産後クライシスはいつまで?夫婦の危機を乗り越える5つのコツ

産後クライシスはいつまで?夫婦の危機を乗り越える5つのコツ

多くの夫婦で起こりうる問題として「産後クライシス」が注目されています。
もしかしたら自分も産後クライシスなのでは?と不安に思っている方に。ここでは、産後クライシスとは何か。さまざまなデータを元に、その症状や時期、乗り越える方法を具体的にご紹介します。

産後クライシスとは?

産後クライシスとは、子供の出産をきっかけに夫婦仲が急激に冷え込み、夫婦関係が破綻する危機的な状況を指します

産後クライシスとは、子供の出産をきっかけに夫婦仲が急激に冷え込み、夫婦関係が破綻する危機的な状況を指します。
クライシスは英語で「危機」や「重大局面」を意味しますから、まさに文字通り、産後に迎える夫婦関係の危機を表しています。
本来、子供を授かることは夫婦にとって大変喜ばしいこと。しかし、その出産後に産後クライシスになるのはなぜでしょうか。

産後、夫婦関係が冷え込む

出産後の夫婦関係の変化について参考になるデータがあります。
ある民間企業が妻の夫に対する愛情配分を調査したところ、出産前後から急激に下がることが判明しました。(※1)
さらに注目すべきは、出産後数年に渡る夫への愛情配分です。
産後「夫と一緒に子育てをした」と答えたグループは妻の愛情が徐々に回復し、「妻一人で子育てをした」と答えたグループでは回復せず低迷した状態のままということも明らかになっています。(※1)
本来幸せなはずの出産がきっかけとなり、夫婦仲が悪化。場合によってはその先も大きく影響するのです。
さらに別の調査でも、出産を経験した女性の6割が「産後に夫への愛情の冷え込みを感じたことがある」と回答しています。(※2)出産をきっかけに夫婦関係が変化するのは、珍しいことではないのです。

産後クライシスの状況・症状

夫婦関係が悪化すると、心身にも影響が出かねません。
産後クライシスでは、下記のような状況・症状があらわれることが考えられます。

  • パートナーに愛情を感じられなくなる
  • 夫婦間の会話がほとんどない
  • 育児をめぐり言い争いになる
  • イライラする/不安になる
  • 疲労感がある
  • 熟睡感がない

など

生後間もない赤ちゃんのお世話は、慣れないママやパパにとって、ただでさえ大変ですよね。乳児期は夜泣きなどで十分な睡眠もままならない状況が続きます。
赤ちゃん中心の生活になると、以前のように夫婦でゆっくり会話する時間は取りづらいものです。
会話が減る上、育児の負担がのしかかることで、夫婦喧嘩が増えてしまうこともあるでしょう。
実際に夫婦喧嘩が起きる理由について調べた調査でも、「態度や言葉遣い」に次いで、「育児」が2番目に多い理由として挙げられています。(※3)

次章からは、産後クライシスの時期、具体的な乗り越え方をご紹介します。

ひどい時期は?いつまで続く?

産後からの夫婦関係の悪化は、何年も続いてしまうこともあるようです

産後からの夫婦関係の悪化は、何年も続いてしまうこともあるようです。注意すべき時期を見てみましょう。

産後の不安定な時期に注意

民間企業のアンケート調査によると、母親が夫婦関係の悪化を感じ始めた時期は産後3ヶ月以内が約73%、母親の9割以上は産後半年以内と回答しています。(※2)
産後2年までを縦断的に調査した研究では、産後1ヶ月以降は母親が情緒不安定になりがちなことがわかっています。(※4)
日本では里帰り出産も多く、産後1ヶ月以内は母親の実母等のサポートがある場合も多いものです。
夫婦での育児が本格的にスタートするのは産後1ヶ月以降。この時期は、まだ睡眠不足や育児不安が強い時期だと言われています。
産後の女性は育児でストレスを抱えやすいだけでなく、ホルモンバランスの乱れで精神が不安定になりがちです。
つい感情的になることも多く、すぐイライラする、突然涙が出てしまうなど、自分で感情をコントロールするのが難しいこともあります。
さらに近年の研究では、父親も産後に育児不安などを抱えていることも指摘されています。(※5)

産後まもなくは、慣れない育児に夫婦とも不安定になりやすく、夫婦関係にも影響し始めるのは無理もありません。
しかし、お互いにサポートしあえる夫婦は、夫婦関係の満足度が高くなるとさまざまな研究で明らかになっています。子供が赤ちゃんのうちは赤ちゃん中心の生活になりがちですが、夫婦で会話する時間は確保した方がよさそうです。

産後2~3年頃まで続く

産後クライシスになってしまうといつまで続くのでしょうか?
冒頭で紹介した妻の夫に対する愛情配分の調査では、「妻が一人で育児をした」と答えたグループの愛情配分は回復せず、子供が高校を卒業するまで右肩下がりで低迷し続けることが分かります。(※1)
また産後3年間を縦断的に調査した研究では、産後2年目に男女ともに夫婦関係の親密性が低くなり、3年目も低いままであると報告されています。(※6)

このように、産後クライシスはパートナーへの関わり方次第で、想像以上に長引いてしまうものです。パートナーと共に産後の厳しい時期をどう乗り越えるかが、夫婦関係の悪化を食い止めるポイントと言えそうです。

産後クライシスを乗り越えるには

産後クライシスを乗り越えるには、育児の協力体制と感謝の気持ち、イライラを解消するすべが必要です

何年にもわたり夫婦関係が冷え込んでしまうのは避けたいものですよね。
産後クライシスを乗り越えるには、育児の協力体制と感謝の気持ち、イライラを解消するすべが必要です。

