支えられたからこそ支える側に・・・循環型子育て支援を目指して

支えられたからこそ支える側に・・・循環型子育て支援を目指して

~「人と社会をつなぐお仕事」シリーズ
vol.5: NPO法人まぁーる代表/多治見市駅北親子ひろば施設長 佐藤薫さん~

たくさんの職業がある中で、なぜその仕事に情熱を燃やすのでしょうか。「人と社会をつなぐお仕事」シリーズでは、インタビューを通して地域社会・コミュニティを支える人にスポットを当てていきます。働くことを通して、人と人、人と社会をつなぎ、むすびあわせることを目指します。
第5回目は、「ぽかぽか広場」の愛称で親しまれる多治見市駅北親子ひろば(以下、ぽかぽか広場)の施設長を務める佐藤薫さん。
ぽかぽか広場は、子育て家庭支援活動をおこなう特定非営利活動法人まぁーる(以下、まぁーる)が多治見市から委託を受けて事業を運営しています。
まぁーるの理事長である佐藤さんは2児のママ。もともとは、まぁーるの運営する子育て広場の利用者でした。利用者からママスタッフになり・・・気がつけば運営側になったという佐藤さんにお話を伺いました。

佐藤さんのこれまでのキャリア

長野県出身、結婚を機に2004年に多治見市に引っ越してきたという佐藤さん

長野県出身、結婚を機に2004年に多治見市に引っ越してきたという佐藤さん。知り合いのいない土地での出産、子育てに行き詰まっていた時に参加したのがまぁーるの子育てサロンでした。

誰に押しつけられたわけでもないのに、漠然と抱えていた子育てのプレッシャーに押しつぶされそうだった時。子育てサロンで話を聞いてもらうことでスッキリして、心が救われました。そして、自分が支えられたからこそ、今度は支える側になりたい。そんな思いから、長男が幼稚園に入ったタイミングで子育てサロンのママスタッフになったそう。

2015年、多治見市役所駅北庁舎3階に「ぽかぽか広場」が開設され、まぁーるが運営をおこなうことに。スタッフの中から、佐藤さんが施設長に就任しました。
「任された時は、新しいことにチャレンジできるという嬉しさも。ただ、後になってから、ジワジワと大役を引き受けてしまったという責任の重さを感じるように、身が引き締まる思いです。」

ぽかぽか広場は今年で7年目、多治見市の子育て支援の中核を担う事業。15人のスタッフとともに佐藤さん自身も、たくさんのママたちに声をかけ、話を聞き、心の支えになっています。

「人との関わり」が今につながる

子どもの頃は、いつもお昼休みには友達と一緒におしゃべりしている子でした。学生時代には中国語を専攻し、教員免許もとりました。

子どもの頃は、リーダータイプだったわけではありませんが、いつもお昼休みには友達と一緒におしゃべりしている子でした。学生時代には中国語を専攻し、教員免許もとりました。人と関わること、子どもに関わることは、好きでしたし興味があったように思います。

就職先は、学生時代に学んだ語学を活かしたいと思い、海外と取引のある製造業で事務職をしていました。ただ、入社時に志していた海外事業への夢を叶えぬまま、結婚を機に退職。多治見市に引っ越しました。
そして出産、子育てを経て気がついたら今の仕事に。ただ、振り返ってみれば、会社員時代の取引先や各部署との調整なども、人と関わる仕事。子どもの頃も、何かになりたい!という将来の夢があったわけではないのですが、すべての経験が今の仕事につながり、活きているように思います。

ママに寄り添うパートナーとして

先日、ぽかぽか広場に初めていらした第一子で4ヶ月位のお子さんを持つママがいました。

先日、ぽかぽか広場に初めていらした第一子で4ヶ月位のお子さんを持つママがいました。子どもの様子がおかしいなと思い、近くの小児科に連れて行ったら「詳しい検査を」と、大きな病院を紹介されたそう。そのママがぽかぽか広場に来たのは、大きな病院を受診する前。さまざまな気持ちが入り交じって、沈んだ顔をして「母親としての自信がない」と泣いていました。
「ご主人は何て言っていたの?」「どんな気持ちだったの?」時折問いかけながら、話を聞いていると、そのママがハッとして言いました。「あ、私、不安だったんだ・・・」と。

