽しいところは?

自分が携わった番組に大きな反響があった時は楽しいです。視聴者の方からの「面白かった」という声や、出演者の魅力が上手く引き出せて喜んでもらえた時は、やってよかったと思えます。

特にYouTubeチャンネルで配信した「【ロバート秋山】元ストーカーがテレビ局員に。職権濫用で番組に呼ばれる」は880万回再生(2023年10月現在)を記録し、反響の大きさにとにかく驚きました。ロバートファンの自分が、一方的にロバート愛を本人に語り掛けるという内容ですが、ネットだからこそ、エリアを超えて多くの方に視聴していただけました。動画のコメント欄を見ると「推しと仕事したい!」と思っているオタクだけでなく、それ以外にも幅広い人の心にも刺さったことが伝わってきて嬉しかったです。

この仕事の大変なところは?

演出に「正解」がないことです。例えば、正しいと思うことの真逆をやったとしても「面白い」と言われることもあるし、とにかくやってみないと分かりません。悩んでも答えは出ないし、時間がかかってしまいます。演出を考える上で、どのように進めるかは難しい部分でもあり、逆に面白い部分でもあります。

今後の目標は?

地上波を持っている強みを活かし、すべての壁を取っ払い、「面白い」と思うものを最大限表現していきたいです。配信やYouTube、SNSなどさまざまなものを活用し、テレビ業界にいる20代にしかできないもの、デジタルネイティブ世代だからこそできるコンテンツを作っていきたいです。

将来の進路を考える人へのメッセージ

学生時代、先輩から言われた「利己的であるがゆえに利他的」という言葉が好きです。ロバートの秋山さんは、自分のやりたいお笑いを追求した結果として、周りの人を楽しませています。僕も入社してから企画を出し続けて、2年目にロバートさんの企画を実現させました。ロバートさんだけを突き詰めて就職しましたが、結果として他の仕事にも活かされて楽しく働くことができています。自分の好きなことに取り組むことが、周りの人を喜ばせることや将来にも繋がっていくのではないでしょうか。


小・中・高・大と学生時代、青春の全てをロバートに捧げ、新卒でテレビ局に就職、ロバートと番組を制作するまでに至った篠田さんの軌跡をまとめた本。行動力と実現する力、そして推しへの愛は、お笑いファンだけでなく推しを持つ全ての人、将来の進路を考える人の気づきにもなるはず。正攻法で「推し」のパーソナルスペースに入り込んだ、「奇跡の軌跡」ともいえる1冊です。

『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。 ~メモ少年~』 篠田直哉著 (発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)『ロバートの元ストーカーがテレビ局員になる。 ~メモ少年~』 篠田直哉著 (発行:東京ニュース通信社/発売:講談社)

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文・聞き手:きずなネットよみものWeb編集部

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