産後クライシスの解決方法で一番大切なのは「協力して育児や家事を行うこと」です。
あるアンケートでは、育児に協力的でないパートナーを持つ妻に、「パートナーが育児や家事に協力してくれなかったことであなたの身体・精神状態に影響はありましたか?」と質問したところ、「あった」と答えた方が88.2%にも上ったことが分かっています。(※7)
夫婦関係の変化に関する調査でも、夫婦が悪化する要因として、夫の育児参加の少なさが挙げられています。(※6)

ただ、自分の要求だけ押し付けても相手にはなかなか響きません。夫の協力を得るための方法を次章でご紹介します。

夫の協力を得る5つのコツ

男性と女性ではそもそも脳の構造が異なります。男性の受け取りやすい形で働きかけることで協力を得やすくなり、結果として自分自身もラクになるはず。
そのポイントを5つご紹介します。

「察して」は通じない!言葉で伝えて

例えば「夜泣きでほとんど寝ていなくて、体がしんどい」「慣れない授乳で胸が痛くて大変」など、夫に知っておいてほしい心身の状態はきちんと言葉で伝えてみましょう。
「見ただけで具合が悪いのは分かるはず…」という気持ちは呑み込んで、夫には何でも言葉で説明することを心掛けましょう。
妻側からすれば「見れば分かるでしょう」という状態も、言葉にしなければ夫には理解しづらいようです。

夫の家事育児は「6割できれば合格」と考える

男性の家事や育児は、女性から見ると気になることも多いですよね。
洗濯をしてくれても乾いたら放置されていたり、子供をお風呂に入れても洗い方が雑だったりと、その出来栄えに眉をひそめる場合もありますよね。
しかし、普段家事をしない夫が家事をしたというだけでも進歩。出来は6割でOKだと考えるのがベターです。
細かい部分まであれこれ口を出してしまうと、せっかく芽生えた夫のやる気を無くしてしまいます。
夫が手伝いにやる気を見せたら、まずは継続してもらうことをゴールに見守りましょう。

「イクメン」と夫を比較しない

最近は育児に積極的に関わる夫、いわゆるイクメンが多くメディアで取り上げられています。つい自分の夫と比べてしまい、落ち込んだり、不満を感じたりした経験もあるのではないでしょうか。
ただ、子育てと同じで夫を他人と比較するのは得策ではありません。
つい夫への物言いがきつくなったり、冷たい態度を無意識に取ったりする可能性もあります。
まずは些細なことでもいいので、褒めてみることから始めましょう。

イライラ解消法を見つける

夫から見た夫婦関係悪化の要因は、妻のイライラ度合いが強いことと長時間労働だという調査結果があります。(※6)
夫は「妻をサポートしたい」と思っていても、仕事の都合などで思い通りにいかず、ストレスをためているのかもしれません。
そこに妻のイライラが加われば、夫婦でなくても人間関係はうまくいかないですよね。

子供が小さいうちは特に、なかなか思い通りにならずストレスが貯まるもの。
育児中は自分の時間がとれず、イライラを解消する手段も限られてしまいますよね。
たまには子供が寝た後にゆっくりお風呂に入る、好きな音楽を聴く、好きなものを食べるなど、自分なりのイライラ解消法を見つけ、定期的に実行できるよう夫の協力を得ましょう。
妻のイライラが減れば、夫のストレスも減り、夫婦関係改善のきっかけとなるでしょう。

感謝の言葉を忘れない

男性は妻をサポートしたいと思いつつ、やり方が合っているのかわからず、自信がないことも考えられます。
1歳6ヶ月の子を持つ夫婦への調査によると、男性も育児参加への不安や迷いがあることが示されています。(※8)
妻との会話や相談、妻の体調への気遣いなど夫からの精神面でのサポートに対し、妻が評価しているよりも夫の自己評価は低いそうです。(※8)
夫に話を聞いてもらったら「ありがとう」と伝える、希望があれば「こうして欲しい」と伝えると、夫も「こうすればいいんだ」と自信を持てるはず。

夫婦で支えあうには、コミュニケーションが欠かせません。
育児の負担が大きいとイライラしてしまいますが、そのイライラの原因も言葉で説明し、感謝の言葉を忘れないことが大切だといえそうです。

まとめ

つらいときは、しっかりと言葉で自分の気持ちや状況を伝え、夫婦が共に協力して育児を行える関係づくりを意識してみてください

赤ちゃんを授かると、これまでの二人だけの生活とは何もかもが大きく変わります。育児で心身が疲れ切ってしまい、ついパートナーに感情的になってしまうことも少なくありません。
つらいときは、しっかりと言葉で自分の気持ちや状況を伝え、夫婦が共に協力して育児を行える関係づくりを意識してみてください。

参考:
※1 パパの育児と愛情曲線/東京都生活文化局
※2 プレスリリース│6割以上のママが産後クライシスを経験 9割以上が「産後半年以内」に夫への愛情の冷え込みを感じ始める 株式会社カラダノート
※3 プレスリリース│『夫婦間リベンジ』についての実態調査/Dlife
※4 妊娠末期から産後2年間の女性の心理・社会的状態 第3報MCQ,EPDS ,GHQ30 の変化と関連/吉田安子 丸山知子 杉山厚子/日本女性心身医学会雑誌
※5 産後 1 カ月までの夫婦の抑うつ状態/塩谷友理子 我部山キヨ子/女性心身医学
※6 親になることにともなう夫婦関係の変化/小野寺 敦子/発達心理学研究
※7 プレスリリース│8割のママが出産後の体調悪化を実感 自治体による支援の期待大/株式会社明日香
※8 子育て中の夫の精神援助行動の特性と夫婦関係満足度の関連/瀧本千紗 室津史子 濵耕子

文:COE LOG編集部

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