話をすることで気持ちの整理ができて、自分自身の「不安」という感情に気づいたようでした。
「自信がないって言っていたけど、そんなことないよ。ママになってたった4ヶ月で、子どもの異変に気づけたなんて、すごいよ。」そう声をかけたら、涙を流し、最後にはスッキリした顔をして帰って行かれました。

育児をしていると、子どもと2人だけの世界になりがちです。そして、悩みがあるとインターネットで検索をする・・・もちろんそれでもよいのですが、同じ世代のママたちや第三者と関わることで、悩みを解決するヒントが見つかることもあります。

この仕事をしている中で、特に最近は価値観が多様化していることを痛感しています。同じ言葉をかけても、受け取る人によって、タイミングによって感じ方が全く違う。それが、この仕事の難しさであり、面白さでもあります。
私自身は、ママ達を指導する立場ではありません。アドバイスをするわけではないですが、ママ達の伴走者であることを大切にしています。

「まぁーる」の願いを形に

2018年にまぁーるの前任理事長の退任に伴い、私が理事長に就任しました。声をかけられた時は、やれるかどうかの不安がなかったわけではありません。でも、もし私がやらなかったらどうなる?まさか、まぁーるがなくなる?それは絶対にない!と思い、理事長になることを決めました。

まぁーるでは、多治見市の委託事業であるぽかぽか広場以外にも、さまざまな活動をおこなっています。
0歳の赤ちゃんをもつママの広場、園児・学童をもつママのおしゃべりの場、病気の子をもつママのおしゃべり会、小学校の先生を招いてお母さんとおしゃべりできる会など。子どもの成長に応じて悩みや関心事も変わってきます。対象の年齢から外れたら終わり・・・ではなく、継続的にママ達がつどい、交流できる場を作っています。
目指しているのは、循環型の子育て支援。私自身もそうだったように、助けられたからこそ助けたいと地域で支え合えあう輪を作っていきたいです。

まぁーるのねがい

まぁーるでは、小学校4年生から参加できる子どもスタッフも活躍しています。長女も2017年から何度か広場に参加してくれています。私がいると恥ずかしいようで、1人で参加することが多いのですが、帰宅後は「こんなことがあった!」といつも嬉しそうに話してくれます。
「ぽかぽか広場」に来ていた子どもたちが、子どもスタッフとして戻ってくる。そして、これから10年、20年たって、その子どもがママになって子どもをつれて来てくれる。そんな循環ができたら・・・こんなに嬉しいことはないですね。
支援の輪が循環する社会を作ること、それが私の願いであり目標になっています。

特定非営利活動法人まぁーるとは?
岐阜県多治見市に住む0歳から18歳までの全ての子どもが自分らしく成長することを支援する組織として2007年に発足しました。
子育て家庭支援活動のさらなる充実と地域活性化支援へと視野を広げた活動を展開しています。

【お話を伺った方の紹介】
NPO法人まぁーる理事長/多治見市駅北親子ひろば施設長
佐藤 薫(さとう かおる)さん

NPO法人まぁーる理事長/多治見市駅北親子ひろば施設長 佐藤 薫(さとう かおる)さん

まぁーるはママ達の『あれやりたい!これやりたい!』を随時募集中です。例えば・・「大きな紙に子どもと思いっきり絵具遊びしたい!」とか「みんなで〇〇公園に行ってみたい!」等々。みんなでやったら楽しさ倍増。ママも子どもも新しいつながりや発見があるかもしれません。スタッフがサポートしますので一緒に計画してみましょう!気軽に声を聞かせて下さい

文:三輪田理恵

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